北九州市政だより

NO.1435

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令和5年6月1日号 特集

特集
災害を知り、備え、行動する

 平成30年7月豪雨、令和元年8月九州北部豪雨と、近年北部九州では大きな災害が発生しています。今回、防災意識の重要性や地域防災の課題などについて、北九州市立大学の村江史年准教授と市長が対談しました。

市長先生は災害に関して、どのような活動に取り組んでおられますか。

准教授本学は北九州市と防災協定を結んでおり、授業に防災科目を取り入れたり、学内の地域共生教育センターなどで防災人材の育成に力を入れたりしています。その他、市の防災・減災教育推進アドバイザーとして市内の小学校で防災授業を行うなど、幅広い取り組みを進めています。

災害はいつ起きてもおかしくない

市長画像

市長昭和28年に北九州大水害があったように、災害はいつ、どこで起こるか分かりません。災害から命を守るためには、一人一人が防災に対する正しい知識や心構えを持つことが重要です。先生の地域活動を通じて、住民の意識について気づかれたことはありますか。

准教授防災意識に関しては市内でも地域差が大きいと感じます。地形条件や歴史的な経緯から「今まで大丈夫だったから今後も心配ないだろう」と楽観しがちな地域もありますが、気候変動が進んでいる背景もあり、市内のどこでも、いつ災害が起きてもおかしくないことを広く知ってもらうことが重要です。

市長防災に関する情報発信として、市では、防災ガイドブックやハザードマップの作成、出前講演や防災イベントの実施のほか、災害時にはさまざまな手法で避難情報などを発信しています。情報取得について、市民の方々へのアドバイスはありますか。

准教授台風や大雨など「空」が原因で起きる気象災害には必ず兆しがあり、必要な備えを準備する時間があります。明日は大雨になりそうだ、台風が近づいている、といった場合に、各自が備えるだけでなく、近隣に「備えは大丈夫?」と一声かければ、地域で備えの連携ができます。一方で、地震など「地面」で起きる災害は予測ができないので、日頃からの備えが大事になります。情報取得に際してはどうしても個人差や世帯差が生じるため、地域の中でキーマンとなる人たちが近隣住民に積極的に知らせていくことが重要です。


▲危機管理室内の大型モニター
(避難所開設の状況をリアルタイムで表示)

防災は声をかけ合える関係から

市長そのためにも、いざという時に気軽に声をかけ合える関係づくり、地域において共助の機運を高める取り組みが求められているのだと思います。実際に、地域が主体となって特色ある防災活動を行っているところもあるようですが、いくつか事例を紹介していただけますか。

准教授小倉北区の貴船校区では、校区内のある企業は紫川の氾濫時に企業の立体駐車場を避難場所として提供することとし、避難訓練も実施しています。また小倉南区の横代校区では、地域の防災訓練において中学生が小学生の指導役となり、それを地域の大人たちがサポートする取り組みが定着しています。

市長そうした先進的な取り組みが、各地域の状況に応じた形で広がってほしいですね。市としても、地域、住民、企業の三方よしの成果につなげられるよう、後押ししていきたいと思います。地域の防災活動を支援していく中で、どんな課題がありますか。

准教授地域防災には、住民だけでなく、企業、学生などさまざまな立場の人にできる限り多く参加してもらうという視点が必要です。その意味でも、本学では多くの防災人材を育成し、北九州市のみならず全国に送り出したいと考えています。災害ボランティアなどで得た知見が、防災はもちろん、まちづくりやその他の社会課題の解決にも大いに役立つでしょう。

市長災害対応にあたっては、市や関係機関、地域、住民の皆さんが一体となって取り組むことが必要です。子どもや若者にいかに関わってもらうかも重要となります。最後に、市民の皆さんへのお願いです。災害はいつどこで起こってもおかしくありません。日頃から、災害時の避難経路の確認や家庭内での食料、水などの備蓄をお願いします。市としましても、防災の強化に一層努めていきます。

