2022年1月26日に北九州市は、北九州商工会議所及び三井住友海上火災保険株式会社の共催のもと、中小企業経営層に向けた脱炭素経営セミナーを開催しました。
スピーカー:三井住友海上経営サポートセンター 経営リスクアドバイザー 保坂 進氏
第1部は、三井住友海上経営サポートセンター 経営リスクアドバイザー 保坂 進 氏にご登壇いただき、「なぜ中小企業に脱炭素経営が必要なのか」について解説いただきました。
パリ協定や日本政府における2050年カーボンニュートラルの表明などを契機に、気候変動に対応した目標設定(SBT認定)などを行い、脱炭素経営に取り組む動きが進展しています。こうした企業の取組は、国際的なESG投資の潮流の中で、自らの企業価値の向上につながることが期待できます。また、先んじて脱炭素経営の取組を進めることで、他社と差別化を図ることができ、新たな取引先やビジネスチャンス獲得が期待できます。
脱炭素経営の進め方として、現状把握(温室効果ガス排出量把握)を実施し、目標設定、削減活動を進めていくこと、加えて、SDGs取組の一環として、対外的にアピールすることも、企業価値向上に効果的となることを解説いただきました。
また、温室効果ガス排出量の削減目標はサプライチェーン全体に及ぶため、大手企業等から取引先となる中小企業へ脱炭素経営を求める可能性についても解説いただきました。
スピーカー:MS&ADインターリスク総研株式会社 リスクエンジニアリング第三グループ コンサルタント 関 椋也 氏
第2部は、MS&ADインターリスク総研株式会社 リスクエンジニアリング第三グループ コンサルタント 関 椋也 氏にご登壇いただき、第1部で登場した「現状把握」、「目標設定」、「実践」について、具体的な内容を解説いただきました。
まずは自社のエネルギー使用実態をもとに、定められた算定方法を用いることで、自社の温室効果ガス排出量を把握します。その上で、国や業界団体等で求められる削減行動などを参考に、削減方針を検討及び策定していきます。
削減目標の指標として、SBT(Science Based Targets)等のイニシアチブがあります。SBTは科学に基づく温室効果ガス削減設定を支援する国際的なプロジェクトです。SBTの方法論を使用することで、パリ協定の目標に整合する削減目標が設定可能となり、パリ協定に整合した事業活動を行う企業であることを分かり易くアピールできることを解説いただきました。
また、実践においては、省エネルギーの取組みや再生可能エネルギーの導入について解説いただきました。
スピーカー:(株)艶金、高知機型工業(株)
第3部は、全国の先進事例紹介として、岐阜県の織物などの染色加工業を営む(株)艶金様と、高知県の鋳物などの型製造業を営む高知機型工業(株)様にご登壇いただき、脱炭素経営を始めた経緯や、具体的な取組事例についてお話していただきました。
(株)艶金様からは、「バイオマスボイラー」などによる燃料転換により、カーボンニュートラルを実現していることをご紹介いただきました。ここでは実際の事例を交え、「脱炭素経営を宣言」した経緯から「SBT認定取得」までをご紹介いただき、最後に「脱炭素経営に取り組む意義」についてお話していただきました。
高知機型工業(株)様からは、「SDGsでCO2削減」の取組についてご紹介いただきました。SDGsを積極的に推進する中で、製造過程で発生する金属くずや発泡スチロールくずのリサイクル、また太陽光発電や大型蓄電池設備の導入によるエネルギー転換などを通じて、CO2削減に取り組んでいることをお話していただきました。
「KitaQ Zero Carbon」プロジェクトの第2回セミナーとして、国内外の先進的な脱炭素に向けた事例、実施背景やプロセスをご紹介すると共に、GHG(温室効果ガス)排出量の見える化における具体的なアクションや進め方や脱炭素ソリューションについてお話しいただきます。
今や企業にとって脱炭素化は必要不可欠です。どのように脱炭素に取り組んでいくことができるのか、企業の先進事例も含め実践的な情報をお伝えします!
https://ttzk.graffer.jp/city-kitakyushu/smart-apply/apply-procedure-alias/kitaq-zerocarbon03