皆さんは、ある調査で、日本における性的マイノリティの割合は、人口の八〜十%という結果だったことをご存じですか。例えば、百人が勤める会社なら、およそ十人の性的マイノリティの社員がいらっしゃるということです。
TOTO株式会社、ダイバーシティ推進グループの山上雅さんにお話を聞きました。
【山上さん】社員一万八千人の十%が性的マイノリティの当事者と考えるとかなりの人数です。誰もが気兼ねなく使える公共トイレなどを提案する会社として「社内の性的マイノリティに対する理解はどうだろう」と考えるようになりました。まず始めたのは、「知らない」ことに気づくこと、そして、正しく知ることからです。研修を行うと、LGBTQという言葉さえ、初めて聞いたという人もいました。
TOTOでは、インターネット研修や社内報などを通じて、性的マイノリティへの理解を深めようと取り組んできました。
社内に匿名で相談ができる専用の相談窓口を設け、同性パートナーの事実婚も制度として認定しました。
こうした取組などが評価され、「PRIDE指標2023」で、三年連続四回目の「ゴールド」を受賞しました。「PRIDE指標」とは、職場における性的マイノリティへの取組を評価する指標で、「ゴールド」は、五つの指標における満点の評価です。
性的マイノリティの方も働きやすい職場づくりには、何が大切なのでしょうか?
【山上さん】大切なのは、「もしかすると、身近にいるのに気づいていないだけかもしれない」と想像すること。例えば仲間同士の何気ない会話でも、「もしかすると…」と考えながら行動することを全社員に伝えています。
当事者の方に、カミングアウトしてほしいわけではありません。ただ、カミングアウトしたいと考えたときや困りごとがあるときなど、安心して相談できる職場環境にしたいと思っています。
いかがでしたか。
想像力を働かせるためには、まずは正しく理解することが大事だと山上さんは言います。性の在り方は、人それぞれで、悩みも困りごとも異なります。
まずは、正しい理解から、始めてみませんか。
では、また。