人権を考える5分間のラジオ番組「明日への伝言板」

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明日への伝言板試聴コーナー

  • 2025年12月2日(火)放送
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  • 校内ラジオ

鶴田 弥生

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校内ラジオ

 匿名の「ラジオネーム」で在校生や教師が寄せた声を、校内放送で紹介する「校内ラジオ」。令和二年、人権学習の一環としてコロナ禍でもできる全校行事をと、福岡市立香椎第二中学校で始まりました。進行役を務めるのは、ラジオパーソナリティーで元高校教師の椎葉ユウさんです。評判を聞いた他校からも依頼があり、現在では福岡市内の中学校を中心に十数校へと広がりを見せています。
 年三回、授業時間の一、二時間分を「校内ラジオ」に充てている学校が多く、番組の内容や構成はさまざまです。校内アンケートをもとにしたリクエスト曲や質問、メッセージの紹介、相談コーナーなどに加え、先生や生徒がゲスト出演することもあります。
 パーソナリティーとして椎葉さんが大切にしているのは、否定せずに寄り添うこと。そして、多数意見と少数意見をバランスよく伝えることです。生徒からは、「匿名なので普段恥ずかしくて言えないことも言える」「自分とは違う考えを知ることができた」といった声が多く聞かれるそうです。

 椎葉さんは言います。
「匿名で、間に僕のようなパーソナリティーが入るラジオ独特の距離感は、生徒の思いや意見を引き出しやすいと思います。それに、例えば悩みの相談では、『ちゃんと聞いてもらえた。寄り添ってもらえた』と感じるだけでも違うんじゃないでしょうか。ラジオで自分のメッセージが読まれた時には、他のリスナーみんなとつながった感じがしますよね。一人一人の意見を大事にしながら、みんなで多様な価値観や悩みを共有する。それが自然と、お互いの人権を大事にすることにつながっている気がします」と。
 「校内ラジオ」を通して生徒同士や先生との距離も近づいているようで、放送終了後には、「楽しくてあったかい、優しい気持ちになれた」という感想をよくもらうといいます。
 「あまり学校に来られない生徒が、『校内ラジオがある日は聴きたいから学校に行きます』と言ってくれたという話をいくつかの学校から聞きました。すごくうれしかったですね」と、椎葉さん。
 
 私も「明日への伝言板」を通して、皆さんと多様な価値観を共有し、相手を思いやる気持ちや寄り添う気持ちの大切さなど…届けていきたいと思っています。
 では、また。