到津の森公園10周年
市民の皆さんと共にこれからも
開園10周年を迎えた到津の森公園は、市の中央に位置しながら、豊かな自然に囲まれた自然公園として市民に愛されています。市民ボランティアの活動や友の会、動物サポーターなど市民が支える仕組みが大きな特徴です。今回は、到津の森公園の魅力と、これから目指す姿について岩野俊郎園長に聞きました。
到津の森公園 園長
岩野俊郎さん
市民が支え続ける仕組み
到津の森公園の誕生には、平成10年の「到津遊園」閉園発表後に、森と動物を残してほしいと願う26万人の署名が大きな力となりました。
平成14年4月に「到津の森公園」として再オープン後も、動物のエサ代などを友の会や動物サポーターなどからの寄付で賄っています。
また、純粋に動物や植物が好きで「動物が食べやすいようにエサを切るお手伝いをしたい」「花や木を植えてきれいだと思ってもらえるのがうれしい」「子どもたちに動物の話をするのが楽しい」と園内で活動する市民ボランティアが100人以上います。支援団体「到津の森ちからの会」(市内13団体で構成)は、定期的にチャリティーバザーやイベントを開催しています。
これが、全国でも高い評価を受けている「市民が支える公園」といわれるゆえんです。
子どもから大人まで楽しめる日本一美しい動物園
珍しい動物を展示すれば一時的には集客できるかもしれませんが、いずれは飽きられてしまいます。
そこで到津の森公園では、子どもから大人まで何度も行きたくなる新しい動物園の形が必要と考えました。動物たちが自然の中でどのように暮らしているかがわかる「生態展示」を取り入れ、動物を見せる動物園から動物のことを知ってもらう動物園へと変わりました。動物たちの姿を通して自然からのメッセージを受け取ってほしいのです。
最近、東京や大阪の来園者から「到津の森公園はきれいだ」と言われ、大変誇らしく思いました。それは園内にごみが落ちていないし、動物のにおいも少ないからだと思います。
私たちは、園内の動植物、来園者が快適に過ごせる環境、スタッフの対応も含め日本一美しい動物園を目指しています。それが、森と動物を残してほしいと願った市民の期待に応えることになると思っています。
次世代に残すために
他の真似をするのではなく、地域が持っている力、風土、気候を生かし、助け合いの心で、到津の森公園にしかできない自然環境保護の動物園を地域の人たちと一緒につくっていきたいと思っています。「到津の森公園」が市民の宝となり、心のふるさとになればうれしいですね。市民の皆さんの力で、このすばらしい到津の森公園を次の世代に引き継いでいきましょう。10周年というこの機会に、今まで足を運んだことがない人も、しばらく来ていない人もぜひ遊びに来て下さい。
10周年記念事業「いとうづのもりがたり」
~到津の森公園の過去・現在・未来の物語~
市民が紡ぐ『いとうづのもりがたり』4月15日(日)~8月31日(金)
市民の皆さんから募集した到津の森公園への思い(文章)や、思い出の場所・動物などの写真、イラストレーター・黒田征太郎さんやアートディレクター・森本千絵さん等が「未来の動物園」をテーマに、子どもたちと作った絵画などを万国旗のように展示します。
ボランティアが紡ぐ『いとうづのもりがたり』(7~9月)
到津の森公園開園当初から園内で活動している市民ボランティア「森の仲間たち」の活動紹介やワークショップなどを開催します。
スタッフが紡ぐ『いとうづのもりがたり』(10~12月)
より自然な動物たちの生態を引き出す展示の工夫や動物たちとのエピソードなどスタッフが作り上げてきた園の魅力を紹介します。
*サポーター募集*
会員になると限定イベントへの招待や入園料の割引などの特典があります。
●到津の森公園友の会
動物たちの快適な生活環境の維持管理や病気治療など公園の運営を支援します。対象は個人。会費は1口1000円から。
●動物サポーター
好きな動物のエサ代をサポートします。支援は個人1口1000円から、法人・団体1口1万円から。
●到津の森公園基金
動物の購入や特色ある運営に支援します。対象は個人、法人・団体。金額に制限はありません。
【この特集に関する問い合わせ】 到津の森公園 TEL093・651・1895