北九州イクボス同盟

今こそイクボス

企業インタビュー

株式会社メンバーズ

女性活躍プログラムの推進により、全社のチーム力を向上

 ウェブサイト運用・構築、ソーシャルメディア活用など、企業のデジタルマーケティング支援事業を展開する株式会社メンバーズ。東京に本社を置き、北九州オフィスには約130名のスタッフがいます。会社全体で女性社員が4割以上を占めることから、2016年に女性活躍支援プログラムをスタート。仕事と家庭を両立し、やりがいを持って働ける職場環境を実現しています。

(執行役員 ピープル&カルチャー室 室長 早川 智子さん)

社員の幸せを追求し、誰もが働きやすい職場に

当社ではリーマンショックがあった2008年前後、経営的に非常に厳しい時期がありました。事業構造を含め、離職率や長時間労働など働き方の問題を見直し、社員の幸せに重きを置いた改革を進めてきました。こうした流れがベースにあり、もっと女性社員が活躍していけるような環境をつくっていこうという考えが生まれました。
 2016年、経営トップが旗振り役となり、女性活躍を推進する「Womembers Program(ウィメンバーズ・プログラム)」がスタート。当初は3カ年計画でしたが、現在もこの活動は継続しています。推進にあたってスタッフも参画できる委員会を発足し、当時の委員長を私が務めました。

 当社は女性社員の比率が高く、現在は43%を占めています。平均年齢は29歳で、子育て世代もこれから家族を持つ人もたくさんいます。皆さんの意見を吸い上げるために座談会を開き、どんなところを改善したら働きやすくなるのか話し合いました。いろいろな意見がありましたが、特に多かったのは、「育休や時短勤務などの制度は充実しているけど、管理職が制度を理解していないと利用しにくい」というものでした。

男性の管理職が率先する状況をつくる

 当社では、エンジニア、デザイナー、ディレクターなどが顧客企業ごとにチームを組んで仕事をしています。そのため、産休や育休を取得する際、上司やチームメンバーの理解や協力が欠かせません。女性活躍を推進していくためには、特に男性の管理職が率先する状況をつくることが大事だと考え、「両立支援制度」を利用しているチーム全体に対して人事評価を加点する仕組みをつくりました。
 初年度は、男性管理職から「育休を取るのは難しい」「そんなに長く休めない」という声もありましたが、3年目からは利用が増え、半年、1年など長期的に育休を取る人が少しずつ出てきました。実際に利用した管理職からは「子どもが生まれた一生に一度のタイミングで、休んで子育てをしてよかった」「育児や家事の大変さがわかった」という声が挙がっています。体験談を記事にして社内報に掲載するなど、広報にも力を入れました。こうした取組により、1カ月、2カ月の育休もかなり増え、多くの男性社員が取得するようになりました。

育休取得による生産性と成長

 時短勤務や育休を推進する業務上のメリットは、特定の人にしか仕事の進め方や内容がわからなくなる属人化を防げることです。また、限られた時間で効率よく仕事をする視点が求められますので、より成果に直結した働き方ができ、生産性が向上する面もあります。当社はクライアントに対して、デジタルマーケティングの分業を提供していますので、チーム内でもいかに業務を分担していくか客観的に考え、成果が出せたのではないかと思います。
  長期間休むことでキャリアに対する不安もあったと思いますが、実際には皆さん元のポジションに戻っていますし、制度の利用が進むにつれて心配する声も聞かれなくなりました。育休を取得した管理職は、若手のスタッフから素敵だと言われることが多いですね。上司が育休に入ると、チームのスタッフが自ら考えて業務を遂行するようになり、成長のチャンスになっていると感じます。
 また、こうした一連の取組は、新卒採用のときに学生さんの関心が高く、会社としてアピールできるポイントにもなっています。

(休憩スペースの様子)

女性管理職の比率を30%以上に保つ

 女性活躍推進プログラムでは、女性管理職の比率を30%以上にする目標も掲げ、取組を続けてきました。女性の働き方としていろいろなキャリアがありますが、管理職も一つの道として選択できる支援をしています。
 管理職向けの研修では、役職者を必須参加とするほかに、管理職を目指している人も自由に参加ができます。オープンで参加するのは女性のほうが多いですね。会社としては男女に関わらず、意欲のある人には活躍できるステージを用意したいと考えています。
 時代や社会の状況によって労働環境も変化していきますが、これからの企業のあり方としては、男性、女性、障がい者、外国籍の方などさまざまな人が一緒に仕事をしていく方向性にあると思います。引き続き女性活躍の推進や、子育て中の社員が働きやすい環境づくりも大切にしつつ、ダイバーシティの観点で多様性のある組織をいかに創造していくのか、模索しながら進んでいきたいです。

社員からのコメント

WEBデザイナー 本庄 理恵さん

 結婚を機に兵庫県から北九州市へ3年前に移住し、前職のWEB制作の経験を活かして派遣社員として働き始めました。1年後には正社員化の話をいただいて社員になり、現在はリーダー役として若いメンバーの成長を見守りながら、自分も仕事に挑戦しています。中途入社であっても正当に実績が評価され、やりがいを持って働ける職場に感謝しています。育児休業は男性も女性も取得しているので気兼ねなく利用できますし、向上心を持って仕事をすればちゃんと道が拓ける。上司に意見も言いやすく、とても働きやすい会社です。

【企業プロフィール】

企業名:株式会社メンバーズ ウェブガーデン北九州
代表者:代表取締役社長 剣持 忠
所在地:北九州市小倉北区紺屋町9-1 明治安田生命小倉ビル9F
業種:情報通信業
創業:1995年6月
従業員数:131人(うち女性41人)
企業HP:https://www.members.co.jp/