特集がれきの広域処理 1ページ|2ページ|3ページ

ていたん

がれき処理は、どのように進められているの?

 「がれき処理は被災地の方にとっても必要だし、安全・安心というのは分かっているけど…」、といった漠然とした思いを抱いている市民の皆さんの声を聞きます。そこでぼく「ていたん」が、石巻市のがれき仮置場での選別作業から船による輸送、そして北九州市到着後の焼却・埋め立てまでの工程をリポートします。

北九州市 コンテナの荷揚げ、焼却工場への搬入、焼却

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太刀浦コンテナターミナル(門司区)

 コンテナを積んだ船が北九州市に到着したよ。船からガントリークレーンでコンテナを約4時間かけて荷揚げするんだ。ここからトラックに積み替えて日明積出基地に運ぶんだよ。

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日明積出基地(小倉北区)

 到着したコンテナは、順次日明積出基地へ運ばれるんだ。そして、パッカー車やダンプ車に積み替えられて市内3カ所の焼却工場へ運ばれていくんだ。ここでも、定期的に放射能濃度や放射線量、アスベストの測定が行われているよ。

積み替えの様子

パッカー車への積み替え

市内3カ所の焼却工場へ

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焼却炉へ投入

 焼却工場へ運ばれた後は、ごみピット内の家庭ごみと合わせて、混合率が10%程度になるようにして焼却されるんだ。

※焼却灰は、燃えかす(主灰)とばいじん(飛灰)の2つが排出されます。放射性セシウムの多くは飛灰に移行します。

4 焼却灰サンプル 排ガス測定 処理水サンプル

放射能濃度の測定

 焼却灰と処理水はそれぞれサンプルを採取して、放射能濃度を測定するんだよ。煙突から出る排ガスも放射能濃度を測定するよ。

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放射線量の測定

 各焼却工場および最終処分場の敷地境界では放射線量の測定が行われているよ。測定結果は、市のホームページで公開されるからいつでも見ることができるんだ。

響灘西地区廃棄物処分場(若松区)へ

北九州市 焼却灰の埋め立て

 がれきの焼却灰は響灘西地区廃棄物処分場(若松区)に埋め立て処分されます。飛灰については直接海水に触れない本市独自の工法を取っています。

埋め立ての様子

飛灰の埋め立て

 飛灰は陸上の土堤で区切られた中へ1.6mの高さまで積み上げるんだ。その上に厚さ30㎝の覆土を行って防水シートをかぶせ、さらに厚さ20cmの砕石をかぶせるんだ。

飛灰埋め立て工法(縦断面図) 砕石(20cm厚)、防水シート、覆土(30cm厚)、飛灰(1.6m厚)、廃棄物埋め立て
測定の様子

放射能濃度の測定

 処分場内の排水処理施設の処理水と、処理水が海へ出る排水口付近の海水をサンプリングして、放射能濃度を測定しているよ。

測定結果をまとめました

(1)放射線量(災害廃棄物の受け入れ前後の値)

各施設の敷地境界などで放射線量を測定した結果、災害廃棄物の受け入れ前後で変化はなく、自然界と同レベルであり、安全性に問題のないものでした。

(単位:マイクロシーベルト/時)
測定地点 災害廃棄物受入前 災害廃棄物受入後
9月6~16日の平均値 9月17~21日の平均値
日明積出基地 0.07 0.06
新門司工場 0.07 0.06
日明工場 0.06 0.06
皇后崎工場 0.06 0.06
響灘西地区廃棄物処分場 0.05 0.05

(2)工場での放射能濃度測定結果

9月18日、20日に試料採取を行い、焼却灰や排ガスなどの放射能濃度を測定した結果、本市の管理目標を大きく下回るものでした。

項目 新門司工場 日明工場 皇后崎工場 北九州市の管理目標
排ガス 不検出 不検出 不検出 不検出
主灰・スラグ・メタル・汚泥 不検出 不検出 不検出 100ベクレル/kg以下
飛灰 15ベクレル/kg 47ベクレル/kg 41ベクレル/kg 330ベクレル/㎏以下
処理水 処理水は発生せず 不検出 不検出 10ベクレル/リットル以下

※北九州市の管理目標とは、市民の安心を得るための目安として設定した数値。

なお、受け入れた災害廃棄物の放射能濃度を9月18日に本市の日明積出基地にて測定した結果は、30ベクレル/kg(本市の受け入れ基準:100ベクレル/kg以下)でした。

ていたん

取材を終えて

 取材をしてみて、がれき受け入れ前後で放射線量の変化がなかったことや放射能濃度が北九州市の管理目標より少なかったことが分かったよ。安全に処理できるから、安心だね!

【この特集に関するお問い合わせ】 環境局災害廃棄物専用ダイヤル TEL093・582・2411

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