特集平成29年度決算

決算の特徴

実質収支は51年連続の黒字

 歳入から歳出と翌年度へ繰り越して実施する事業の財源を差し引いた実質収支は、17億500万円で51年連続の黒字となりました。

北九州市の財政状況

特集 平成29年度決算

 平成29年度決算が市議会で認定されました。決算は、1年間の市の収入や支出の実績をまとめたものです。

 市の会計は、一般会計・特別会計・企業会計の三つに分かれていますが、ここでは市の基本的な行政サービスに関わる一般会計の決算について、お知らせします。

※詳細については決算に関する市のホームページをご覧ください。

歳入 [円グラフ] 歳入総額 5523(100.0) 市税 1575(28.5) 国庫支出金 1086(19.7) 市債 697(12.6) 地方交付税 617(11.2) 諸収入 478(8.7) 県支出金 249(4.5) 地方消費税交付金 176(3.2) 使用料及び手数料 163(2.9) 県民税所得割臨時交付金 147(2.7) その他 335(6.0) [単位:億円( )内は構成比%]

●歳入(収入)の主な特徴

 市税収入や県費負担教職員制度の見直しに伴う県民税所得割臨時交付金、地方交付税等の増加などにより、歳入総額は前年度に比べ383億円増加し、5,523億円となりました。

市税収入は3年ぶりの増

 市税収入は、景気の緩やかな回復を背景に個人市民税、法人市民税、固定資産税ともに増加し、1,575億円と前年度に比べ13億円(+0.8%)の増となりました。

公共事業などのための市債発行額は、前年度に比べ22億円の減

 市債は、道路・公園等の公共施設を作る場合等の財源として、市が銀行などから借り入れる借金のことです。地方交付税の振り替えである臨時財政対策債の増加により、市債発行による収入は697億円と前年度に比べ53億円の増(+8.2%)となりましたが、臨時財政対策債を除く公共事業などのための市債発行額は、363億円で、前年度に比べ22億円(△5.6%)の減となりました。

地方交付税・臨時財政対策債は「公共事業などのための市債残高は減少」で説明します)

歳出 [円グラフ] 歳出総額 5489(100.0) 義務的経費 3110(56.7) 投資的経費 664(12.1) その他の経費 1715(31.2) 人件費 1106(20.2) 扶助費 1342(24.4) 公債費 662(12.1) 普通建設費・災害復旧費 664(12.1) 物件費 540(9.8) 福祉・医療関係繰出金 434(7.9) 貸付金 304(5.5) 補助費等 280(5.1) その他(維持補修費等) 157(2.9) [単位:億円( )内は構成比%]

●歳出(支出)の主な特徴

 福祉・医療関係経費(扶助費および福祉・医療関係繰出金)の増加や県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に伴う給与費等の増加などにより、歳出総額は前年度に比べ379億円増加し、5,489億円となりました。

毎年必ず支払わなければならない経費(=義務的経費)は4年連続の増加

 人件費や市の借金返済(公債費)などの義務的経費は3,110億円で前年度に比べ497億円(+19.0%)増加しました。これは、福祉・医療関係経費の増等による扶助費の増加や県費負担教職員の給与負担の権限移譲に伴う人件費の増などによるものです。

投資的経費(公共事業など)は、前年度に比べ67億円の減

 投資的経費は、スタジアム整備事業の終了などにより、664億円と前年度に比べ67億円(△9.2%)の減となりました。

市民1人当たりの決算(一般会計)の内訳

一般会計決算を市民1人当たりに換算すると…

571千円となり、このように使われました。

※人口は96万1024人(平成30年1月1日現在の住民基本台帳人口)で計算

◆保健福祉費

福祉・健康・医療の充実

161千円

◆産業経済費

産業学術・観光振興
など

42千円

◆土木費

道路・河川・公園などの整備

47千円

◆子ども家庭費

子育て支援など

66千円

◆環境費

ごみ処理、低炭素社会
づくり

14千円

◆諸支出金

市債の返済など

86千円

◆教育費

学校教育

76千円

◆総務費

市民活動支援、文化
振興など

42千円

◆その他

消防・救急活動など

37千円

平成29年度に取り組んだ主な事業

「待機児童対策」の推進、教育・保育の質の向上関連事業…286億2359万円

「待機児童対策」の推進、教育・保育の質の向上関連事業写真

 保育所整備費や小規模保育等の地域型保育施設整備費、認定こども園移行のための施設整備費などを助成して入所定員を増やし、待機児童対策を推進しました。また、運営費を助成するなどして、教育・保育の質の向上を図りました。