准教授画像

村江 史年 北九州市立大学 准教授

北九州市防災会議委員、みんな de Bousaiまちづくり推進事業ファシリテーターなど、防災関連の要職多数。本市事業以外でも、学生を交えた被災地支援(熊本、朝倉)など、活動は多岐にわたる。

災害時の困りごと、疑問を解決

防災ガイドブック画像

 備えあれば憂いなし。万一、災害が起こった時に、自分と大切な人の命を守る行動を確実に取れるよう、ハザードマップや防災情報の取得方法を確認するなど、日頃から準備しておきましょう。

「北九州市防災ガイドブック」は、災害の特徴や避難のポイントなどをまとめた冊子です。各区役所総務企画課・出張所・危機管理室(市役所3階)で配布しています。市のホームページやYouTube【北九州市公式チャンネル】でもご覧になれます。

ポイント1

警戒レベル4「避難指示」が出たら必ず避難を!

⚫️警戒レベル 5 緊急安全確保 ~警戒レベル4までに必ず避難!~ ⚫️警戒レベル 4 避難指示 ⚫️警戒レベル 3 高齢者等避難

集中豪雨や台風など、災害が差し迫っている時に出される避難情報には、「どのくらい警戒すべきか」を示す警戒レベルが付けられています。警戒レベルは災害発生の危険度が高くなるほど数字が大きくなります。警戒レベル4「避難指示」が発令された場合は、対象区域の住民全員が必ず、安全・確実な避難行動を取りましょう。

防災ガイドブックP6をチェック

ポイント2

急な地震に襲われても、慌てずに行動を!

地震発生時の行動を日頃から考えておくことが大切です
  • 慌てて外に飛び出さないようにしましょう。
  • ドアや窓を開けて逃げ道を確保しましょう。
  • 素早く火の始末を行いましょう。
すぐに身を守る行動を!

とっさの行動ができるよう、日頃から訓練しておきましょう!

まず低く → 頭を守り → 動かない

防災ガイドブックP21~22をチェック

ポイント3

災害リスクを知る

ハザードマップは、市内で想定される土砂災害や洪水、津波、高潮の浸水想定区域などを表示した地図です。いざという時に備え、日頃から自分の住んでいる地域でどのような災害が起こりやすいかを把握しておきましょう。安全に避難できる場所までの経路を頭に入れておくと、万一の際にも慌てずスムーズに動けます。

防災ガイドブックP27~32をチェック

ポイント4

備蓄品と非常持ち出し品の準備を!

大規模な災害に備えて、家庭や事業所などで非常食や必要物資を備蓄しておきましょう。災害復旧までの数日間(最低3日)を過ごすための常備を。また、避難所には最低限の物資しかありません。非常食・飲料水、服用中の薬や、女性・乳幼児向け用品なども含め、避難の際、すぐに持ち出せるように常備しましょう。

防災ガイドブックP39~40をチェック

ポイント5

防災情報をキャッチするには?

市では、さまざまな方法で防災に関する情報を発信しています。防災に特化したサイト「防災情報北九州」では、土砂災害の危険度や避難情報が分かるほか、避難所開設の有無や混雑状況などもリアルタイムに把握できます。また、北九州市公式LINEでは、避難情報、市立学校の休校情報など事前に自分が選択した情報がタイムリーに届きます。登録をお勧めします。


▲「防災情報北九州」画面イメージ

防災ガイドブックP41~42をチェック

ポイント6

人とペットの災害対策

災害時にペットを守れるのは飼い主だけです。市では避難所にペットと一緒に避難し、別々の場所で過ごす「同行避難」に対応しています。避難にあたって、飼い主が日頃からペットのしつけや健康管理、ペットフードなどの避難用品を備えておくことが大切です。また避難所以外にも、ペットホテル、親戚の家など一時預かり先についても複数探しておきましょう。「飼い主と避難所運営者のための手引き」を参考に、日頃からしっかり備えをしましょう。

防災ガイドブックP38をチェック

この特集に関するお問い合わせ
危機管理室危機管理課 電話093-582-2110

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