北九州市政だより

NO.1422

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令和4年11月15日号 特集

特集
令和3年度決算 北九州市の財政状況

 新型コロナウイルス感染症対策の実施などにより、歳入・歳出ともに過去2番目の規模となった令和3年度決算が市議会で認定されました。市の会計は、一般会計・特別会計・企業会計の三つに分かれていますが、ここでは市の基本的なサービスに関わる一般会計の決算についてお知らせします。

歳入

歳入総額 6,457(100.0)
市税 1,749(27.1)
国庫支出金 1,626(25.2)
地方交付税 735(11.4)
諸収入 650(10.1)
市債 593(9.2)
県支出金 322(5.0)
地方消費税交付金 227(3.5)
使用料及び手数料 146(2.3)
その他 409(6.2)
[単位:億円()内は構成比%]

歳入(収入)の主な特徴

市税は新型コロナウイルス感染症の影響からの持ち直しなどにより増収

 市税は企業収益の持ち直しなどにより2年ぶりに増加し、過去2番目の規模となりました。

 また、地方消費税交付金などが増加したほか、国の補正予算に伴う追加配分などにより、地方交付税等が80億円増加しました。

国庫支出金などの減少により歳入総額は減少

 国庫支出金は、特別定額給付金の終了などにより、648億円の減少となりました。

歳出

歳出総額 6,380(100.0)
義務的経費 3,471(54.4)
 人件費 1,078(16.9)
 扶助費 1,714(26.9)
 公債費 679(10.6)
投資的経費 657(10.3)
 普通建設費・災害復旧費 657(10.3)
その他の経費 2,252(35.3)
 物件費 751(11.8)
 繰出金 472(7.4)
 補助費等 353(5.5)
 貸付金 463(7.3)
 その他(維持補修費等) 213(3.3)
[単位:億円()内は構成比%]

歳出(支出)の主な特徴

特別定額給付金の終了などに伴い減少

 市民一人当たり10万円を支給する特別定額給付金の終了により補助費等が963億円の減少となりました。

 一方、住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金や18歳以下の子どもへの給付金の支給、中小企業への融資額の増加など、新型コロナウイルス感染症対策を継続して実施したことなどにより、扶助費や貸付金が増加し、歳出の規模は過去2番目となりました。

■歳出にかかる扶助費及び福祉・医療関係繰出金の推移

H29(年度)
1,776(億円)
扶助費 1,342
繰出金 434

H30(年度)
1,749(億円)
扶助費 1,333
繰出金 416

R1(年度)
1,819(億円)
扶助費 1,392
繰出金 427

R2(年度)
1,865(億円)
扶助費 1,419
繰出金 446

R3(年度)
2,170(億円)
扶助費 1,714
繰出金 456

■過去5年度における一般会計の決算規模の推移

H29(年度)
歳入 5,523(億円)
歳出 5,489(億円)

H30(年度)
歳入 5,485(億円)
歳出 5,453(億円)

R1(年度)
歳入 5,499(億円)
歳出 5,465(億円)

R2(年度)
歳入 6,784(億円)
歳出 6,740(億円)

R3(年度)
歳入 6,457(億円)
歳出 6,380(億円)

市民1人当たりでみる決算
(一般会計)の内訳

一般会計決算を市民1人当たりに換算すると、
約68万1千円となり、主にこのように使われました。

※人口は93万6,586人(令和4年1月1日現在の住民基本台帳人口)で計算

福祉・医療の充実 20万3千円 産業・観光振興など 6万7千円 道路・公園など 4万8千円 市民活動や文化スポーツの振興 4万8千円 教育の充実 7万8千円 子育て環境の充実 9万1千円 住宅の整備 9千円 市民活動や文化スポーツの振興 4万8千円

令和3年度に取り組んだ
主な事業

1新型コロナウイルスの感染拡大防止と市民生活への支援

PCR検査と医療提供体制の確保

35億3,513万円

PCR検査写真

 PCR検査センターの運営や、かかりつけ医など身近な医療機関でPCR検査などを自己負担なしで実施したほか、介護・障害者施設でのPCR検査の拡充に取り組みました。

 また、新型コロナウイルスに感染した患者などの入院を受け入れた医療機関や帰国者・接触者外来を開設した医療機関への給付金の支給を実施しました。

新型コロナウイルスワクチン接種体制の確保

127億7,170万円

ワクチン接種写真

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止や重症化予防などを図るため、ワクチン接種体制を整備し、多くの市民への接種を迅速かつ円滑に行いました。

