空 海 陸 物流拠点都市 北九州
 空港、港湾、鉄道、高速道路、多様な交通インフラをもつ北九州市は、西日本有数の物流拠点都市として、世界と地域をつなぐ大きな役割を果たしています。
●北九州空港(大型貨物専用機ボーイング747)

特集 北九州市の物流

 本市は、アジアに近く、本州と九州の結節点に位置する地理的な利点と、空・海・陸の多様な物流手段を組み合わせられる強みを生かして、貨物の取扱量を飛躍的に伸ばし、西日本有数の物流拠点となりました。

 「物流」という言葉には、あまり馴染(なじ)みがないかもしれませんが、インターネットで購入した商品が即日、手元に届く時代、あらゆる物資を運ぶ「物流」は、暮らしに欠かせない重要な社会インフラです。

 昨年から続くコロナ禍でも、本市の物流は休むことなく機能し、市民生活をしっかりと支えてくれています。今回の特集では、暮らしと経済を支え、市に大きな経済効果をもたらす本市の物流について理解を深めていただきたいと思います。

北九州市長 北橋 健治

地図:本市の物流インフラ位置図

 空港、港湾、鉄道、高速道路、さまざまな交通インフラが連携し、スムーズな輸送システムを実現する本市は、「集貨(貨物を集める)」と「創貨(企業の立地により、新たな貨物を創り出す)」をさらに進め、国際競争力のある持続可能な「物流拠点都市」に取り組んでいます。

空九州・西中国の物流拠点空港を目指す
北九州空港飛行機イラスト

ここがすごい! 北九州空港は、九州・西中国で唯一24時間利用可能な海上空港で、仁川(インチョン)国際空港(韓国)を往復する国際貨物定期便が運航しています。令和2年度の国際貨物取扱量は1万3700トン(前年度比約2.5倍)と過去最高を3年連続で更新しています。

■世界43カ国とつながる

 アジア最大級のネットワークをもつ仁川空港を経由して、なんと世界43カ国、120都市に貨物を運んでいます。

■シー&エアの初輸送は人工衛星!

 船舶が接岸できる北九州空港は、船と飛行機を組み合わせたシー&エア輸送が可能です。NASA(アメリカ航空宇宙局)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が共同開発した人工衛星はアメリカから空輸され、ここで船に積み替え、種子島宇宙センターへ海上輸送されました。

虫眼鏡イラスト何を運んでいるの?

商品イラスト

 航空貨物はスピード重視。パソコンやスマートフォンなどの精密製品、肉・魚・野菜・切り花などの生鮮品、マスクや防護服などの医療物資、衣類や嗜好(しこう)品などの季節もの商品などが運ばれています。

ミニコーナー

ボーイング747のスケールがすごい!

 国際貨物定期便(北九州⇔仁川)は、毎週水・木・土曜日の午後に、大型貨物機と呼ばれるボーイング747やボーイング777でやってきます。月に1~2便のチャーター便では、上記画像のようなダイナミックな姿を見ることができます。

橋本歩実さん写真
▲港湾空港局空港企画課
橋本 歩実さん

北九州空港の未来

 北九州空港では、現在、国による滑走路の延長計画(2500m→3000m)が進められています。実現すれば、アメリカやヨーロッパへの貨物直行便の運航が可能となり、将来の「九州・西中国の物流拠点空港」に向けた大きな一歩となります。

北九州空港滑走路延長計画への意見を募集中

 現在、滑走路延長計画への意見を募集中です。詳しくは、九州地方整備局のホームページ(右記を読み取り)で確認できます。募集期間は8月16日まで。

二次元コード

市の担当課 港湾空港局空港企画課 電話093・582・2308

海地域の発展を支える
北九州港船イラスト

ここがすごい! 豊富な航路を持つ「太刀浦(門司)」と大型船の入港が可能な「ひびき(若松)」の東西2つのコンテナターミナル、西日本最大級のフェリー基地「新門司」などの充実した港湾施設を持つ北九州港。年間の貨物取扱量約1億トンは、全国5位、西日本ではトップの実績を持つ港です。

■世界へ34航路150便(月間)が就航

フェリー写真
▲新門司⇔横須賀 今年7月就航

 コンテナターミナルからは、韓国、中国、台湾、東南アジアの国々へ向け、34航路、月間150便もの定期コンテナ船が行き交っています。

■全国7都市を結ぶ、フェリーの大基地

 長距離フェリーの発祥の地「北九州港」。特に「新門司」は東京、大阪、徳島などを結ぶ西日本最大級のフェリー基地で、RORO船(ローローせん)(トレーラーなどを運搬する貨物船)による自動車輸送の拠点にもなっています。一方の「ひびき」もRORO船が沖縄に就航するなど、国内外と接続性の良い航路として知られています。

虫眼鏡イラスト何を運んでいるの?

 「鉄のまち」として発展した本市の港らしく、鉄鉱石や石炭、LNG(液化天然ガス)といった工業用原料の輸入が目立ちますが、家具や雑貨などの取り扱いも年々増えています。輸出では、金属製品や鋼材などが運ばれています。

ガントリークレーン写真

ミニコーナー

北九州港にいる“キリン”の群れ

 コンテナターミナルの岸壁に巨大な“キリン”の群れを発見!?いえいえ、その正体は最大60m超の長いアームで荷物を積み込む「ガントリークレーン」という巨大な荷役機械です。アームを伸ばす様子が「キリンの首」を連想させることから、いつしかそう呼ばれるようになりました。

岡本 真一係長写真
▲港湾空港局物流振興課
岡本 真一係長

北九州港の未来

 北九州港周辺では、自動車関連産業を始めとした企業進出が盛んです。また、響灘地区では風力発電関連産業の総合拠点化も進み、洋上風力に関わる産業の創出など、市の経済活性化につながる明るい話題が満載です。

市の担当課 港湾空港局物流振興課 電話093・321・5941

陸充実の陸のネットワーク
高速自動車道路網トラックイラスト北九州貨物ターミナル駅貨物列車イラスト

ここがすごい! 本市には、本州、東九州、西九州をつなぐ充実した高速自動車道路網と、鉄道貨物の拠点である北九州貨物ターミナル駅があります。物流は、トラックを中心とした陸上輸送が大部分を担っていて、市の産業や市民生活を支えています。

北九州貨物ターミナル駅写真
▲北九州貨物ターミナル駅

■九州-本州間を行き交うすべての貨物列車が停車する駅

 九州の拠点貨物駅である「北九州貨物ターミナル駅」は福岡、熊本、鹿児島方面、そして大分、宮崎方面へと九州全域に貨物を送り出しています。九州・本州のすべての貨物列車が必ず止まる駅で、便数は九州最大です。大型海上コンテナ専用ホームもあり、北九州港と連携したシー&レール輸送も行われています。

柿野光昭係長写真
▲産業経済局物流拠点
推進室 柿野 光昭係長

陸上輸送の未来

 将来的には、トラックの自動運転やドローン配送など、新しい形の陸上輸送の実現が期待されています。今後も本市の潜在力を最大限活用し、物流拠点化を推進します。

市の担当課 産業経済局物流拠点推進室 電話093・582・2296

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