高齢者の交通安全
特集 大切な命のために守ってほしい交通ルール

全国的に交通事故の死者数は減少傾向にある一方で、高齢者が占める割合は年々高くなっています。さらに、近年では、高齢者が事故の被害者だけでなく加害者になるケースも多発しています。そこで今回は、高齢者の交通安全について特集します。
本市の交通事故発生状況
市内での交通事故発生件数(平成28年中)は7729件、負傷者数は1万517人でした。また、死者数16人のうち高齢者は9人と、全体の半数以上を占めています。この原因の一つに、本市が政令指定都市の中で最も高齢化が進んでいることが挙げられます。こういった状況の中、今年度から始まった第9次北九州市交通安全計画では、高齢者の安全確保を特に重点的に取り組むようにしています。
事故に遭わないために
高齢歩行者の事故の多くは、道路横断中に起きています。道路を横断する時に事故に遭わないため、次のポイントに気を付けましょう。
- ●必ず横断歩道や信号機のある場所を横断しましょう。
- ●急に道路に出ると危険です。ドライバーから見える、安全な場所で必ず一度止まりましょう。また、青信号が点滅し始めた時は横断を始めずに止まりましょう。
- ●ドライバーが歩行者に気付いているとは限りません。走ってくる車が見えた時は、通り過ぎるのを待ちましょう。


加害者にならないために
平成28年中に高齢ドライバーが加害者となった交通事故の発生件数は、1513件。高齢ドライバーが交通事故の加害者となるケースが増加しています。高齢ドライバーの事故原因の特徴は、加齢による危険認知の遅れ、突発的な判断力の低下、注意力や視覚・聴覚機能の低下などと言われています。事故を起こさないために、次のポイントに気を付けましょう。
- ●十分な車間距離をとりましょう。十分な車間距離の目安は、前の車が、ある地点を通過してから3秒後に自分の車がそこを通過する距離です。
- ●道路や周囲の状況に応じた安全な速度で走行しましょう。速度が上がるほど視野が狭くなり、夜間や雨天時は視界が悪くなります。また、街灯が少ない道や他に車両の通行のない道路を通る時はハイビームをうまく使いましょう。
- ●見通しの悪い交差点では、徐行や必要に応じて一時停止をしましょう。


身体機能は、本人が思っている以上に変化しています。物忘れが多くなったり、運転に自信がなくなった時は運転免許証を返納することも一つの方法です。加齢による身体機能の変化は、本人では気付かない場合もあるので、家族でいつもと違うことや気になることがないか注意しましょう。

交通事故は、被害者と加害者のどちらにとっても悲惨な出来事です。「私は大丈夫」と過信せず、大きな事故が起きる前に一人一人が気を付けましょう。
【この特集に関するお問い合わせ】 市民文化スポーツ局安全・安心都市整備課 TEL093・582・2866