北九州市政だより

NO.1421

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令和4年11月1日号 特集

特集
体罰等によらない子育て

つい怒鳴ったり、手が出てしまったり… どうすればいいんだろう

つい怒鳴ったり、手が出てしまったり…
どうすればいいんだろう

 子どもに腹が立ったり、イライラしたりすることは、子育て中の保護者の多くが経験するもの。今号では、気持ちをうまく切り替えるための日頃の心がけや工夫できるポイントについて考えてみました。

  • 「何度言っても聞いてくれないから」
  • 「仕事がうまくいかなくてイライラしてつい…」
  • 「うるさいと無視したくなってしまう」
  • 「子どもとどう接すればいいかわからなくなってしまい…」

体罰などをしてしまう背景

 体罰などをしてしまう保護者自身が、次のような悩みや背景を抱えていることが考えられます。

子どもの年齢による特性・発達への焦りや不安
  • 一生懸命子どもに向き合っているのに、いつまでも泣き止まない、言うことを聞かない
  • 年齢に応じた発達・行動が見られない など
保護者の心配事や負担感、孤独感
  • 自分の仕事や介護、家族関係などでストレスがたまっている
  • 周囲に相談したり頼りにできる人がいない など
保護者のこれまでの体験や周りからの影響
  • 自分自身もそうやって育ってきたから正しいと思っている
  • 愛情があればたたいても理解してくれると言われてきた
  • 子どもが言うことを聞かないのは、親が甘いからだと責められた など

保護者自身の工夫ポイント

上手に力を抜いて、心の余裕を作りましょう

 ひとたびイライラしてしまうと、なかなか冷静になれないのが実情ではないでしょうか。そこで、そもそもイライラしないための工夫を考えてみませんか。

 保育所では、子どものペースに合わせた生活リズムを大切にしながら、心と体の安定を図っています。安定した生活リズムがつくられてくると、子どもはおおよその生活の流れを見通せるようになり、期待や予測をもって行動しようとします。たとえば昨日は2時間ゲームできたのに、今日が1時間で「ダメ!」では、子どもも戸惑います。家庭でも「ゲームは1時間まで」など、日々の行動パターンを決めたほうが、子どもなりに納得がいくのかもしれません。子ども中心の生活リズムの中でも、上手に自分の時間をつくりたいものですね。

 「頑張りすぎない」ことも大切です。子育てに熱心な人ほど、周囲と比較して「このままじゃいけない」と思い込み、イライラしてしまいがち。「テストで一番だった」など「できる」「できない」ではなく、「すごいね」「がんばったね」など、子どもの行動を認めて、褒めてあげてほしいと思います。ありのままを受け止めて、認めてもらえると子どもは幸せです。

新山所長写真
東篠崎保育所 新山所長

子育てのこと、頼れる相談窓口があります

相談窓口1
区役所健康相談コーナー
妊産婦乳幼児

悩みを抱え込まず、気軽に相談してください

 健康相談コーナーは、妊娠中の生活や健康、育児などさまざまな相談に対応しています。食事や離乳期の栄養相談には栄養士が、発達に関する相談には保健師が、というように相談内容に応じてアドバイスを行います。「言葉が遅くて...」という相談の場合、すぐに実践できる声かけの工夫についてお伝えします。より高度な対応が求められると判断した場合は、小児科や地域の関係機関と連携することもあります。また市では、小学校区ごとに校区担当保健師を配置し、赤ちゃんがいる家庭を訪問したり、市民センターで「妊産婦乳幼児なんでも相談」を毎月行ったりしているので、区役所が遠い人などにも利用をお勧めしています。

 子育て中は、悩みや困ったことがあっても見通しが立たず、一人で抱え込んでしまいがちです。私も思うようにいかず、ついイライラしてしまった時は「まあ、いいか」と気持ちをリセットさせていました。全部完璧にできなくてもいいと思います。一人で悩まないで、小さなことと思っても、電話や窓口で気軽に相談してください。

