人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2021年11月15日(月)放送
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  • 高齢者シャレトーネショウ

鶴田弥生

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高齢者シャレトーネショウ

皆さんは、いくつになってもきれいでいたい。自分らしく輝いていたいと思いませんか。そんな願いを叶えるイベントが、北九州市で開催されています。高齢者が主役のファッションショー、「グランドシニア・シャレトーネショウ」です。

ショーを運営するのは、小倉南区の「NPO法人明日はもっと綺麗隊」です。代表の成瀬須美子さんは、美容の仕事に携わる一方で、長年、高齢者や障害者の施設でメイクをするボランティアをしてきました。成瀬さんはこう話します。
「最初は施設の職員の方から『ここにメイクをしたい人なんていませんよ。』と言われました。でも、実際にはじめると、全員が手を挙げて希望したんです。メイクをすると、皆さん素敵な笑顔になって、会話も弾むようになりました。
活動を続けるうちに、皆さんが『せっかくきれいにしてもらっても、出掛けるところもないし、見せる人もいないのよね。』とおっしゃるようになったんです。それで、ファッションショーをしようと思いました。」

「グランドシニア・シャレトーネショウ」は、二〇一六年に始まり、六十六歳から九十九歳まで、延べ一〇一人が参加しています。
ショーの当日、お気に入りの衣装を着た参加者は、プロにヘアセットやメイクをしてもらい、出番を待ちます。スポットライトを浴びて舞台に出ると、会場から温かい拍手が沸き起こります。
シックなスーツ姿で、仲良く腕を組む八十代のご夫婦。華やかな黄色いドレスで、お孫さんと一緒に登場する車椅子の女性。さまざまな人がステージに立ち、満面の笑みで観客席に手を振ります。
九十六歳で参加した女性は、「来年も背筋を伸ばして出たいから、一年間健康で頑張る。」と言い、沈みがちだった気持ちが明るくなりました。また、認知症の女性は、見違えるほど生き生きと振る舞い、周囲の人を驚かせました。
出場者のお子さんやお孫さんの協力も増え、今では家族総出のイベントとなっています。

「私たちスタッフも、皆さんの前向きな姿に、勇気をもらっています。」と笑顔で話す成瀬さん。学生スタッフからは、「未来に希望が持てた。」という感想もあったそうです。
ショーは家族の絆を深め、参加者同士の交流の輪も広げています。
いくつになっても、誰もが輝ける街は素敵ですね。
では、また。