特集新春すごろく

曽根干潟の日の出 写真提供:青木克磨さん

 あけましておめでとうございます。この1年が、皆さんにとって良い年でありますように。

 今年の新春号は「すごろく」です。すごろくを楽しみながら、野鳥にも愛される北九州市の豊かな自然を再認識していただければと思います。

 本市には、貴重な野鳥観察地である曽根干潟をはじめ、響灘ビオトープや風師山、山田緑地など、魅力ある自然や施設がいっぱいです。

 そして、すごろくをした後は、外に出掛けましょう。木々の葉が落ちて鳥たちを見つけやすいので、冬晴れは絶好の野鳥観察日和なのです。

特集 新春すごろく

冬晴れは野鳥観察日和

写真

 マナヅル・ナベヅルは、19世紀までは日本全国で越冬していました。しかし現在は、マナヅルは鹿児島県出水市周辺だけで、ナベヅルは出水市と山口県周南市、四国の一部だけでほとんどが越冬しています。

 年によっては、出水市方面に行く途中と思われるツルが、曽根干潟に飛来することがあります。昨年11月4日には、いのちのたび博物館の学芸員が3羽のマナヅルを観察しました。今後、もっと多くのツルたちが来てくれるといいですね。

特に表示のない特集記事内の野鳥写真は、日本野鳥の会北九州支部の会員の皆さんに提供していただきました。

※野鳥の説明監修:日本野鳥の会北九州支部

新春すごろく
※「新春すごろく」の画像をクリックすると、大きな画像で見られます。

「渡り鳥」と「留鳥」

渡り鳥は主に2種類。「夏鳥」は春に南方の越冬地から渡来して繁殖し、秋に戻ります。「冬鳥」は秋に北方の繁殖地から渡来して、春に戻ります。「留鳥(りゅうちょう)」は1年中、同じ地域で見られる鳥です。

「シラサギ」とよく言いますが、その名の鳥はいません。

身近な鳥としては以下の鳥であるケースが多いようです。

アオサギ写真
日本のサギ類で最も大きい。全体に灰色っぽい。留鳥。

コサギ写真
黒いくちばし。黒い足。黄色い足指。留鳥。

ダイサギ写真
長い首、黒い足。夏は黒、冬は黄色いくちばし。留鳥。

3昭和池公園(小倉南区大字朽網)

オシドリ写真
オシドリのつがい。美しい色彩の鳥がオス(手前)。冬鳥。

昭和池公園(小倉南区大字朽網)写真

外周2.5km・面積11.6haの昭和池は「昭和池の千本桜」で親しまれているソメイヨシノが有名です。ここではオシドリのほか、春には夏鳥のキビタキやオオルリなどが見られます。なお、周回道路の一部は現在全面通行止めです。

5曽根干潟(小倉南区大字曽根ほか)

曽根干潟(小倉南区大字曽根ほか)写真

517haの広大な干潟。曽根干潟に飛来する野鳥は、秋・冬を中心にカモ類、シギ類、カモメ類など年間100種、13,000羽を超えます。その中で、ズグロカモメ、ダイシャクシギ、ツクシガモは曽根干潟の御三家と呼ばれ、曽根干潟が全国でも有数の越冬地となっています。

ズグロカモメ写真
くちばしは黒く短く、脚は暗褐色。冬鳥。絶滅危惧種。

ツクシガモ写真
白い体に黒緑色の頭と赤いくちばしが特徴。冬鳥。絶滅危惧種。

クロツラヘラサギ写真
名前のとおり、ヘラ状のくちばしが特徴。冬鳥。絶滅危惧種。

ダイシャクシギ写真
下に曲がった長いくちばしが特徴。冬鳥。

8足立山森林公園周辺(小倉北区大字足原)

トラツグミ写真
黄褐色の体と三日月状の黒い斑紋が特徴。冬鳥。

足立山森林公園周辺(小倉北区大字足原)写真

小倉北区の東部に位置し、遊歩道を散策して森林浴を楽しむことができます。また、北側の「企救自然歩道」を利用して小文字山や足立山に登れます。トラツグミ、モズ、シロハラ、ミソサザイ、クロジ、ビンズイなどさまざまな野鳥も見ることができます。

14部埼灯台(門司区大字白野江)

部埼灯台(門司区大字白野江)写真

関門海峡の東側に立つ「部埼灯台」は明治5年(1872年)に初点灯。現存する灯台としては九州最古です。留鳥の多いヒヨドリですが、九州以南で越冬し、春に北の繁殖地に戻る冬鳥もいて、4月下旬にはそうしたヒヨドリが関門海峡を本州方面に飛んでいきます。なお、部埼灯台は1月18日まで工事のため立ち入り禁止です。

ヒヨドリの集団写真
ヒヨドリを捕らえたハヤブサ(右上)