2まちのにぎわいや未来への飛躍に向けた成長戦略の実行

風力発電関連産業の総合拠点形成

19億308万円

洋上ウインドファーム写真
▲洋上ウインドファームのイメージ

 洋上ウインドファーム設置のための基地港湾整備など、風力発電関連産業の総合拠点の形成に向けた取り組みを推進しました。

IT企業誘致促進

3億4,273万円

 首都圏IT企業などを対象としたサテライトオフィス設置に向けた助成や、投資会社との協調によるスタートアップ企業の支援などを行い、民間投資を呼び込み、雇用の創出を図りました。

東アジア文化都市北九州2020▶21

3億9,921万円

東アジア文化都市北九州2020→21写真

 交流式典や伝統芸能饗宴、SDGsをテーマにしたアートフェスティバル、東アジア文学会議2021、閉幕式典、オンラインを活用した交流事業など214もの事業を実施し164万人の人が参加しました。また、市民が企画・実施する取り組みやイベントに対して費用の一部助成を行いました。

2021世界体操・新体操選手権北九州大会

8億538万円

体操写真(C)PICSPORT

体操写真(C)PICSPORT

 「世界体操競技選手権」と「世界新体操選手権」の2つの世界選手権大会を史上初めて同時に開催し、スポーツの振興やまちのにぎわいづくりに取り組みました。

3子育て・教育など誰もが安心して住み続けられるまちづくり

一般不妊治療費、不育症検査・治療費などの助成

7,929万円

 一般不妊治療と不育症の検査・治療などの費用を助成しました。

子ども医療費の支給制度を拡充

27億3,845万円

 医療費の自己負担額の助成をすることで、子育てにかかる経済的負担を軽減しました。

拡充内容
助成対象:
(通院)小学6年生まで→高校3年生まで
(入院)中学3年生まで→高校3年生まで
自己負担:
(通院)中学1年生〜高校3年生:助成なし→1,600円/月
(入院)高校1年生〜高校3年生:助成なし→無料
35人以下学級編制の拡充に伴う施設整備

5,231万円

 きめ細やかな指導体制の充実などから、小学1〜3年生と中学1年生で実施していた35人以下学級編制について、国に先駆けて小学校全学年に拡充するために必要な学校施設を整備しました。

高齢者の生活交通を確保する「おでかけ交通支援」

6,751万円

バス写真

 公共交通空白地域における高齢者などの生活交通を確保するため、おでかけ交通を運行するタクシー事業者と車両の小型化により路線を維持するバス事業者へ運行支援などを実施しました。

市の財政の
長期的な取り組み

市債(市の借金)残高

■市債残高の推移

H29(年度)
11,029(億円)
臨時財政対策債(※1) 3,264
その他の市債 7,765

H30(年度)
11,317(億円)
臨時財政対策債(※1) 3,572
その他の市債 7,745

R1(年度)
11,512(億円)
臨時財政対策債(※1) 3,807
その他の市債 7,705

R2(年度)
11,712(億円)
臨時財政対策債(※1) 3,983
その他の市債 7,729

R3(年度)
11,883(億円)
臨時財政対策債(※1) 4,122
その他の市債 7,761

市債残高は、対前年度比で171億円の増加

 令和3年度末における市債残高は、1兆1,883億円となり、前年度に比べて171億円(+1.5%)の増となりました。

※1…地方交付税(※2)の財源不足対策として、本来地方交付税で交付されるものの一部を、市債として借り入れることが認められているものです。このため、その返済については、後年度、その全額が地方交付税で措置されます。

※2…全国の地方公共団体が一定の標準的な行政サービスを提供できるように、国がその財源を保障し、国税の一定割合を地方公共団体に配分するものです。

財源調整用基金(市の貯金)残高

■財源調整用基金年度末残高の推移

H29(年度)
293(億円)

H30(年度)
279(億円)

R1(年度)
259(億円)

R2(年度)
251(億円)

R3(年度)
327(億円)

財源調整用基金残高は、対前年度比で76億円の増加

 令和3年度末における基金残高は、新型コロナウイルス感染症の影響からの企業収益の持ち直しなどによる市税収入の増や、国の補正予算に伴う追加配分などによる地方交付税の増などにより、前年度末の251億円から76億円増加し、327億円となりました。

 今後も、「北九州市行財政改革大綱」に基づき、より一層事業の「選択と集中」を図りながら、持続可能で安定的な財政運営を行っていきます。

財源調整用基金 収支不足や緊急の支出に備えて積み立てている「市の貯金」です。

この特集に関するお問い合わせ
財政局財政課 電話093-582-2002

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