土谷さん写真
八幡東区役所 保健福祉課
健康相談コーナー
保健師 土谷さん

相談窓口2
区役所子ども・家庭相談コーナー
子ども・家庭全般ひとり親

悩みに寄り添いながら、解決を目指します

 子ども・家庭相談コーナーでは、育児の不安、ひとり親家庭での悩み、中高生の問題行動など、乳幼児から未成年全般にわたるさまざまなお困りごとの相談に対応しています。それらに対して相談員が助言や、より専門的な相談窓口に橋渡ししています。

 軽度の虐待に関する相談や通告も受け付けていますが、件数は増加の一途をたどっています。通告等を受けた場合は、家庭訪問などを行って状況の把握に努めます。子どもの前で夫婦げんかをしたり、子どもに乱暴な言葉を使ったりするなどの心理的虐待も多いようです。

 事態の解決に向けて心がけているのは、保護者に寄り添い、親身になって話を聞くこと。相談を受けた際、まず初めに「あなた自身が困っていることはないですか?」と問いかけると、ほっとしてもらえるようです。そのうえで、より手厚い対処が必要と判断し、子ども総合センター(児童相談所)などにつなぐ場合も少なくありません。

 「周りに相談できる人がいない」「人目が気になってしまう」、そんなときは電話でも構いません。相談ください。また、児童虐待について少しでも気になることがあったら、家族やご近所など周りの人も、ためらわず、まずはお電話ください。

中島さん写真
小倉南区役所保健福祉課
子ども・家庭相談コーナー
保育士 中島さん

児童虐待とは
  • 身体的虐待…殴る、蹴る、たたく、溺れさせる、やけどを負わせる、家の外に閉め出す など
  • 性的虐待…子どもへの性的行為、性的行為を見せる、ポルノグラフィの被写体にする など
  • ネグレクト(育児放棄)…乳幼児を家に残して外出する、食事を与えない、自動車の中に放置する など
  • 心理的虐待…言葉により脅す、無視する、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう など

ご相談はこちらへ

相談窓口1
区役所健康相談コーナー
  • ■門司区………電話093-331-1888
  • ■小倉北区……電話093-582-3440
  • ■小倉南区……電話093-951-4125
  • ■若松区………電話093-761-5327
  • ■八幡東区……電話093-671-6881
  • ■八幡西区……電話093-642-1444
  • ■戸畑区………電話093-871-2331
相談窓口2
区役所子ども・家庭相談コーナー
  • ■門司区………電話093-332-0115
  • ■小倉北区……電話093-563-0115
  • ■小倉南区……電話093-951-0115
  • ■若松区………電話093-771-0115
  • ■八幡東区……電話093-661-0115
  • ■八幡西区……電話093-642-0115
  • ■戸畑区………電話093-881-0115

【受付時間】8時30分~17時(土・日曜日、祝・休日、年末年始は除く)

虐待の相談はこちらへ!

■子ども総合センター(児童相談所) 電話093-881-4556
【受付時間】8時30分~17時15分
(土・日曜日、祝・休日、年末年始は除く)

虐待を見かけたら電話を

児童相談所虐待対応ダイヤル 電話189(いちはやく)
(通話料無料・年中無休24時間対応)

11月は児童虐待防止推進月間です

市長からのメッセージ

 1989年に国連総会で採択された「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」においては、大きく4つの柱として「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」を子どもに保障しています。

 しかし、子どもへの虐待による痛ましい事件は後を絶ちません。本市の全ての子どもが、虐待から守られ、愛される幸せを実感して生きていくことができるよう、まちが一丸となって、子どもの命と育ちを守っていくことがますます重要になっています。

 市では「北九州市子どもを虐待から守る条例」を平成31年に施行し、児童虐待の未然防止や早期発見・早期対応に取り組んでいます。子どもたち、そして大人が安心して幸せに暮らせる社会を目指して、児童虐待問題について共に考えましょう。

北九州市長 北橋 健治

この特集に関するお問い合わせ
子ども家庭局子育て支援課 電話093-582-2410

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