この頃、まちやお店や電車・バスの中など、日々の生活の中で外国人の方をよく見かけますね。それもそのはず、北九州市には令和七年七月の時点でおよそ一万七千七百人、全部で百を超える国から来た外国人が暮らしています。そして、そのほとんどが韓国や中国、ベトナムなど、英語が母国語ではない国の人たちです。
彼らもみんな私たちと同じ市民の一員ですが、言葉が通じないために、ごみ出しなど暮らしのルールや、災害の時などの緊急連絡がきちんと伝わらず、何かと困っているのではないでしょうか。
例えば、こんな場面を目にしたことがあります。
ある朝、同じアパートの外国人の方が、ごみ出しの日ではないのにごみを捨てようとしているのを見た近所の方が声を掛けていました。
「今朝はごみ収集日じゃないけ、捨てたら駄目っちゃ!」
ところが、地元の人の早口や方言では伝わらなかったのか、その外国人はごみをそのまま捨てて立ち去ってしまいました。
このように、コミュニケーションがうまくとれないままでいると、お互いのことがよく分からないために思い込みや偏見が生まれ、差別につながることもあります。
こうした心のすれ違いを減らすためにも、日本語に慣れていない外国人の方と会話する時は、できるだけ相手が分かりやすい言葉で話すことが大切です。その方法の一つに「やさしい日本語」があります。
「やさしい日本語」とは、外国人にも伝わりやすいように難しい言葉を簡単な言い方にしたり、文章を短く句切って最後まではっきり話したりするなど、相手を思うやさしさのある言葉遣いのことです。
「やさしい日本語」を使うと、先ほどのごみ捨て場での声掛けも、こんなふうに変わります。
「今日は ごみを すてないで ください。
ごみの日は ○ようびです。」
いかがでしたか。
「やさしい日本語」に正解はありません。相手に伝えたいという気持ちと思いやりの心を持って、やさしい言葉で歩み寄れば、国籍や民族の異なる人同士でもお互いを理解し、同じまちの市民として共に安心して暮らしていくことができるのではないでしょうか。
では、また。