小倉城周辺整備関連事業…7億1711万円

ライトアップされた小倉城写真

 本市を代表する観光資源である小倉城周辺の魅力向上や外国人観光客をはじめ、国内外からの観光客のさらなる誘客に向けた取り組みとして、天守閣の展示リニューアル、エリア内のライトアップ、城内の園路、子ども図書館等周辺施設の整備などを実施しました。

北九州空港将来ビジョン推進強化関連事業…6億6741万円

北九州空港写真

 北九州空港における路線誘致や新規路線の集客・PR、既存定期路線の維持やさらなる拡充に取り組んだ結果、空港の利用客が過去最高となる年間164万人に達しました。また、空港へのアクセス手段であるエアポートバスの利便性の向上を図りました。さらに、航空貨物拠点化に向け、航空貨物の集貨促進や貨物便の誘致に取り組みました。

学校施設老朽化対策事業…28億7259万円

 学校施設の老朽化に対応して、既存の学校施設を安全で安心な状態で利用でき、教育環境を向上させるように、建築年度等に応じた改修計画を立て、大規模改修や外壁改修などを実施しました。

学力向上に向けた取り組み関連事業…10億1431万円

学力向上に向けた取り組み関連事業写真

 放課後などを活用して学習機会を提供する「子どもひまわり学習塾」の対象校を拡充したほか、本市独自の学力調査である「北九州市学力状況調査」を学年及び教科を拡充して実施しました。

 また、専科指導等を行う講師を拡充して配置するなど学力向上に向けた取り組みの充実を図りました。

地域包括ケアの推進…24億3963万円

地域包括ケアの推進イメージイラスト

 医療や介護が必要となっても住み慣れた地域で継続して生活できる「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、「医療」「介護」の在宅生活に向けた方向付けや、「介護予防」「住まい」「生活支援」の地域資源が創出される環境づくりを推進しました。

北九州市未来人材支援事業…2億4500万円

 本市の産業を担う人材の確保と、市内企業への就職・定住を促進するため、新卒者等の奨学金返還を支援する「北九州市未来人材支援事業」を創設し、新卒予定者などへの周知・募集を行いました。また、「北九州市未来人材支援基金」を設置しました。

市債(市の借金)残高

市債残高の推移グラフ 市債(市の借金)残高 市債残高の推移 平成25年度 9900億円 臨時財政対策債を除く市債残高 7680億円 臨時財政対策債残高 2220億円 平成26年度 1兆32億円 臨時財政対策債を除く市債残高 7560億円 臨時財政対策債残高 2472億円 平成27年度 1兆495億円 臨時財政対策債を除く市債残高 7788億円 臨時財政対策債残高 2707億円 平成28年度 1兆863億円 臨時財政対策債を除く市債残高 7912億円 臨時財政対策債残高 2951億円 平成29年度 1兆1029億円 臨時財政対策債を除く市債残高 7765億円 臨時財政対策債残高 3264億円

公共事業などのための市債残高は減少

 地方交付税の振り替えである臨時財政対策債の増加により、全体の市債残高は増加していますが、臨時財政対策債を除く、公共事業などのための市債残高は7,765億円と前年度に比べ147億円(△1.9%)の減となりました。

*地方交付税 全国の地方公共団体が一定の標準的な行政サービスを提供できるように、国がその財源を保障し、国税の一定割合を地方公共団体に配分するものです。

*臨時財政対策債 地方交付税の財源不足対策として、本来地方交付税で交付されるものの一部を、市債として借り入れることが認められているものです。このため、その返済については、後年度、その全額が地方交付税で措置されます。

財源調整用基金(市の貯金)残高

財源調整用基金残高の推移グラフ 財源調整用基金(市の貯金)残高 財源調整用基金残高の推移 平成25年度 265億円 平成26年度 287億円 平成27年度 322億円 平成28年度 295億円 平成29年度 293億円

市の貯金は前年度同水準を維持

 平成29年度末における財源調整用基金(市の貯金)残高は293億円で、前年度同水準を維持しています。

 今後も、「北九州市まち・ひと・しごと創生総合戦略」などを着実に推進することで、歳入増につなげていくとともに、より一層事業の「選択と集中」を図りながら、持続可能で安定的な財政運営を行っていきます。

*財源調整用基金 収支不足や緊急の支出に備えて積み立てている「市の貯金」です。

【この特集に関するお問い合わせ】 財政局財政課 電話093・582・2002

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