人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2025年11月25日(火)放送
  • テーマ / 犯罪被害者 ジャンル検索
  • 一人で悩まないで

岡澤 アキラ

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一人で悩まないで

 ある日突然、犯罪被害に遭ったら…。その時、支えてくれる団体があります。
 「福岡犯罪被害者支援センター」は、福岡県・福岡市・北九州市からの委託を受け、相談窓口「福岡犯罪被害者総合サポートセンター」を運営しています。
 犯罪被害に遭った方やそのご家族に対して、電話相談や面談、必要に応じて警察や検察庁、裁判所、病院などへの付き添いや法律相談、心のケアなどの支援をしています。

 センターの浦尚子さんにお話を伺いました。
「犯罪被害に遭うと、人が怖くなって、学校や職場に行けなくなるなど、対人関係も含め日常生活を奪われてしまうことがあります。
 辛く苦しいのは被害に遭った時だけと誤解されがちですが、警察に行ったり、裁判が始まったりと、その後の生活への影響は何年も続きます。被害者やご家族にとっては、犯人がつかまったらそれで終わり、ではないのです。
 犯罪被害者のほとんどは、誰にどう相談していいか分からず、警察や弁護士に紹介されてセンターのことを知ったという方も少なくありません。
 人から危害を加えられるのは、自分を守ってくれる境界線を勝手に越えられるということでもあります。そんな経験をした犯罪被害者の方と接する時に私たちが心がけているのは、何よりもご本人の意向や気持ちを大切にすることです。お話を聴きながら、今後どうしていくか、何が必要かを一緒に考え、サポートします。
 『友達や家族にも話せなかった事件のことを聞いてもらって気持ちが軽くなった』『センターのサポートのおかげでさまざまな支援制度を利用できて助かった』といった声をよくいただきます。被害者の方にとっては、『自分の味方になってくれる人がいる』ということがとても大きいようです。」

 浦さんは、周囲のサポートも受けながら被害者の方が自分の力を少しずつ取り戻していく姿に、感銘を受けることが多いと言います。そして、こう言葉を続けました。
 「皆さんの身近にも犯罪被害に遭った方がいるかもしれません。そのことを意識して、被害者の方が抱えるいろいろな困難さについて知ってもらえたらと思います。」

 犯罪被害に遭い、どうしていいか分からない時、誰かに話を聴いてほしい時は、一人で悩まず、福岡犯罪被害者総合サポートセンター北九州窓口に相談してみませんか。電話番号は〇九三の五八二の二七九六です。
 では、また。