人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2025年11月17日(月)放送
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  • ハーフだからなんだ

鶴田 弥生

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ハーフだからなんだ

 今日は、福岡法務局と福岡県人権擁護委員連合会主催の第四十三回全国中学生人権作文コンテスト福岡県大会で最優秀賞を受賞した、行橋市の中学二年生、福島ソフィアさんの作文『ハーフだからなんだ』を紹介します。この作文は、一部省略して朗読します。

 私はフィリピンと日本のハーフで、幼いころフィリピンに一年住んで、以降は日本に住むことになりました。
 「ハーフだから英語話せるよね」と何度も言われたことがあります。私は日本で育ったので英語は得意ではありません。なのに、ただ「ハーフ」という理由で英語を話せると思われることに違和感を感じました。
 また、同じハーフのA君と比べられ、「A君は英語が得意なのにあなたは得意じゃないの?」と見た目やルーツだけで判断され、とても傷つきました。
 私たちは皆異なる環境で育っていますが、それを理解せず単純に「ハーフだから」と偏見を持たれることが、どれほど負担になるかを痛感しました。
 私の母も仕事を探すときに、フィリピン人であることを理由に断られたことが何度かありました。母は日本語も流暢で、その職に十分な資格と経験を持っていたにもかかわらず、断られたことがあります。
 人種差別をなくすために、私たちは何をすべきでしょうか。私はまず教育が重要だと考えます。学校や家庭で多様性について学ぶ機会を増やし、異なる文化や背景を持つ人々を尊重する心を育むことが必要です。
 また個人としても差別に対する意識を高め、自分の言動が他人を傷つけていないか考えることが重要です。差別的な言動を目にした際には、声を上げる勇気を持ちましょう。私も、「ハーフだから英語を話せるよね」と言われたら、自分のことを理解してもらえるように説明する勇気を持ちたいです。
 人種差別は簡単には解決できない大きな人権問題です。しかし、一人ひとりが意識を変えることで改善していくはずです。私は、フィリピンと日本のハーフとして、両方の文化を大切にし、尊重しながら、差別のない社会を目指して行動していきたいと思います。

 いかがでしたか。
 自分の経験から人種差別について考えた作者は、作文をこう締めくくっています。
 「それぞれの違いを認め合い、尊重し合うことのできる世界を目指して努力していきます。今こそ、人権を尊重し、多様性を受け入れる社会を築く努力を始めるべきです。」
 では、また。

作文の全文はこちら(PDF)