子ども・若者応援センター「YELL(エール)」
特集子ども・若者応援センター「YELL(エール)」
「YELL」
マスコットキャラクター
えるぽん
イラスト 白井りえ
「誰にも相談できなかった。どうしたらいいのかもわからなくて。」
高校を中退して、ひきこもりがちになった若者が、当時の気持ちをそう表現しました。
さまざまな理由で悩んでいる。だけど家族や友人、学校の先生などの身近な人たちに相談できない、身近な人だからこそ相談しにくい。そんな経験はありませんか?
本市が、「子育て日本一を実感できるまち」の実現を目指して策定した「元気発進! 子どもプラン」では、子ども・若者の自立や立ち直りの支援を重要な施策の一つとして位置付けています。
次世代を担う子どもや若者が社会性豊かな自立した大人へと成長するためには、家庭だけでなく行政をはじめとする地域社会全体で若者の自立を支えることが大切です。
今回の特集では、さまざまな悩みを抱えた、おおむね15歳から39歳の若者を対象とした総合相談窓口「子ども・若者応援センター YELL(エール)」(以下、YELL)を紹介します。
ハナちゃん。学校や友達のことで、モヤッとした悩みを抱えている。
エルくん。仕事に就けないことを相談するため「YELL」へ通った経験あり。
イラスト・杉村一
子ども・若者応援センター「YELL」ってどんなところなの?
「YELL」は、仕事や生活に悩んでいる若者(15~39歳)を応援するところだよ。
みんなの悩みをしっかり聞いてその人のペースに合った体験活動や他の機関を紹介してくれるんだよ。
みんな、どんなことを相談してるのかな?
「仕事をしたいけどどうしたらいいんだろう」「対人関係が苦手で…」とか本当にさまざまだよ。
そうなんだ。でも、人と話すのが苦手だし…。
じゃあ、実際に利用した人の話を聞いてみようよ。
「YELL」から踏み出す自分たちの一歩
田中悠太さん(22歳)
焦ったら失敗しそう。なので、一歩ずつ。
小・中学校で不登校になって、周りの助けを受けながら、高校は卒業したけど、しばらく何もしなかったら母がYELLを見つけてくれました。
初めてのことが苦手です。職員の人が親身に聞いてくれて、音楽が趣味だからと紹介された「芸術体験」に思い切って参加したら楽しかった。これをきっかけに他の活動にも参加し、少しずつ気持ちが前向きに切り替えられるようになって、今はアルバイトに向けて自分を鍛えています。
芸術
体験
ダンスなど、体を動かすのが気持ちよかったです!グループで案を出したりもするので、すぐ打ち解けられました。
田中義人さん(29歳)
悩みを共有・共感できる人がここにはいたから。
高校中退後ひきこもりになって、どうしたらいいのか悩んでいた時に母が連れてきてくれました。
YELLでは僕が僕を知るための支援をしてくれて、自分のことを知って、障害者手帳を取得しました。就労体験を2年間して、現在は一般企業に就職しています。
8月には自分で企画した講座をYELLで開きました。自分の経験が誰かの助けになればいいなと思うので、今後もいろんなところで話ができればと思います。
仕事
体験
手作り豆腐などを作って販売しました。就職へのイメージが沸いたのも、この経験があったからです。
村上晴紀さん(20歳)
「自分の居場所」になっているんだと思う。
高2の時に学校生活のストレスに耐えきれなくなって、ひきこもりがちになって。YELLには2年前から来たい時に来ています。
これまで、多くの活動の中で、楽しそうな、興味のあるものに参加しました。今は面談をたまにしつつ、自分のペースで好きな時に好きなことを話してます。自分の性格を把握してもらっているので、すごく利用しやすい。
自分の中の変化は感じているから、少しずつでもいいので、進んでいけたらいいなあ。
農業
体験
外に出て、黙々と作業をするのが自分の性格に合っていたかも。収穫の大変さと喜びを学びました。
牧元大樹さん(23歳)
YELLに来てから気持ちが軽くなった。
何事にも自信を持ってできなくなって、誰にも言えなくてすごく辛かった。だから大学卒業時に先生から紹介されて自分から電話しました。
面談では、本当にじっくり聞いてもらえました。それから一緒に「どうしていこうか」から始めた感じです。
以前は考えすぎて動けなくなってたけど、誰かに聞いてもらえるだけでそんな風にはならなくなる。今もいろいろ悩んでいるけど、失敗しても一歩進んでいる感じがします。
コミュニケー
ション講座
初めは緊張したけど、レクリエーション活動は楽しかった。みんなと仲良くなれました!
ほんの少しの悩みでも「YELL」に相談してみませんか?
YELL相談員
竹内美佳さん
悩みは人によって違います。誰に相談していいかわからない、そんな時はYELLに相談してほしいです。本人でなくても、ご家族などからの相談でも大丈夫です。
ここでは、臨床心理士やキャリアコンサルタントが、まず相談者の話を聞き、それぞれの悩みにあわせた支援を行います。例えば、人との関わり方に困難を感じている人には、あまり話さなくてもグループ活動ができる体験活動を、就労希望の人には、職場体験などを紹介します。他の機関と連携した支援もあります。
あなたの思いを話してください。YELLに来るのも勇気がいるかもしれませんが、次への一歩を一緒に考えていきましょう。
子ども・若者応援センター「YELL」
- 所在地:戸畑区汐井町1―6 ウェルとばた2階
- 電話093・882・0188
- 開所時間:10~18時45分
- 休所日:日・月曜日、祝・休日(月曜日と重なったときは翌日も休み)、年末年始
【この特集に関するお問い合わせ】 子ども家庭局青少年課 電話093・582・2392