今日は、北九州市八幡西区の中学三年生、藤井優奈さんの作文を紹介します。題は『「障害」を持つ人と出会って』です。
「障害者」と聞いてまずイメージする人はどのような人だろうか。車イスに乗っている人、目が不自由でつえをついたり盲導犬を連れていたりする人、知的障害のある人などその人によってそれぞれだろう。そのような障害者は社会的弱者だと考えられている。
私の母は障害者支援施設で看護師をしている。母の職場での夏祭りに参加した時に様々な障害を持っている人に出会った。小声で何か話していると思ったら、急に手を叩いて大声を出し笑い出した人がいた。私は驚いて、じっと見つめるとその人に悪い気がして目をそらした。母や他の職員の人はその人に、「今日は楽しいですね、良かったですね。」と話し掛けていた。私は母に、「本当に楽しいと思っているのかな?」と聞くと、「たまにしか笑顔にならないのよ。だから今日は本当に楽しいんだと思う」との言葉が返ってきた。
その人とは反対に泣き出す人もいた。「あの人は音に敏感だから、いつもと違う音にビックリしたのかな?」。私には気にならない程度の音量だったが、その人には恐怖に感じたのだろう。その後は怖く感じない距離に移動したり音を小さくしたりと工夫していた。
左側に麻ひがあり、右手と右足を使ってゆっくり車イスをこいでいる人がいて、母に「車イスを押してあげて」と言われ、おそるおそる押した。その人は「ありがとう。今日は楽しくて疲れたから助かる」と言ってくれた。普段言ったり言われたりする「ありがとう」たった一言だったが、とてもうれしくなった。
障害者の方に実際に触れたことがない人は、ネットやうわさなど触れることのできる情報からイメージを作り上げてしまう。今の社会に必要なのは「障害者の出会いの場」だと思う。幼い頃から当たり前に同じ環境にいることで、「障害者」という言葉はなくなるだろう。私はそんな社会になってほしい。
いかがでしたか。
様々な障害のある人とじかに接したからこそ、いろいろなことを感じ、考え、多くの気づきがあった作者。私たちも、障害のある人を特別な存在ではなく、そばにいて当たり前の存在として、お互いに尊重し支え合う、そんな社会を目指したいですね。
では、また。