特集暴力団排除条例

暴力は絶対許さない!

暴力団排除総決起大会の様子
▲小倉南区暴力団排除総決起大会(3月30日実施)でシュプレヒコールを上げる参加者

 暴力追放は市民みんなの願いです。しかし、全国で暴力団が関与していると思われる事件はなかなか後を絶ちません。そのような中、本市は暴力団の排除を目指す「北九州市暴力団排除条例」を施行しました。今回はこの条例と施行への思いをご紹介します。

暴力団犯罪の現状

 福岡県内には五つの指定暴力団の本部があり、発砲事件や覚せい剤・シンナーの密売など暴力団が絡んでいると思われる事件が数多く発生しています。

 また、その犯罪の手口は巧妙化し、振り込め詐欺やヤミ金融への関与など多岐にわたっています。暴力団は恐怖心をあおったり、混乱・錯覚を与えたりしながら不法・不当な要求を行うなど、市民生活にまで深く関与するようになっているのです。

暴力団排除に向けた気運の高まり

 これまで市は、民事介入暴力被害について気軽に相談できる「民事暴力相談センター」の開設や暴力追放キャンペーンなど市民・警察・行政が連携しながらさまざまな活動を続けてきました。

 そのような中、福岡県では4月から、全国で初めて罰則規定を定めた「福岡県暴力団排除条例」を施行しました。あわせて県内の各自治体も取り組みを進めており、暴力団排除に向けた機運が一層高まっています。

暴力団排除条例

 そこで市は7月1日から、市民が安全で安心して暮らせる社会を確保し、社会経済活動の健全な発展に役立てることを目的に、「北九州市暴力団排除条例」を施行しました。

 この条例は、市や市民・事業者の責務を明らかにし、暴力団排除に向けた市の取り組みや市民の禁止事項などを定めています。

 そして、福岡県の条例と相互に補完し合いながら適用されることで、暴力団排除に向けた取り組みを強化しています。

暴力追放を進め住みよいまちに

 昨年、佐賀県みやき町では、住民自らが立ち上がり警察や行政と連携しながら、暴力団事務所の開設を阻止しました。住民の強い思いが実を結んだのです。このように暴力追放には、市民の皆さんの協力が不可欠です。条例の施行を機に、警察や市とともに暴力追放運動を進め、住み良いまちをつくっていきましょう。

こんなことで困っていませんか ~背後に潜む暴力団

  • 交通事故の示談で不当な金品を要求
  • 下請け参入や資材の納入などを要求
  • 不当な方法で債権取立て
  • 他にも…
    • ・弱みに付け込み口止め料を要求
    • ・物品の購入や寄付金などを要求
    • ・因縁をつけて金品などを要求
    など

3段階の脅しの手口

 右に掲げたのは、暴力団が背後で不法・不当な要求にかかわっている恐れがある事例です。

 暴力団は、このような不当な要求や脅迫行為を行う際に、三つの段階を踏むといわれています。まず、脅す目標を定め、いろいろな名目で接近してきます。次に、無理難題を吹っかけ、相手を心理的に追い詰めていきます。そして、一度要求をのんだ相手には、幾度も脅しをかけて要求を繰り返していくのです。

暴力に関する悩みやトラブルは早めに相談を

 それでは、暴力団員などから不当な要求があった場合は、どのように対応すればいいのでしょうか。

 対応のポイントは、●相手や用件を確認する ●即答や約束をしない ●録音やメモにより応対内容を記録化する ●複数で対応する―などです。

 そして最も大切なのは、一人で解決しようとしないことです。悩みやトラブルが生じたときは、まずは警察や民事暴力相談センターにご相談ください。

参加しよう

市民暴力追放総決起大会
 「市民暴排の日」制定を記念して、記念講演会や暴力追放決意表明、暴力団追放パレード(少雨決行)を行います。
 8月18日(水)15~17時、 メディアドーム(小倉北区三萩野三丁目)などで。

