義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病のある人など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人が、周りの人に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくするものです。
特 集 共生のまちづくり
本市では、障害のあるなしに関わらず、お互いを尊重して支え合う「共生のまちづくり」を進めています。
街なかや交通機関など生活のさまざまな場面で、周りからの配慮を必要としている人がいます。みんなで助け合う社会の実現を目指しましょう。
ヘルプマークは"声かけ"の合図
「お手伝いしましょうか?」という声かけに、「お願いします、ありがとう」「いえ大丈夫です、ありがとう」と返す、ヘルプマークが取り持つ自然な会話。そして、そんな会話がごく当たり前に聞こえてくる街の雰囲気。
ヘルプマークは困っている人と手助けする人を結ぶ助け合いのしるしです。「お互いの存在や気持ちを大事にするコミュニケーション」のきっかけにしていきましょう。
困っていることや求めていることは 一人一人違います
山田 貴代加さん
「外見で分からない辛さ」の意思表示として
ヘルプマークをバッグの目立つところに付けています。私はクローン病という難病で、栄養を十分に取り込めないため、疲れやすく、バスや電車では周囲の目を気にしながら優先席に座ることも。また、突然トイレに行きたくなるのも病気の特性で、順番を譲っていただくこともあります。こうしたハンディは外見からは分からないので、いつも勇気を振り絞ってお願いしています。ヘルプマークが広がれば、こうした心の負担も軽減できるのではないかと期待しています。辛そうな人を見かけたらためらわずに声をかけていただければと思います。
織田 健さん
気がかりなのは倒れたときの救命処置
喉頭がんで声帯を摘出し声を失いました。今は電気式人工喉頭器(振動を共鳴させて音に変える装置)のおかげで日常生活に不自由はありません。ただ、気がかりなのは倒れたときの救命処置。喉に開けた穴から呼吸しているため、マウス・ツー・マウスや口への酸素マスクの装着は効果がないことが心配です。そのため、ヘルプマークの裏面には、もし私が倒れた場合に周りの人や救急隊員にお願いしたいことなどを記入し携帯しようと思っています。そのほか、食べ物がうまく飲み込めず食事に時間がかかります。飲食店の皆さんにご理解願えればと思っています。
伊野 和子さん
障害の特性をふまえた一人一人への配慮を
息子に発達障害があり、福祉サービス事業所に通うときはカバンのポケットにヘルプマークを入れています。ヘルプマークに期待することは、援助や手助けというより周りの人に温かい目で見守っていただくことです。発達障害といっても一人一人特性が異なります。息子は、好きなイベントなどでは普通に過ごせますが、日常生活では人混みが苦手で、バスに乗ると普段座っている席に座りたがるなど、周囲の人が戸惑われるような場面も少なくありません。ヘルプマークをきっかけに、発達障害への理解と支援が地域に広がることを願っています。
谷口 正儀さん
周りに自分を理解してもらうチャンス
私には精神障害があり、障害者自立訓練施設で生活しています。普段はスーパーに勤務し、品出しなどを担当しています。プライベートではコンビニも利用しますし、バスで買い物にも行きます。ただ、コミュニケーションが不得手なので、慣れ親しんだ環境以外でも新しい人間関係を上手に築いていけるのか心配しています。知らない人から声をかけられたときに、どう対応していいのか分からずに相手を怒らせてしまったこともあります。ヘルプマークは自分の立場を知ってもらうきっかけとして活用できればと思っています。
本市では、携帯に便利なストラップ型のヘルプマークを希望者に無償で配布しています。対象は、内部障害などを含む身体障害や知的障害、精神障害、発達障害、難病のある人など外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人たちです。申し込みは、市のホームページ(右記読み取り)をご覧いただくか問い合わせを。ネット窓口(電子申請)も可。
この特集に関するお問い合わせ 保健福祉局障害福祉企画課 電話093・582・2453 FAX093・582・2425