令和六年一月、認知症に関する初の法律「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。
この法律には、認知症の人が希望を持って暮らすことができるよう、次の理念が示されています。
認知症の人が基本的人権を有する個人として、自分の意思で日常生活や社会生活を営むことができること、みんなが認知症に関する正しい知識を持ち、認知症の人に関する正しい理解を深めること、認知症の人が生活を営む上で壁となるものを取り除く、いわゆる「認知症バリアフリー化」のこと、認知症の人やその家族が地域で安心して生活をするための支援に関することなどです。
今日は、認知症の人やその家族を見守り応援しようと、全校生徒と職員、希望する保護者、地域の方など、およそ四百二十人が「認知症サポーター」になった引野中学校のお話です。
「中学生にとっておじいちゃん、おばあちゃんはまだ若く、認知症のことをあまり知らない子がほとんどでした。
ところが、将来的には六十五歳以上の五人に一人が認知症になると聞いて、それなら自分や家族の誰かがなるかも、と気づいたんです。自分には関係ないと思っていた生徒たちが、認知症を身近に感じ、自分にも何かできることがあるのでは、と真剣に考えるようになりました。」
と語ってくれたのは、教頭先生です。
認知症の人やその家族は、病気に対する理解のなさや偏見から発せられる何気ない一言に傷つくことがあります。相手を傷つけないためにも、まずは話を聞き、否定しないことが大切です。
「認知症サポーター養成講座」では、分かりやすい劇を通して、認知症の方への接し方を学びました。
生徒たちは、講座で学んだことを家族や地域の高齢者の方と触れ合う中で、活かそうとしているそうです。
「できないことを責めるのではなく、笑顔で寄り添ってあげることが大切」、「悪気はなくても相手を不快な気持ちにさせることがある。認知症の方だけでなく、普段の人との関わり方でも気をつけたい」生徒からはそんな気づきの声もありました。
いかがでしたか。
私たちも、認知症の人への正しい理解を深め、認知症の人を含めた一人一人が、互いを尊重し、支え合いながら共に生活する活力ある社会、基本法が目的とする共生社会を実現したいですね。
では、また。