特集「共生のまちづくり」への第一歩は「知る=障害を理解する」こと

私たちにできる「共生のまちづくり」
写真:
信号変わったかしら…
(電車来ないね)
(そうね)
信号が青になったこと、伝えた方が良いのかな?
駅の構内アナウンス、聞こえてるのかな?

「共生のまちづくり」への第一歩は「知る=障害を理解する」こと

モモマルくんイラスト (C)はぎいわむつみ
北九州市人権の
約束事運動
マスコットキャラクター
「モモマルくん」

 「信号の色を見て横断歩道を渡る」「構内アナウンスを聞いて列車の到着時間の遅れを知る」。

 私たちが普段の生活で何気なく行っていることですが、上の写真のように、障害のある人にとっては、非常に困難な「壁(=不自由さ)」となることもあります。

 しかし、私たちが実際にこのような場面を見かけたとしても、障害や障害のある人について知らなければ、その不自由さに気付かないかもしれません。

 「壁」は、「よく知らない」「関心がない」「偏見」など、私たちの「意識」によっても生じるのです。

 今回の特集では、障害のある人やその家族などからの声を紹介しています。誰もが生き生きと暮らす「共生のまちづくり」のため、私たちに何ができるのか考えてみましょう。

 平成29年(2017年)に施行された「障害を理由とする差別をなくし誰もが共に生きる北九州市づくりに関する条例」(通称:障害者差別解消条例)では、障害や障害のある人への理解を深めることなどを市民の役割としています。

障害を正しく知ることで、私たちにできること。

写真「列車が遅れていますよ」

聴覚障害

 「全く聞こえない」または、「聞こえにくい」という障害です。

 聞こえ方や育った環境、年齢などにより、「手話」や「筆談」など、コミュニケーションの方法は人によってさまざまです。

相手に合わせた伝達を

前田心美さん写真
▲前田心美さん

 全く聞こえないので、駅の構内アナウンスは分かりません。手話で会話する私にとっては、手話で伝えてもらうのが一番良いです。手話でなくても、正面から口をはっきり動かして話したり、身振り手振りで伝えたり、工夫してもらえると分かりやすいです。

神矢徹石さん写真
▲神矢徹石さん

 私は難聴ですが、正面からゆっくりとはっきり話してもらえれば、会話をすることができます。

 周りの雑音で聞こえにくいときは、筆談も利用しますよ。

こんな方法もあります

スマートフォン写真
▲スマートフォンのメモ機能も活用できます。

写真「青になりましたよ」

杖を持つ手には触れないで。

突然体に触れたり、手を引っ張ったりすると事故につながる恐れもあります。

まずは前から近づいて、声をかけましょう。

盲導犬と男性写真
▲盲導犬と一緒に信号待ち。

視覚障害

 「全く見えない」または、「見えにくい(視野が狭い、まぶしく見える、ぼやけるなど)」という障害です。

 移動に困難を伴うことが多く、点字ブロックや電柱などの構造物を白杖などで確認しながら歩きます。また、盲導犬と一緒に歩くこともあります。

まずは声かけから

高 清秀さん写真
▲高 清秀さん

 見て判断することができないので、音の出ない信号機だと、横断歩道を渡るタイミングが難しいです。これは盲導犬ユーザーも同じです。

 「青」になっても渡らないようなときは、ひと声かけてもらえると良いですね。

盲導犬は

 周囲の安全などに気を配りながら仕事をしています。

 触ったり、声をかけたりしないで。また、水や食べ物を与えたり、自分のペットを近づけたりするのもやめましょう。

点字ブロックの邪魔をしない

歩行者と点字ブロックイラスト
▲点字ブロックの上に物を置いたり、立ち止まったりしないようにしましょう。

 障害は、聴覚障害や視覚障害を含む身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などさまざまです。外見からは分かりにくい場合もあり、障害のある人は、日常生活や社会参加に困難が生じたり、周囲に誤解をされたりすることがあります。

 また、そのことによって生きづらさを抱えている人も少なくありません。

山田あゆみさん写真
▲北九州市立
浅野社会復帰
センター
相談支援専門員
山田あゆみさん

支援者の声

 精神に障害のある人は、頑張りすぎたり、我慢をしすぎたりすることも多いので、常に声かけをして、心の変化に気を配っています。

 その人に合ったペースを見極めるために、まずは寄り添う気持ちが大切です。

女性イラスト

家族の声

 一見、理解しづらい行動をするので、誤解されることもありました。そんなとき、周りの人が理解を示してくれて、気持ちが救われました。(知的障害)

 私の子どもは、絵や図を使って予定を伝えると、落ち着いて行動できます。  発達障害といってもいろいろ。まずは特性を知ってほしいですね。(発達障害)

障害や障害のある人をもっと知ろう! ~交流イベントの開催~

ギター演奏写真

障害者芸術祭PRイベント

 11月下旬~12月上旬に開催予定の「障害者芸術祭」の紹介をします。ギター演奏、モモマルくんとの触れ合いなど。

 10月5日(土)おおむね13~14時30分、チャチャタウン小倉(小倉北区砂津3丁目)で。荒天中止。問い合わせは北九州市身体障害者福祉協会 電話093・883・5555、FAX093・883・5551へ。市の担当課 保健福祉局障害福祉企画課 電話093・582・2453。

ステージ発表写真

東部障害者福祉会館の文化祭「ふれあい広場」

 ステージ発表・作品展示や点字・手話教室、バザーなど。

 10月20日(日)10~15時、東部障害者福祉会館(戸畑駅前、ウェルとばた6・7階)で。手話通訳・要約筆記あり。

 問い合わせは同施設 電話093・883・5550、FAX093・883・5551へ。

車いすダンス写真

西部障害者福祉会館の文化祭「であい・ゆめ広場」

 日本舞踊や車いすダンスのステージ、点訳・音訳の体験、作品展示など。

 11月10日(日)10~14時30分、西部障害者福祉会館(黒崎駅西側、コムシティ5階)で。手話通訳・要約筆記あり。

 問い合わせは同施設 電話093・645・1300、FAX093・645・1600へ。

【この特集に関するお問い合わせ】 保健福祉局障害福祉企画課 電話093・582・2453

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