令和七年二月、福岡県で開催された「第二十四回ハンセン病問題に関するシンポジウム」では、三つの高校が発表を行いました。その中の一つ、育徳館高校の生徒たちは、熊本にある国立療養所の菊池恵楓園を訪れ、回復者の方に直接お話を聞いたそうです。今日は、その声をお聴きください。
【女子高校生】ハンセン病の回復者のYさんからは、小学生の頃に同級生の男の子に病気の手を真似されて、悲しかった話を聞きました。また、Yさんの夫もハンセン病で、五感を失い手足が不自由だったため、亡くなるまでの四十六年間は短歌などを代筆しながら、文芸活動も二人三脚で支え合ってきました。回復者の方に実際にお会いして話を聞くことで、長年の苦しみや家族に会えない辛さなど、すべてがリアルに痛感させられました。
私は、Yさんがおっしゃった「ハンセン病で生きていく、療養所で生きていくには、忍耐が必要です。耐えることを知らない人はここでは生きていけません」という言葉がずっと忘れられません。ハンセン病になった方が、我慢すれば済むことなんでしょうか? 私たちにできるのは、このことに関心を持ち、理解する努力をすること。今回学んだことは、特に未来を担う高校生以下の人たちに伝えていかなくては、と思いました。
彼女たちはほかの学校の発表で、「ハンセン病患者の家族だから」という理由で、幼い頃からいじめやひどい差別を受けてきた人の話も聞きました。
【女子高校生】回復者やそのご家族の方は、今も偏見や差別で苦しんでいます。
コロナが蔓延したときも、周りの人の言葉を鵜呑みにして差別をする人がいました。もし再び未知の感染症が現れたとき、差別が起こらないようにするためにも、周りに振り回されることなく正しく知って、差別はいけないという強い意志を持ち続けることが大事だと思いました。
いかがでしたか?
ハンセン病は「らい菌」による感染症ですが、非常に感染力が弱く、すでに薬や治療法も確立されています。にもかかわらず、かつての強制隔離など間違ったハンセン病対策によって、回復者や家族の方々の人権が侵害されてきました。私たちに必要なのは、この高校生たちのように自分の事として、ハンセン病問題にもっと関心を持つことではないでしょうか?
では、また。



