特集北九州の食の魅力

ピカイチ漁師の1人・両羽勝さん(左)平松とれとれ朝市(小倉北区)(中)豊前海一粒かき(右)写真

特集北九州の食の魅力

豊前海一粒かきを持つ漁師2人の写真

 響灘・関門海峡・周防灘に面した恵まれた漁場と、市街地の間際まで広がる豊かな田畑に囲まれた北九州市。古くは長崎街道の始点として、また大陸と日本をつなぐ玄関口として栄えたことから生まれた多様な食文化と相まって、食の魅力にあふれています。

 近年は、流通網や保存技術が進歩し、国内外から食材が簡単に手に入るようになりました。食品加工の技術も進化したことで、冷凍食品なども身近になっており、便利になった反面、食材そのものの良さを感じる機会が少なくなっています。

 そんな時代だからこそ、新鮮で安全安心な地元産の食材の価値を見つめ直してみませんか。旬のものをとれたてで食べるおいしさを産地から皆さんに直送します。

食の宝庫で地産地消

若松潮風(R)キャベツ(上段左)大葉しゅんぎく(上段右)若松水切りトマト(下段左)北九州あわび(下段右)写真

地産地消とは? 地元で生産されたさまざまな農産物や水産物などをその地域で消費することが「地産地消」です。

 新鮮なものが食べられるという利点があるだけでなく、地元の産業を活性化させ、その地の食文化を守るという役割もあります。

 また、生産地から食卓までの輸送にかかる燃料消費などを抑えられることから、地球環境に優しい食のスタイルとも言えます。資源循環やエネルギー、インフラ設備などの分野で先駆的な事業を行い、「世界の環境首都」を目指す北九州市。市民である私たちも、地球環境に負荷の少ない食材を選んでみませんか。

フード・マイレージとは?

食料(フード)の輸送量に輸送距離(マイレージ)を掛け合わせた指標のこと。この数値が大きいと環境負荷が大きくなる。

どうして環境に負荷がかかるの?

食材がとれた場所から食卓までの移動距離が長いと…

下矢印

輸送にエネルギーを多く使う=環境への負荷が大きい

各国の人口1人当たりのフード・マイレージ 2001年 日本 7,093t・km/人 韓国 6,637t・km/人 イギリス 3,195t・km/人 ドイツ 2,090t・km/人 フランス 1,738t・km/人 アメリカ 1,051t・km/人 出典:ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」〈http://food-mileage.jp/〉 日本のフード・マイレージは世界でも高いレベル。環境への負荷が大きいんだ。
出典:ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」

※画像をクリックすると、大きな画像で見られます。

あなたのもとに届くまで、こんな工夫がされています~ちょっとした秘密を知ると愛着が湧いてきますよ~

漁師がカキ漁をしている写真

豊前海一粒かき

 門司区恒見沖で、県内初の養殖カキとなる、後の「豊前海一粒かき」の養殖が始まったのは、今から30年以上も前のこと。干満の差が大きく、カキの養分となる豊富なプランクトンを運ぶ川が何本も海に流れ込んでいるなど、大粒で濃厚な味のカキを育む好条件がそろっています。

数名の漁師でカキを一つ一つバラバラにし、殻を磨き上げている写真

 おいしさの秘密は、この生育環境だけではありません。手間を惜しまない養殖方法こそがおいしさの決め手。ある程度カキが育ったら、身に養分を行き渡らせるため、殻に付着したフジツボや藻を落として再び海に戻します。一度養殖イカダからカキを引き上げて一つ一つバラバラにし、殻を人の手で磨きあげるといったこの手間が、海のミルクに例えられる良質なカキをつくり出すのです。

ピカイチ漁師の1人・両羽勝さん写真

藍の鰆(サワラ)

 サワラがとれる小倉北区藍島近くの響灘は、潮流が速い上、その流れる向きも変わるため、餌となるプランクトンや小魚が豊富な好漁場。この海域で、本市が今年度「ピカイチ漁師」に認定した両羽勝さんらが中心となって釣るサワラは、「藍の鰆」というブランド名で高い評価を得ています。

鰆を釣り上げた直後の写真

 「藍の鰆」は、魚の体に傷がつきにくい一本釣りで釣り上げられたサワラの中でも3kg以上のもので、エラから血を抜く処理(船上放血神経締め)が施されたブランド魚です。

 良質な魚に漁師の職人技を加えることが、本市でとれた魚に新たな価値を加えています。

新しい名産品がまたひとつ! ~北九州あわび~

北九州あわび写真(右)北九州あわびさせている水槽写真(左)

 本市の新しい名産品として期待されている「北九州あわび」。その養殖は、漁港の公共用地で民間企業が事業を行う取り組みとしては全国で二例目で、若松区有毛の岩屋漁港で行われています。

 「北九州あわび」は、陸上で養殖されており、地下海水をくみ上げた水槽の中で、出荷までに通常2~3年かかるところを1年という短期間で成長します。

 その成長の秘密は、酸素を目に見えない小さな気泡(酸素ナノバブル)にして、アワビの成長を促す独自の技術です。新しい名産品が、本市の都市ブランドを高める新たな価値をつくり始めています。

とれたて食材を楽しもう! ~直売所と朝市~

 とれたての魚介類を買うことができる朝市が、週末に開催されています。早起きをして出掛けてみませんか。

  • ●柄杓田日曜朝市「漁師の店ひしゃくだ」 12月までの毎月第2・4日曜日の7時から、門司区大字柄杓田1407で。
  • ●長浜土曜朝市 12月までの毎月第2・4土曜日の8時から、小倉北区末広1丁目16―16で。
  • ●平松とれとれ朝市 12月までの毎週日曜日の7時から、小倉北区西港町船だまり特設会場で。

*各朝市は、売り切れ次第終了します。

朝市と直売所の位置図QRコード
朝市と直売所の位置図QRコード

この他にも市内各地に20の直売所と朝市があります。

【この特集に関するお問い合わせ】 産業経済局食の魅力創造・発信室 電話093・582・2080

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