17風師山(門司区大字小森江ほか)

ハチクマ写真
ワシ・タカの仲間。尾羽の先が丸い。夏鳥。

風師山(門司区大字小森江ほか)写真

関門海峡をはじめ、周防灘や玄界灘まで見渡せる風師山。門司区を代表するこの風師山は5月と9月、タカの渡りのコースとなっています。

25響灘ビオトープ(若松区響町1丁目)

響灘ビオトープ(若松区響町1丁目)写真

生物多様性に配慮しながら自然と触れ合える自然環境学習拠点。響灘ビオトープに生息する生き物(野鳥、昆虫、植物など)の紹介や自然環境学習の拠点となる「ネイチャーセンター」のほか、野鳥観察施設もあります。また、ここは絶滅危惧種「チュウヒ」の国内南限の繁殖地となっています。

チュウヒ写真
両翼をV字型に保つ滑翔(かっしょう)と羽ばたきを繰り返し、獲物を探す。多くは冬鳥。

オオジュリン写真
頬に白い線、羽は赤褐色。冬に「チュリーン」と鳴くのが名前の由来。冬鳥。

ツリスガラ写真
灰色の頭、目のところに黒い線。スズメよりも小さい。冬鳥。

写真提供:響灘ビオトープ

29響灘緑地(若松区大字竹並)

響灘緑地(若松区大字竹並)写真

響灘緑地は頓田貯水池を中心に山林、原野、海浜など変化に富んだ自然景観が広がる市内最大の公園です。大芝生広場、熱帯生態園、ひびき動物ワールド、バラ園、サイクリングコースなどがあります。貯水池やその周辺では季節ごとにさまざまな野鳥が観察できます。

カンムリカイツブリ写真
首が長く、体の背面が黒で腹が白。冬鳥。

キンクロハジロ写真
黒い体と白い脇腹。後ろに垂れる冠羽。冬鳥。

32瀬板の森公園(八幡西区瀬板2丁目ほか)

写真

瀬板貯水池と周辺の良好な自然環境を生かした自然体験型の公園です。延長約4.4kmの遊歩道があり、散策や森林浴、四季折々の草花・野鳥の観察ができます。

アオゲラ写真
キツツキ科。腹に黒色横斑。赤い頭頂。留鳥。

カワセミ写真
緑色の翼、青い背。だいだい色の胸と腹。留鳥。

35皿倉山(八幡東区大字尾倉ほか)

シロハラ写真
茶褐色の体。名前のとおり、腹が白っぽい。冬鳥。

皿倉山(八幡東区大字尾倉ほか)写真

皿倉山は本市のシンボル的存在。山頂からの夜景は「新日本三大夜景」に選ばれています。昼間には別の魅力があり、野鳥の宝庫でもあります。写真は皿倉八景の一つ「ネムの木の展望台」。

37中央公園(戸畑区金比羅町ほか)

中央公園(戸畑区金比羅町ほか)写真

カルガモ写真

褐色の体に黒褐色の斑。くちばしは黒く先端が黄色。留鳥。

ゴール山田緑地(小倉北区山田町)

山田緑地(小倉北区山田町)写真

山田緑地は、森の自然に触れることができる「利用区域」と自然環境の保護を優先する「保護区域」、「保全区域」の3エリアに分けて管理されています。利用区域には、大芝生広場、森の家(日本最大級のログハウス)、野草広場、自然観察路、山頂展望台などがあります。

ルリビタキ写真
瑠璃色の背面。だいだい色の脇。冬鳥。

ベニマシコ写真
長い尾羽。翼に2本の白帯。紅色の体。冬鳥。

ミヤマホオジロ写真
大きい冠羽。目元は黒く、眉と喉が黄色。冬鳥。

写真提供:山田緑地

ガイドが説明してくれる「野鳥観察会」に行ってみよう!

双眼鏡でバードウォッチングをしている女性のイラスト

双眼鏡を持っている人は持ってきてね

グリーンパーク「親子で野鳥観察」

 1月5日(土)9時30分~11時。定員、定数 15人。料金、費用 入園料が必要。申し込みは電話で1月4日までにグリーンパーク(若松区大字竹並、電話093・741・5545)へ。

山田緑地「バードウオッチング」

 毎月第2日曜日の9時30分~12時。小雨決行。双眼鏡の貸し出しあり。対象 小学生以下は保護者同伴。料金、費用 駐車場は有料。問い合わせは山田緑地(小倉北区山田町、電話093・582・4870)へ。

響灘ビオトープ「野鳥観察月例会」

 毎月第2日曜日の9~11時。小雨決行。双眼鏡の貸し出しあり。対象 小学生以下は保護者同伴。料金、費用 入園料が必要。問い合わせは響灘ビオトープ(若松区響町1丁目、電話093・751・2023)へ。

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