特集火災予防

地域ぐるみで火災を防ごう! 大切な命と財産を守るために

筑豊市場組合長関屋正さん写真
筑豊市場組合長関屋正さん

 本市では、今年1~10月の間に11人が住宅火災で亡くなりました。そのうちの7人、約6割が65歳以上の高齢者で、高齢者が占める割合は増えています。また、火災の原因として最も多いのは「放火(疑い含む)」で、30年連続1位です。今回は、防火対策や地域で取り組んでいる自主防災活動について特集します。

放火火災を防ごう

 放火火災を防ぐには、「ごみは指定日の決められた時間に出す」「家の周りを明るくし、段ボール等の燃えやすい物を置かない」「物置きや倉庫などの鍵は必ず掛ける」といった環境づくりが大切です。日頃から一人一人が意識し、隣近所で声を掛け合うなど地域ぐるみで火災の発生を防ぎましょう。

地域で取り組む自主防災活動

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 地域の自主防災活動を進めていく上で大切なことは、「自助」と「共助」です。過去、市内の市場や商店街で大きな火災が相次いで発生したことも踏まえ、これらの取り組みを積極的に進めている筑豊市場(八幡東区茶屋町)の組合長・関屋正さんに話を聞きました。

 「筑豊市場では地域での取り組みとして、無線連動型住宅用火災警報器を市場内の店舗や休憩所に22個、近隣の住宅に3個設置しています。これは、市場の夜間における無人対策で、各店舗や近隣住民が連携して火災を早期発見することが目的です。さらに、市場内で火災が発生した際、誰もが初期消火を容易に行うことができる、簡易水道消火装置を2個設置しています。

 また、火災発生時にすぐに火を消すことができるよう、市場の通路に10個の水バケツを常に置いています。小さなバケツなので、女性や子どもでも持つことができます。大きな火災にならないようにするためにとても大切なことです。さらに、市場内の柱に懐中電灯を約20個設置し、火災で停電になった時に誰でも使えるようにしています。筑豊市場は木造の店舗が密集しているので、1カ所で火災が起きると全てが燃えてしまいます。だからこそ、一人一人の意識と協力が必要です。

 これに加えて、市が進めている「119番自動火災通報システム」(木造市場などが対象、設置工事費は市が負担)も設置する予定で、さらなる防火体制の強化に努めていきます」

火災予防に最も大切なこと

 「いざという時に力を発揮するには、普段から地域のコミュニケーションが取れていることが重要です。筑豊市場では、あいさつ活動のほか、祇園祭での豚汁やぜんざいの振る舞い、月1回のビンゴゲームなどを行っています。普段からコミュニケ―ションを取り、思ったことを気軽に話し合える場を設けることで、何かあった時に助け合うことができます。市場の一員だからではなく、地域の一員として協力し合います。市場と地域住民で年2回実施している火災訓練も、子ども会の母親や町内会の人など多くの人が参加します。特に女性は消火器の取り扱い方などを学んだ後に、「私にもできた」という喜びや自信と責任感を得ています。普段からみんなが火災予防を意識しているため、筑豊市場ができて以来82年間、一度も火災になったことはありません」

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 このように、火災予防は地域のみんなで取り組むことがとても大切です。自分や家族など、大切な人の命を守るために一人一人が意識し、できることから始めてみましょう。

特集若い世代から防災意識を持ってほしい

倉成昭宏さん浦濱恵介さん写真

  • くすばし少年消防クラブ(八幡西区)
  • 委員長 倉成昭宏さん(八幡西消防団第11分団長・写真左)
  • 指導者 浦濱恵介さん(八幡西消防団第11分団班長・写真右)

 少年消防クラブは、少年期から防災活動に関する知識を身に付け、地域や家庭での火災予防を図ることを目的に活動しており、本市には三つのクラブがあります。くすばし少年消防クラブは、平成24年12月1日に発足しました。当クラブの現在のクラブ員数は、中学・高校生の13人です。

クラブ員による消火訓練写真
▲クラブ員による消火訓練

 ロープ結索訓練や少年消防クラブ全国交流会への参加といった防災活動をはじめ、地域のカヌー教室の運営を手伝ったり、八幡西消防団第11分団と一緒に「吉祥寺ふじまつり」や「香月黒川ほたるまつり」で防火パトロールを行うなど、地域行事への参加も含め、さまざまな活動を行っています。地域の人たちが「頑張って」と声を掛けてくれたり、人前で活動することで、子どもたちも自信がついています。指導は第11分団の団員が行っていますが、高校生が中学生に指導することもあります。高校を卒業したクラブ員が消防団に入団して、今では指導する側に立っています。

 若い世代から防災意識を高めるため、今後も地域の人と連携して少年消防クラブを盛り上げていきたいです。

【この特集に関するお問い合わせ】 消防局予防課  TEL093・582・3836

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