詐欺被害を防ぐ


年々新しくなる詐欺の手口。今年の被害額はすでに7億円以上です。
「詐欺被害」について新聞やテレビで繰り返し報道されています。なぜ多くの人がだまされてしまうのでしょうか。それは、新たな手口が次々と登場し、ますます巧妙になっていることが大きな要因の一つといわれています。
だまそうとする側は詐欺のプロです。電話やはがきだけではなく、携帯電話やスマートフォンのSMS(ショートメッセージサービス)など新しい手段で接触してきます。いずれの手口にも共通していることは、不安をあおり、すぐに連絡をさせようとする点です。一度連絡をしてしまうと、相手は言葉巧みに信用させ、だまし続けます。
それでも「自分だけは大丈夫」「絶対にだまされない」、そう思ってはいませんか。平成29年の福岡県内におけるニセ電話詐欺の被害額は、1月から8月までの間だけで7億4008万円です。これは昨年1年間の被害額6億6524万円をはるかに上回っています。
まず大事なことは「誰もがだまされる可能性がある」と考えることです。その上で被害に遭わないために、詐欺の手口を知りましょう。キーワードは、「身に覚えのない請求は無視する」「慌てずに家族・知人に相談する」「不安な場合は消費生活センターや警察に相談する」の三つです。


●「あの手」「この手」の詐欺の手口
架空請求はがき
「総合消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」「紛争問題確認書」などと記載されたはがきが法務省や裁判所から届いたという相談が増えています。「個人情報が悪用されている場合があるので、身に覚えがない場合は早急に連絡してください」などと記載されていますが、連絡する必要はありません。不安な場合は、消費生活センターか福岡県警相談窓口へ相談しましょう。
架空請求メール
携帯電話やスマートフォンに「有料動画サイトの未納料金があり、支払わなければ法的措置をとる」というSMSを送り、お金をだまし取る手口です。最近では、コンビニで電子マネーカードなどを購入させ、記載されている番号を聞き出す手口も増えています。番号さえあれば誰でもどこからでも使うことができるのですぐに全額を使われてしまいます。メールがきても連絡をしてはいけません。
還付金詐欺
市の職員などを装い、「払い過ぎた国民健康保険料を返金します」「税金を還付します」と電話をかけてきます。さらに「今日中に手続きしないと期限が過ぎてしまう」と慌てさせ、ATM(現金自動預払機)へ誘導する手口です。市がATMの操作をお願いすることは絶対にありません。電話でお金の話が出たら詐欺を疑い、すぐに切りましょう。
オレオレ詐欺
家族を名乗って電話をかけ、お金をだまし取る手口です。家族の個人情報を入手し、本人しか知らないことを伝えて信用させようとする場合もあります。最近では、「銀行では一度に大金を下ろすことができないから金塊を購入してほしい」と金塊を購入させ、バイク便などで受け取る手口も発生しています。
慌てず、いったん電話を切って、家族に確認しましょう。
●あなたは大丈夫? だまされる可能性は誰にでもあります
「自分は被害に遭わない」と考えている人はなんと80%以上です!
特殊詐欺に関する世論調査(内閣府:平成28年度)
だまされやすさ簡単診断(作成:立正大学教授 西田公昭)
チェックしてみよう!
- □(1)自分のまわりにあまり悪い人はいないと思う
- □(2)相手に悪いので人の話を一生懸命聞く方だ
- □(3)たまたま運の悪い人がトラブルに遭うのだと思う
- □(4)知人から「効いた」「良かった」と聞くと、やってみようと思う
- □(5)有名人や肩書のある人の言うことはつい信用してしまう
- □(6)人からすすめられると断れない方だ
- □(7)迷惑をかけたくないので家族にも黙っていることがある
- □(8)実際、身近に相談できる人があまりいない
- □(9)しっかり者だと思われたい
- (1)~(3)に当てはまる人は、トラブルに対して危機意識が薄い傾向があります。
- (4)~(6)に当てはまる人は、だまされているのに気が付かない傾向があります。
- (7)~(9)に当てはまる人は、だまされたとき一人で抱え込んでしまう傾向があります。
●家族や地域の力で被害を防止しよう
「詐欺に遭っていることに気付かない」ケースも増えています。また、詐欺に遭ったと気付いても「家族に迷惑をかけたくない」「人に知られるのが恥ずかしい」といった理由から誰にも相談せず、問題が深刻化することもあります。家族や地域の人とコミュニケーションを取り合い、普段からささいなことでも相談できる関係をつくっておくことが被害を未然に防ぐ上で大切です。
★家族の決まりごと
- ■日頃から家族で何でも話し合えるようにしよう。
- ■電話でお金の話をしないと約束しておこう。
- ■怪しい電話・メール・はがきには対応せず、情報を家族で共有しよう。
★地域での助け合い
- ■日頃から近所付き合いを大切にしよう。
- ■「見慣れない人物が出入りしている」等の不審な行動がないか、地域での見守りや声かけなどをしよう。
困ったときは一人で悩まず、消費生活センターや警察へ相談しよう
消費生活センター
TEL093・861・0999
開館時間 8時30分~16時45分
(第3土曜日は13時まで)
休館日 日曜日、祝・休日、年末年始
福岡県警相談窓口
TEL#9110
24時間対応
消費者トラブル法律無料相談
多重債務等の相談に弁護士などが応じます。11月7日(火)17~20時、消費生活センター(戸畑駅前、ウェルとばた7階)で。定員、定数 先着18人。申し込みは電話で10月17日から同センター TEL093・861・0999へ。
【この特集に関するお問い合わせ】 市民文化スポーツ局消費生活センター TEL093・871・0428