北九州市政だより

NO.1393

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令和3年9月1日号 特集

特集
SDGs〜身近な取り組みから始めよう〜

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS
2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」です
1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう

 最近、SDGs(エスディージーズ)という言葉をよく聞きませんか? SDGsとは、2030年までに貧困や不平等などの課題を解決し、現在も、そして子どもや孫たちの世代も、豊かで幸せに暮らしていくための「世界共通の17の目標」のことです。

 難しく聞こえますが、例えば、「電気を小まめに消す」といった身近な行動も、目標達成のためのちゃんとした取り組みの一つです。

 今回は、暮らしの中の「その行動がSDGs!」を紹介しています。 今日から、SDGsを“自分ごと”として始めてみませんか。

日常生活の何気ない行動も、実はSDGsの取り組みにつながっています

食べものを無駄にしないイラスト

食べものを無駄にしない

 買い過ぎない。また、食べきれない食材は新鮮なうちに冷凍するなど、無駄のないようにしよう。

その行動がSDGs!
地元の新鮮な食材を購入するイラスト

地元の新鮮な食材を購入する

 地元の農水産物や加工品を購入しよう。地域の活性化や資源の保護につながります。

その行動がSDGs!
日頃からまちの安全を考えるイラスト

日頃からまちの安全を考える

 防災バッグを用意したり、ハザードマップを見て避難経路を確認したりするなど、もしものために備えよう。災害に強いまちづくりには、自らを守る行動も必要不可欠です。

その行動がSDGs!

 SDGsは、「少しの工夫で世界を住みやすくしていく」という、とても身近な取り組みです。いつも車で移動するところを歩いてみる、地域の清掃活動に参加してみる、他の国の教育の現状を調べてみるなど、日常生活で少しだけ意識して行動することが、よりSDGsのゴールに近づく一歩になります。

北橋健治市長写真

〈市長からのメッセージ〉

 市民、企業、大学、行政が一体となって公害を克服する過程で培われた「市民力」や「ものづくりの技術」は、市のまちづくりに活かされるとともに、その後の地域活動やアジア諸国への環境国際協力につながっていきました。こうした取り組みは、SDGsの考えを先取りしたものとして国内外で高い評価を受けています。

 社会課題が複雑化する今、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念達成は、市にとって大きなチャンスにもなると考えます。

 北九州市は、SDGsを原動力に地方創生や地域活性化を図り、「市民生活の質の向上」や「都市ブランド力の向上」につなげることで、「日本一住みよいまち」の実現を目指していきたいと考えています。

北九州市長 北橋 健治

団体などによるSDGs推進の取り組み事例

 市内には、SDGs推進に積極的に取り組んでいる団体・学校・企業などがあります。市では、SDGsの達成に向けて他者のモデルとなるような優れた活動を「北九州SDGs未来都市アワード」として表彰しています。今回は、これまでに表彰を受けた3つの団体を紹介します。

子どもたちを誰一人取り残さない社会へ

特定非営利活動法人 フードバンク北九州ライフアゲイン

活動の様子写真活動の様子写真

 家庭の経済的な理由で満足な食事がとれず、教育も不十分な子どもたちが成人後も収入の高い職に就きにくいといった実状を見てきました。この「貧困の連鎖」を断ち切り、すべての子どもたちが大切にされる社会を目指して、余った食品を救済支援に生かす事業(フードバンク)や子ども食堂の運営を行っています。今後は、各支援団体との連携を図り、包括的に支援できる体制の事業モデルを作る計画です。
(2019北九州SDGs未来都市アワード「SDGs大賞」受賞)

以下のゴールを目指して活動に取り組んでいます

SDGsアイコン1 貧困をなくそう
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
12 つくる責任 つかう責任
17 パートナーシップで目標を達成しよう

一人一人が「かけがえのない存在」

原田昌樹さん写真
特定非営利活動法人
フードバンク北九州ライフアゲイン理事長
原田昌樹さん

SDGsが掲げる理念「誰一人取り残さない」に深く共感します。私たちは「人も食べものも大切に扱われなければならない」という思いから団体を設立しました。食品ロスの解決は、「人を大切にする社会」の実現に向けた第一歩です。私はいつも、子ども食堂を訪れる子どもたち一人一人に、「君はかけがえのない存在なんだよ」と笑顔で伝えるようにしています。

