北九州イクボス同盟

今こそイクボス

企業インタビュー

株式会社マツシマメジャテック

柔軟に変化し続け、誰もが生き生きと働ける職場をつくる

 オリジナリティの高い計測技術をベースに、開発から設計、製造、販売まで一貫した事業を展開している株式会社マツシマメジャテック。2018年から働き方改革をスタートし、時差出勤、テレワークなど新たな施策を次々と導入してきました。チャレンジする姿勢を大切に、生き生きと働ける職場づくりに取り組んでいます。

(代表取締役社長 池田 憲俊さん)

新しい制度を導入し、走りながらブラッシュアップ

 世の中の働き方に対する変化に、会社として対応していく必要性を感じ、2018年に新しい方針づくりを行いました。当時、私は副社長として働き方改革の推進を担当し、翌年社長に就任しました。
 役員や総務と一緒にいろいろな施策を検討するなかで、最初に導入したのが時差出勤制度です。働く時間は変えずに、勤務時間を7時半から9時半の間でスライドする事ができます。30分単位で設定する事が出来ますので、社員それぞれのライフスタイルに合わせる事が可能となり、子どもの送迎、親の介護、通院などにも有効に時間を使うことができます。私自身も3人の子どもがいる子育て世代であり、ワークライフバランスには柔軟な出勤時間が大切だと考えていました。
 当社は製造業なので、製造工程を考えると抵抗感もありましたが、やってみないことには何も変わりません。まずはスタートさせて、ブラッシュアップする方針で導入。例えば社内行事があるときは出勤時間を統一するなど、必要に応じてルールは何度も修正してきましたね。2年ほどで運用が定着し、今ではどの部門の社員もスムーズに時差出勤を利用しています。

個々の状況に合わせながら、全体とも調和する仕組みづくり

 テレワークにも2018年から着手し、最初は営業部門で試験的に行いました。全員がノートパソコンを使っていますし、仕事場所を会社に限る必要はないと考え、効率のよい働き方を目指して取り組みました。当初はなかなか浸透しなかったのですが、昨年からは感染対策の関係で一気に進みました。事前に上司に申請して許可を取れば、日数にかかわらず利用できる制度にしています。営業部門では利用率が9割になり、他の部門でも浸透しつつあります。
 こうした個々の状況に合わせた働き方を促進する一方で、社員同士の接点を設けることも重要だと考え、「プレミアムランチ」を実施してきました。年3回、会社が昼食を用意して、みんなで一緒に食べようという企画です。地域の飲食店の宣伝と応援も兼ねてさまざまな店舗に声をかけ、少し豪華な弁当を作ってもらいました。社員同士のコミュニケーションが活性化されて、皆さんから好評でしたね。しばらくコロナ禍で休止していますが、時期を見て再開する予定です。

わくわく働ける職場をつくるプロジェクト

 職場全体の取組としては、「わ~くわくプロジェクト」を行っています。「自分自身がわくわく働ける職場をつくろう」というテーマで、社員が自ら職場の環境を改善していく活動です。年3回、各部門がチーム単位でさまざまな課題を出し、解決を図っていきます。製品の品質や業務効率の改善だけではなく、デスクの配置換えや椅子の変更など、働きやすさにつながることなら基本的には何でもOK。主体的に楽しく参加する姿勢を大切にしています。
 また、今年の夏までは、「役職者が参加しない職場懇談会」を2年間続けてきました。通常の職場懇談会は私が合同朝礼で伝えた内容について職場単位で話し合うものですが、社員が意見しやすくするために、あえて役職者を参加させずに開催してきました。社員の意見に会社が応える風土が育ってきたので、通常の職場懇談会に戻し、意見があればいつでも役職者が吸い上げて会社に伝える仕組みにしています。

チャレンジこそが可能性を広げる

 2018年に働き方改革をスタートし、さまざまな取組を通して社員の意識や行動も変化してきました。しかし、会社としての課題はまだまだあります。特に課題に感じているのは人事制度です。当社は性別や年齢に関係なく、誰もが平等に働き、成果がきちんと評価される会社でありたいと考えています。それをわかりやすい形で実現するために、評価制度や給与制度を見直し、個々のキャリアプランを支援する新しい制度を検討しています。来年からの導入に向けて、まさに準備を進めているところです。
 当社の社是「The Actual is Limited The Possible is Immense(現実には限界があるが、可能性は無限である)」は、柔軟な発想で不可能に挑戦することこそが大切だと示しています。組織を育てるイクボスとして、社員が生き生きと働ける職場づくりは大事なテーマであり、私自身が叶えたい願いでもあります。さまざまな改革によって新たな可能性を広げ、誰もが成長し続ける組織でありたいと思っています。

社員からのコメント

技術部 主任 上妻 智恵さん

 第1子が生まれた2009年に1年間の育休を取り、復帰後は子どもが3歳になるまで時短勤務を利用しました。当時はまだ利用者がいなかったのですが、会社が快く認めてくれたので、無理せず仕事を続けられました。第2子のときも同じように制度を利用しました。徐々に育休を取る人が増え、出産後の職場復帰は普通になってきましたね。現在は私の部下が、小さい子どもの送迎をするために時差出勤を活用しています。男女に関わらず働く意思を尊重してくれる社風で、柔軟な働き方ができる環境です。

【企業プロフィール】

企業名:株式会社マツシマメジャテック
代表者:代表取締役社長 池田 憲俊
所在地:北九州市八幡西区則松東1-8-18
業種:製造業
創業:1946年1月
従業員数:130人(うち女性従業員数30名)
企業HP:https://www.matsushima-m-tech.com/