今日は、北九州市若松区の小学六年生、苞山史和さんの作文を紹介します。題は『あなたがいてくれるから』です。
私は、今、学校に行けない日や教室に上がれない日がある。いじめられたわけでも辛いことがあったわけでもなく、急に難しくなったのだ。今は、母と登校して別室でリモート授業を受けたりテストをしたり、自分のできることをしている最中である。
そんなある日、ふっと教室へ行けるような気がした。私にとっては、とても勇気のいることだった。なぜか。それは人前に行くと、緊張してしまうし、友達に何か言われるのではないかと、不安になるからだ。特に、友達に「なぜ、学校へ来ないの?」「なぜ、教室に上がらないの?」「掃除に参加しないなんてずるい。」など、言われるのではないかと怖いのだ。どきどきする気持ちで教室に向かった。
でも、実際に教室に入ってみると
「おはよう。」とまるで、毎日同じ時間を過ごしてきたかのように、友達は自然に声をかけてくれた。私は驚きながら
「あっ、おはよう。」と思わず声が出てしまった。そして同時に、嬉しさと友達への申し訳ない気持ちの二つがこみ上げてきた。何も聞かずにそっとしておいてくれることが、私にはとても大切なこと。ありのままの私を受け止めて接してくれる。そんな友達の優しさを感じ、そばにいてくれることに感謝した。
私は、まだまだ今の状態から回復することは難しそうだ。半歩ずつしか前進は難しい。しかし、普通に接してくれる友達一人一人に、伝えたいけど伝えられない言葉がある。
「あなたがいてくれるから、私は笑顔になれる。」「あなたがいてくれるから一人じゃないと思えるよ。」「そして…ありがとう。」
私のように心が弱っている人に寄り添うためには、そばにいてくれるだけでいい。私もいつか少しでも、人の小さな支えになれる人間になれたら…と強く感じている。
いかがでしたか。
様々な理由で心が弱っている人は、「なぜ、できないの?」と聞かれても答えに困ってしまいますよね。
そんなときに本当に欲しいのは、いつも通りの声かけだったり、何も聞かずにそばにいてくれることだったり。史和さんは大切なことを教えてくれましたね。
史和さん、みんなに伝えてくれて、ありがとう。
では、また。