不要なTシャツで「電力削減」「途上国のワクチン」を

福岡教育大学附属小倉中学校生徒会「世界を彩れTシャツ再生プロジェクト」

活動の様子写真活動の様子写真

 2020年夏、生徒会の発案で、不要になったTシャツ約300枚に水をかけて干し、気化熱で温度を下げる取り組みを実施しました。使用後は地元企業の無添加せっけんで洗い、古着をポリオワクチンに変える活動を行う団体を介して途上国に寄付しました。また、廃棄食材から作った肥料を使用して、ゴーヤや朝顔を、温度を下げるための日除けとして育てています。今後は、この植物のタネを他の学校に配布するなど活動を広げる計画です。
(2020北九州SDGs未来都市アワード「SDGs大賞」受賞)

以下のゴールを目指して活動に取り組んでいます

SDGsアイコン1 貧困をなくそう
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
17 パートナーシップで目標を達成しよう

工夫することが楽しくなりました

近藤拓光さん写真
福岡教育大学附属小倉中学校3年
近藤拓光さん

暑い暑い夏になんとか涼を得られないかと考えて、Tシャツ再生プロジェクトを思いつきました。実現までには大変なこともありましたが、この活動が役にたったという実感が、活動を継続する原動力になっています。油汚れを洗うときは一度拭き取ってから洗う、これだけでSDGsへの貢献につながります。皆さんも、少しだけSDGsを意識して生活してみてください。工夫することがきっと楽しくなると思います。

被災地の高校生たちとオンラインで「防災ディスカッション」

福岡県立小倉西高等学校「MCTM(みちたま)プロジェクト」

活動の様子写真

 災害時に自分や大切な人の命を守る防災意識の向上を図ることが、プロジェクトの目的です。新型コロナウイルス感染拡大により活動が制限される中、2020年7月に1年生全員が熊本や朝倉の被災地の高校生とオンラインでパネルディスカッションを実施し、防災を自分ごとと捉える意識改革につなげました。他校とのパネルディスカッションや市民センターでの防災講習開催など、SDGsのゴール11「住み続けられるまちづくり」を中心に、活動を継続しています。
(2020北九州SDGs未来都市アワード「SDGs賞」受賞)

以下のゴールを目指して活動に取り組んでいます

SDGsアイコン4 質の高い教育をみんなに
11 住み続けられるまちづくりを
13 気候変動に具体的な対策を
17 パートナーシップで目標を達成しよう

同世代の被災体験談が心に残りました

佐藤ひかりさん写真
福岡県立小倉西高等学校3年
佐藤ひかりさん

パネルディスカッションには、学校の活性化を担う2年生のプロジェクトチームの一員として参加。熊本地震や朝倉の大水害など、同世代の生徒たちの体験談が印象的で、私自身の防災意識も高まりました。その後、避難場所にふさわしいお寺や神社を探る「地域防災ぶらり歩き」や、市民センターで防災学習の成果を伝える会も実施しました。進学後もSDGsに関わっていきたいと考えています。

2021年の「北九州SDGs未来都市アワード」の候補団体を募集しています。
詳しくはトピックスをご覧ください。

今後の本市のSDGs推進に向けた取り組み

北九州SDGs登録制度

 市では、二酸化炭素の排出削減や、誰もが働きやすい職場づくりなど、SDGs達成に向けた企業などの取り組みを「見える化」し、支援するための登録制度を開始しました。

 登録すると、市のホームページでのPRや、入札・融資制度での優遇措置などの支援が受けられ、人材確保や競争力向上が期待できます。SDGs経営で持続可能な成長を図るため、登録してみませんか。募集期間は9月1日〜9月30日。詳しくは問い合わせを。

北九州SDGsマンス

エコライフステージ写真
▲エコライフステージ

 10〜11月は「北九州SDGsマンス」として、市民の皆さん、企業などと一体となってSDGsの取り組みを発信します。10月に開催される「2021世界体操・新体操選手権北九州大会」では、会場で使用する電気に再生可能エネルギーを活用します。そのほか、エコライフステージなどたくさんのイベントをSDGsのテーマとともに盛り上げていきます。

この特集に関するお問い合わせ
企画調整局 SDGs推進室 電話093-582-2302

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