北九州市は、むし歯のない小・中学生の割合が政令市で最下位!

![北九州市の小・中学生の2人に1人はむし歯
小学生は5年連続[2015~2019年]、中学生は3年連続[2017~2019年]最下位](special_ph1-2.png)
■20政令市における「むし歯のない」小・中学生の割合(2019年度)
小学生 | 中学生 |
1位 新潟市 |
94.4% |
1位 京都市 |
79.8% |
2位 横浜市 |
89.5% |
2位 新潟市 |
78.9% |
︙ |
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︙ |
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20位 北九州市 |
44.5% |
20位 北九州市 |
55.8% |
出典:指定都市学校保健協議会研究資料をもとに作成
歯が20本以上あれば何でもかんで食べられる!

「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存知ですか?平成元年(1989年)に始まった「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。ちなみに「20本」は、自分の歯で食事が楽しめる目安となる本数。平成29年(2017年)の調査では、「何でもかんで食べることができる人の割合」と「20本以上歯がある人の割合」は、60歳代から大きく減少しています。
※歯を失っても、義歯(入れ歯など)により、ある程度かむ力の回復は可能です。義歯でもきちんとかめている人は健康状態が高いという調査結果もあります。
■「何でもかんで食べることができる」人と歯の保有状況(20歳以上)
- 20~29歳
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 97.6%
- 20本以上歯がある人の割合 100.0%
- 30~39歳
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 97.8%
- 20本以上歯がある人の割合 99.2%
- 40~49歳
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 94.0%
- 20本以上歯がある人の割合 96.1%
- 50~59歳
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 86.7%
- 20本以上歯がある人の割合 90.0%
- 60~69歳
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 76.2%
- 20本以上歯がある人の割合 70.7%
- 70~79歳
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 68.9%
- 20本以上歯がある人の割合 50.6%
- 80歳以上
- 「何でもかんで食べることができる」人の割合 55.1%
- 20本以上歯がある人の割合 29.3%
出典:厚生労働省「平成29年(2017年)国民健康・栄養報告」
「歯と口の健康」は、生涯を通じたケアが大切です
歯と口の健康は、自分と家族で行う「セルフケア」だけでなく、歯科医師や歯科衛生士による「プロケア」が大切です。また、子どもや若い世代は「むし歯予防」、働き盛り以降の世代は「歯周病予防」など、年代に応じた予防が重要となります。
口腔(こうくう)ケアのプロに聞いてきました!
現代の口腔ケアは、むし歯になってから歯医者さんに行く「治療」から、むし歯を防いだり歯周病の進行を抑える「予防」に意識を変える取り組みが進められています。
予防に向けて、どんなところに気をつけたらいいか、経験豊富な歯科医師に聞きました。
乳幼児や子どもは?
むし歯にならない生活習慣は「一生モノ」

板家小児歯科医院
板家隆先生
リンゴとリンゴジュースのうち、虫歯になりやすいのは、ジュースです。糖分が歯に残って酸化し、むし歯菌が活動しやすくなるからです。市の1歳6か月児健診で早くも2%強の子どもにむし歯が確認できますが、保護者がジュース類を与えているケースが目立ちます。また、スポーツドリンクによる中学・高校生の「部活むし歯」も増えています。
保護者の皆さんにお願いしたいのは、お子さんにむし歯になりにくい生活習慣を身に付けさせることです。朝晩の歯磨きに加え、だらだら食べたり飲んだりしない、フッ化物入りの歯磨き剤を使うなど、むし歯の原因を遠ざけながら強い歯をつくることが肝心です。早いうちに身に付けた生活習慣が、生涯にわたって歯を守ってくれます。

大人は?
歯周病ケアは20代のうちから!

ふるいち歯科クリニック
古市卓也先生
成人が歯を失う原因の多くが歯周病であり、気づいてからでは遅いのが歯周病対策。あるシニア層向けの雑誌の「人生で強く後悔していることは?」という読者アンケートでは、「若い時から歯をケアしておけば...」が1位だったとか。歯周病の影響が顕著になるのは40歳前後からですが、ぜひ20代、30代のうちに歯医者さんに通い、頼りになる歯科衛生士さんを見つけてください。そして40代以降は信頼できる「かかりつけ歯科医」のもとで、3カ月~半年に一度のペースで定期健診を。また、年齢を重ねても、歯と口の健康を保つことで、かむ力や飲み込む力、口のうるおいを維持し、フレイル(虚弱)にもつながる「オーラルフレイル(お口の機能低下)」や誤嚥(ごえん)性肺炎を予防しましょう。まずは、ワンコイン(500円)でできる「歯周病検診(下記(4)参照)」の受診を!

歯科健(検)診に行きましょう

市では、生涯を通じて「自分の歯」を守るためのサポートを行っています。
(1)1歳6か月・3歳児歯科健診 無料
- 対象
- 満1歳6か月から満2歳になる前日までの幼児と満3歳から満4歳になる前日までの幼児。母子健康手帳が必要。希望者はフッ化物塗布(※)もできます。
※フッ化物塗布…歯の表面に直接フッ化物を塗ることで、むし歯を予防する方法。
(2)親子歯科健診
- 対象
- 1歳6か月児歯科健診を受けた子の保護者。母子健康手帳が必要。
- 料金、費用
- 400円(生活保護受給者は無料)。
(3)妊産婦歯科健診 無料
- 対象
- 妊娠中~産後1年以内の妊産婦。妊婦健診手帳が必要。
(4)歯周病検診
- 対象
- 40・50・60・70歳。市から郵送される受診券(はがき)が必要。
- 料金、費用
- 500円(70歳と生活保護受給者や市民税非課税世帯の人は無料)。
(1)~(4)の共通の内容
市内の登録歯科医療機関で。
- 問い合わせ
- 保健福祉局健康推進課 電話093-582-2018へ。
小・中学校での取り組みについて
小・中学校では、毎年、全学年の児童生徒を対象に、歯科検診を行うほか、小学校では、小学2・3年生の希望者を対象に、年2回、各学校でフッ化物塗布を行うなど、むし歯予防に取り組んでいます。
また、現在、教育委員会では、歯科医師会や学校関係者からなる「学校における歯と口の健康づくり懇話会」を立ち上げ、児童生徒の歯と口の健康づくりに関する取り組みについて検討を進めています。
- 問い合わせ
- 教育委員会学校保健課 電話093-582-2381へ。