暴力団排除は市民の総意です

条例施行の思いなどを総務市民局 原田大助 安全・安心担当理事に聞きました。

原田大助 安全・安心担当理事
原田大助
安全・安心担当理事

 条例施行の思いを教えてください

 今回の条例は、市民の代表である市議会の全会一致で決まりました。これは、暴力は絶対に許さないという市民全体の強い意思、総意が表れたものです。そしてこの条例は、市民や事業者の皆さんが警察や市と力を合わせて暴力団排除に取り組んでいく新しい出発点になるものです。

 また、暴力団排除へのみんなの思いを一つにする日として、8月18日を「市民暴排の日」に定めました。暴力団排除に取り組まれていたリーダーが経営する飲食店に爆発物が投げ込まれた日です。過去の苦い経験を忘れずに、暴力団の排除が重要だという認識を社会全体で深めていきたいと考えています。

 市民生活を守るため、警察とどのように連携を深めていくのですか

 暴力団排除のためには、子どもたちへの教育も重要です。警察と協力しながら、子どもたちが暴力団の被害に遭わないよう、また誤った憧れを抱くことのないよう、中学校や高校などに警察官が出向き、啓発活動に取り組んでいきます。

 また暴力団排除の大前提は、市民の皆さんの安全確保です。市では、小学生の通学路沿いにある暴力団事務所近くに迂回路を設け、防犯カメラを設置した事例もあります。この条例の制定により、警察と一層連携しながら市民の安全確保にも配慮していきます。

 条例の施行を踏まえ、市民や事業者にお願いしたいことは何ですか

 県条例は、暴力団に流れる資金を絶つため、事業者を対象にした罰則等の規定があります。市条例では、罰則等はありませんが、暴力団に市民の皆さんが利益を与えたりすることなどを禁止しています。暴力団からの要求などがあった場合は、この条例を盾に取って、勇気をもって拒否し、直ちに警察や民事暴力相談センターに相談してほしいと思います。

 また市民の皆さんには、どんな小さなことでも結構ですので、暴力団に関する情報の提供をお願いします。その小さな声が暴力のない住み良いまちにつながっていくのです。

暴力団排除条例の主な内容

【北九州市】

  • 8月18日を「市民暴排の日」とする。
  • 市の公共事業や事務事業から暴力団などを排除する。
  • 暴力団排除活動を行う市民等に情報提供や支援を行う。
  • 青少年が暴力団に加入せず、暴力団による犯罪被害を受けないようにするための教育や支援を行う。
  • 債権回収、紛争解決などに暴力団員を利用することや、暴力団に利益供与することを禁止する。

【福岡県】

  • 事業者による暴力団員等に対する利益供与などを禁止する(悪質な行為には罰則・勧告・公表あり)。
  • 暴力団事務所に使用されることを知って不動産取引をすることを禁止する(勧告・公表あり)。
  • 学校等の周辺で暴力団事務所を新たに開設することや運営することを禁止する(罰則あり)。
  • 暴力団を相手とする民事裁判への訴訟費用資金の貸付などの支援を行う。

民事介入暴力の相談窓口

暴力団などの不法行為(恐喝・暴行など)で緊急のご相談は TEL110番へ

●暴力団などの介入で困ったときは

[北九州市]
民事暴力相談センター TEL093・582・2140
[警察]
暴力追放ダイヤル(市警察部) TEL093・582・8930
門司警察署 TEL093・321・0110 内線330
小倉北警察署 TEL093・583・0110 内線380
小倉南警察署 TEL093・923・0110 内線381
若松警察署 TEL093・771・0110 内線330
八幡東警察署 TEL093・662・0110 内線330
八幡西警察署 TEL093・645・0110 内線350
折尾警察署 TEL093・691・0110 内線350
戸畑警察署 TEL093・861・0110 内線330

●公共工事に係る暴力団などの介入相談は

北九州市契約室 TEL093・582・2545か民事暴力相談センターへ

【この特集に関する問い合わせ】 総務市民局民事暴力相談センター TEL093・582・2140(ツイホー)

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