今日は、北九州市門司区の小学六年生、蜂谷こまゆさんの『ふつうってなんだろう』という作文を紹介します。本人の朗読でお聴きください。
『ふつうってなんだろう』
北九州市立白野江小学校六年 蜂谷 こまゆ
私は、夏休みに「ふつうってなんだ?」という本を読みました。この本を選んだのは、いつもふつうという言葉を使っていたけれど、よく考えるとふつうってなんだろうと思ったからです。
この本の中で、心に残ったのは、「自分のことを呼ぶときもきゅう屈なときがある」という言葉です。自分のことを「ボク」と言いたい人に対して、
「女子なのに、ボクって言うなんて変。」
と言う人や、
「女子だから、もう少しおしとやかに話した方がいい。」
と言う人がいます。その人が自分のことをどう呼ぶかは本人の自由なのに、決めつけられてかわいそうだと思いました。もし、私だったら、悲しい気持ちになります。無理に呼び方を変えさせたりせず、みんながその人の気持ちを尊重できるようになればいいなと思いました。
次に、私は、この本でLGBTという言葉を知りました。二十二才の大学生は、体も心も女性で好きになるのも女性だそうです。また、二十五才の専門学校生は、体も心も男性で好きになるのは男性です。性はたくさんあって、人と違うことは当たり前であり、まさにそれが「自分らしさ」につながるということが分かりました。また、本の中には、「性のことで悩んでいることを相談されたときは、他の人に言わない」と書いていました。もし、私が友達に相談されたら、他の人には言わず
「相談してくれてありがとう。」
と、言いたいです。
私はこの本を読んで、いろいろな性があることを知りました。だれが「ふつう」の性でだれが「ふつうじゃない」性なのかという区別がないということも分かりました。これは性別だけに限らず、どのような特性にも言えることです。「ふつう」だとか「ふつうじゃない」という区別を押しつけず、その人らしさや自分らしさを大事にできる世の中にしていきたいと思います。
いかがでしたか。
生まれた時の性別だけでなく、自分の性をどう思っているか、どんな相手を好きになるかなど、さまざまな性のあり方に気づいた作者。
私たちも、「ふつう」「ふつうじゃない」といった区別をせず、一人一人の「その人らしさ」を尊重できるよう心がけたいものですね。
では、また。



