北九州市政だより

NO.1397

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令和3年11月1日号 特集

特集
11月は児童虐待防止推進月間です

体罰等によらない子育てを広げよう。

 子育ては楽しいけれど大変なこと。イライラして、つい手を上げてしまいそうになることもあるでしょう。しかし、体罰は法律で禁止されています。子どもと温かな心地よい信頼関係を作るため、体罰や暴言に頼らない子どもとの関わり方について、工夫してみましょう。

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肯定文でわかりやすく、時には一緒に

 「走ったらダメ」ではなく、「ここでは歩いてね」など、穏やかな肯定形で伝えると、子どもに伝わりやすくなります。「一緒におもちゃを片付けようね」などと声をかけて共に行うのもいいでしょう。

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子どもの気持ちや考えに耳を傾けましょう

 子どもは、自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたとき「大切にされている」と感じます。子どもと会話を重ねながら一緒に考える場面を増やしましょう。

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「できること」「できないこと」は成長・発達によって異なることがあります

 大人に言われたことが理解できないこともあります。成長・発達の状況にも差があることを理解し、子どもが困っているときは手助けすることも大切です。

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「言うことを聞かない」にもいろいろあります

 「気を引きたい」「言われていることが理解できない」「体調が悪い」など理由はさまざまです。頭ごなしに叱る前にまずは「イヤだ」の原因を考えましょう。

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良いこと、できていることを具体的に褒めましょう

 子どもの良い行動を褒めることは自己肯定感を育みます。頑張ろうとする姿勢や今できていることを認めてあげることも大切です。

保護者自身の工夫のポイント

保護者イラスト

  • ■深呼吸したり、ゆっくり5秒数えたりするなど、気持ちを落ち着かせ気分転換しましょう。
  • ■自分自身が休むことも大切です。ストレス解消につながりそうな方法を考えてみましょう。
  • ■上手くいかないときは、周りの人にSOSのサインを出しましょう。解決することもあります。

市長からのメッセージ

 「しつけ」と称した体罰がエスカレートした結果、重大な虐待事件につながる痛ましいニュースが全国で後を絶ちません。

 市は、「子どもを虐待から守る条例」を平成31年4月に施行し、児童虐待の未然防止、早期発見・早期対応に取り組んできました。

 さらに、令和2年4月に子どもへの体罰が法律で禁止されたことを受け、体罰などによらない子育てを推進するとともに、子どもの将来に影響を及ぼすヤングケアラーの支援にも取り組んでいるところです。

 児童虐待は、子どもの命に危険を及ぼす最も重大な権利侵害です。尊い命を守ることを第一に、子どもの安全と健やかな成長が守られる、児童虐待のないまちづくりに取り組んでまいります。

北九州市長 北橋 健治

これはすべて体罰です!

いたずらをしたので、長時間正座をさせた

言うことを聞かないので、罰としてお尻をたたいた

宿題をしなかったので、晩ご飯を与えなかった

 たとえ保護者が「しつけのため」と思っても、子どもの身体に苦痛を引き起こし、不快感を意図的に与える行為は、どんなに軽いものであっても体罰にあたります。また、怒鳴りつける、けなす、笑いものにするなどの子どもの心を傷つける行為も、子どもの権利を侵害します。

しつけとは

 しつけとは、子どもの人格や才能を伸ばし、人との関係性や社会のルールの大切さを学べるようにサポートしていくことです。

なぜ体罰などがいけないの?

  • ●子どもの成長・発達に悪影響を与えることが科学的に明らかになっています
  • ●恐怖心から大人の言うことを聞いても、それはどうしたらよいのかを自分で考えたり学んだりしている訳ではありません
  • ●「腹が立ったら、たたいてもよい」と子どもに暴力を教えることになりかねません
  • ●子どもが保護者に恐怖心を持つと、悩みを相談できず、非行など大きな問題につながることがあります
  • ●体罰がエスカレートし、取り返しのつかないケガを負わせてしまうことがあります

11月は児童虐待防止推進月間です

児童虐待とは
身体的虐待
殴る、蹴る、たたく、溺れさせる、やけどを負わせる、家の外にしめだす など
ネグレクト(育児放棄)
乳幼児を家に残して外出する、食事を与えない、自動車の中に放置する など
性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為をみせる、ポルノグラフィの被写体にする など
心理的虐待
言葉により脅かす、無視する、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう など

保護者の悩みに寄り添いながら解決を

濱田好花さん写真
子ども総合センター
濵田 好花さん

 家庭内で体罰などの虐待が起きる背景はさまざまです。「言葉で言い聞かせようとしたけれど、何度言っても分からないから、つい手が出てしまう」「自分もたたかれて育ったので、しつける方法が分からない」など、背景を探っていくと子育てに悩む保護者の姿が見えてきます。また、配偶者からDVを受け、いら立ちを子どもにぶつけてしまうなど、被害者が加害者になるということも少なくありません。

 子ども総合センターは、皆さんの悩みに耳を傾け、共に考え、子どもが安心して暮らせるように家族全体を支援することが大切だと考えています。いつでもご相談ください。

児童虐待問題市民講座

11月19日(金)13時30分~16時30分にビデオ会議システム「ZOOM」で児童虐待問題市民講座を開催します(後日YouTube配信もあり)。どちらも事前にホームページからの申し込みが必要。詳しくは問い合わせを。

第1部

「本市の児童虐待の現状と取り組みについて」

子ども家庭局 子育て支援課 江副久美子 主幹

「ネグレクト環境のこどもたちへ~支援をどう届けるか」

市立八幡病院 統括部長・小児総合医療センター長 神薗淳司さん

第2部

「いま、子どもとの関係づくりを考える~体罰によらない子育てを広げるために」

特定非営利活動法人きづく 代表理事 森郁子さん

問い合わせ
北九州市社会福祉研修所 電話093-873-7655

ヤングケアラーの支援に取り組んでいます

介護イラスト

 ヤングケアラーとは、家族に介護や世話を必要とする人がいる場合に、日常的に家事や身のまわりの世話などを行っている子どものことです。年齢や成長の度合いに見合わない責任や負担を負うことで、本人の育ちや教育に影響を及ぼすことがあります。また、本人や家族に自覚がないことも多く、周りにも気づかれにくいという課題があります。市は、関係機関と連携し、介護ヘルパーの利用につなぐなど状況に合わせた支援に取り組んでいます。相談は下記窓口まで。

子育てについて少しでも困ったことがあれば、一人で抱え込まず、まずはご相談ください。児童虐待やヤングケアラーについての相談も受け付けています。

区役所保健福祉課子ども・家庭相談コーナー

[受付時間]8時30分~17時(土・日曜日、祝・休日、年末年始は除く)

門司区 電話093-332-0115
小倉北区 電話093-563-0115
小倉南区 電話093-951-0115
若松区 電話093-771-0115
八幡東区 電話093-661-0115
八幡西区 電話093-642-0115
戸畑区 電話093-881-0115

子ども総合センター(児童相談所)

電話093-881-4556
[受付時間]8時30分~17時15分(土・日曜日、祝・休日、年末年始は除く)

24時間子ども相談ホットライン

電話093-881-4152

虐待を見かけたら!
児童相談所虐待対応ダイヤル(通話料無料・年中無休24時間対応)
電話189(いちはやく)

この特集に関するお問い合わせ
子ども家庭局子育て支援課 電話093-582-2410

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