人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2024年11月11日(月)放送
  • テーマ /災害 ジャンル検索
  • ためらわずに避難を

冨永裕輔

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ためらわずに避難を

近年、地震や大雨など、多くの自然災害が発生しています。もしものとき、皆さんは、ためらわずに避難所に避難することができるでしょうか。

最近は、個人のプライバシーに配慮した避難所づくりなど、様々な検討が行われていますが、それでも、たくさんの人が集まる避難所には、行きたくないと感じたり、迷惑をかけるのではと悩んだりする人もいるようです。

大雨が続くある日、遠くに住む孫から電話がかかってきました。

【孫】もしもし、おばあちゃん?大雨で警報が出てるけど、裏の崖は大丈夫?避難しなきゃ!
【おばあちゃん】隣の人は、避難所に行くみたいだけど…
【孫】避難しないの?
【おばあちゃん】おじいちゃんが足を悪くしてから、ベッドじゃなきゃ起き上がれないでしょう…。避難所で迷惑かけたくないから、行かないって言うの。
【孫】手遅れになったらどうするの!みんな助けてくれるよ。
【おばあちゃん】でも、いくら言っても、聞いてくれなくて…
 命を守ることが第一と分かっていながら、避難所に行くのをためらう人は少なくありません。
 高齢者や小さなお子さんのいる方、病気や障害のある人など、それぞれ事情を抱えています。
 「他の人に迷惑をかけたくない」「周りの人の見る目が気になる」など、不安な気持ちが先立っているのだと思います。

様々な配慮を必要とする人たちが、もしものときに安心して避難できるよう、私たちにできることはないでしょうか。

大切なのは、誰もがいろいろな事情や人に言えない思いを抱えているかもしれない、と想像してみることです。
「足が不自由な人が、トイレに行きやすくするにはどうしたらいいだろう」
「避難所にも子どもたちが、体を動かせる場所があるといいね」
「授乳する場所は、どこに作ってあげたらいいかな」など、みんなで想像力を働かせ、知恵を出し合い、工夫しながら、一人一人の人権が守られる避難所づくりを進めていきたいですね。

先ほどのおじいちゃん、おばあちゃんは、無事、避難を済ませ、避難所では、近所の人の手を借りて、安心して夜を過ごせたそうですよ。よかったですね。
 では、また。