北九州市政だより

NO.1406

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令和4年3月15日号 特集

特集
ゼロカーボンシティ

止めよう温暖化。目指そう脱炭素社会。

 人間の活動から排出される「温室効果ガス(※)」の増加により、地球温暖化が進んでいます。温暖化は気温や海水温の上昇、洪水や干ばつの発生、動植物の生態系の変化などをもたらし、私たちの暮らしや自然に深刻な影響を及ぼしています。

 さらなる温暖化を防ぐため、温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す「脱炭素社会」の実現に向けた取り組みが、地球規模で進められています。このような世界の動きに歩調を合わせ、本市は2020年10月、「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。温暖化を防ぐ取り組みはSDGs(持続可能な開発目標)の推進にもつながります。

 地球環境と北九州市の未来のため、市民一人一人が今、できることを考えてみませんか。

※温室効果ガス…大気中に含まれる二酸化炭素やメタン、フロンガスなどのガスの総称。全体の約75%が二酸化炭素。


写真提供:埼玉県地球温暖化防止活動推進員 松岡壽賀子

海氷の減少によりすみかを奪われたアゴヒゲアザラシ
©Tomo Akiyama

環境ストレスにより白化したサンゴ
©Kyoko KAWASAKA

極端な高温で発生したリンゴの日焼け
写真提供:農研機構 果樹研究所 杉浦俊彦

引用元:全国地球温暖化防止活動推進センターホームページ

温暖化を防ぐために

 温暖化被害を最小限に抑えるためには、工業化による大気汚染がなかった産業革命(1850〜1900年頃)前に比べて世界の平均気温の上昇を1.5℃までに抑える必要があります。そのためには2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現が求められています。これは2016年、途上国を含む全ての国が参加した「パリ協定」で定められた世界共通の目標です。

ゼロカーボンシティに関する
市の方向性

これまでの脱炭素な取り組み

 本市は、これまで持続可能なまちづくりや再生可能エネルギーの導入などを進めてきました。また、脱炭素な生活に向けた身近な取り組みとして、適切な室温管理を行い、エコで快適な仕事環境を整える「クールビズ・ウォームビズ」や、エコ活動によりポイントを貯めることでエコグッズに交換できる「ていたんポイント」などを推進してきました。2008年に始まった「環境首都100万本植樹プロジェクト」では、約74万本(2021年4月時点)の植樹がされています。

「ゼロカーボンシティ」に向けて

 今後は、2050年の脱炭素社会の実現に向けて、太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの導入促進や水素の供給・利活用、企業支援・人材育成などを行い、産業の競争力の強化と脱炭素化を実現する「環境と経済の好循環」の成功モデル都市を目指していきます。

考えよう。
一人一人にできること

環境について無理なく、身近にできることは何かを考え、実践をしている人がいます。

「環境家計簿」に、わが家のエコライフを記録

久永恵美子さん写真
若松秋桜会
久永恵美子さん

 温暖化を防ぐための取り組みをしたい気持ちはあるけど、何から始めたらいいかわからない...そんな方におすすめしたいのが、「環境家計簿」です。つけ方はとても簡単、カレンダー形式になっている「ふくおかエコライフ応援book(福岡県環境家計簿)」に、毎月の電気、ガス、水道などの使用量を記録するだけです。1年、2年と続けるうちに、「今年は去年より電気を多く使っている」など、季節や生活状況に応じた数字の動きがわかり、「もっと節約しよう」という気持ちが自然と培われます。このように、環境家計簿はどなたでも、今日からでも手軽に始められる身近なエコ活動です。よりよい環境を将来の世代に引き継ぐためにも、一人でも多くの方に参加してほしいと願っています。

ふくおかエコライフ応援book

環境局環境学習課(市役所10階)、各区役所総務企画課などで配布しています。


ごみ拾いを通じて、環境を大事に思うように

グリーンバード北九州チーム 園田彩乃さん(左) 弓削美里さん(右)

 私たちは、ごみ拾いを通じて街をきれいにするプロジェクトに参加しています。プロジェクトの活動コンセプトは“きれいな街は人の心もきれいにする”です。週2回約1時間、幅広い世代の参加者の皆さんと会話しながらごみを拾います。参加者の中には「楽しかった!次は友達連れてくるよ」と話す人も。活動の様子を見て、「ありがとう」と笑顔で声をかけてくれる市民の方もいらっしゃいます。以前は「自分一人が何をやっても変わらない」という思いがありましたが、活動を通じて「たとえ一人でも、少しの行動でも、見ていてくれる人がいる。一緒にやってくれる人もいる」ことを実感。環境を大事にする輪が広がり、環境活動をする仲間が増えると嬉しいですね。

今日から始めよう。脱炭素な暮らし

 「脱炭素」とは、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出量をゼロにすることです。
 日常生活の何気ない行動も「脱炭素」につながり、SDGs(持続可能な開発目標)の推進にも貢献します。

宅配便の再配達をなくす

宅配便イラスト

 宅配便はネット通販の増加に伴って年々拡大し、再配達も増える一方です。不在時に玄関前に置いてもらう「置き配」や「宅配ボックス」、スーパーに設置されたボックスやコンビニエンスストアなど、外出先で受け取るサービスなどを活用することで再配達の回数を削減できます。

【効果】再配達に伴うCO2排出量の総量は約42万トン、実に東京ドーム170杯分に相当します。再配達を減らせば、トラックの移動距離が短くなり、CO2排出量の削減が期待できるのはもちろんのこと、多忙なドライバーの皆さんの労働環境改善にもつながります。

ゴミの分別を徹底する

ゴミの分別イラスト

 家庭ごみは週2回、資源ごみは毎週水曜日...と、日ごろから行っているごみの分別ルールを再確認し、「生ごみとプラスチック容器を一緒に捨てないようにする」など、確かな分別の徹底を心がけましょう。

【効果】「3R(リデュース(ごみの発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用))」は、エコライフの基本中の基本。分別を徹底することでCO2排出量の削減につながります。回収された資源ゴミから、リサイクル製品を作り出すこともできます。

公共交通機関を積極的に利用する

公共交通機関イラスト

 家庭からのCO2排出量のうち、自動車の排出が約4分の1を占めます。通勤・通学や外出の際、なるべく公共交通機関の利用を心がけるほか、エコドライブの実施、カーシェアリングの利用も検討しましょう。

【効果】車の燃料消費量の4割を発進時が占めます。発進時の「ふんわりアクセル」などエコドライブによって消費量を抑え、燃料代も削減できます。また近い距離はできるだけ徒歩や自転車で。健康的な生活にもつながります。

シェアサイクル「ミクチャリ」のご利用を

ミクチャリ写真

 「ミクチャリ」は、環境に優しい電動アシスト付き自転車です。小倉都心部にある専用駐輪場(ステーション)で24時間いつでも借りることができ、どのステーションにでも返却できます。利用には、アプリのダウンロードと会員登録が必要です。

料金、費用
15分70円(最大12時間1000円)
問い合わせ
建設局道路維持課 電話093-582-2274

ゼロカーボンにみんなで取り組むプロジェクト
「KitaQ Zero Carbon」

植物写真

 「KitaQ Zero Carbon」とは、本市が市民・企業の皆さんと共に、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティの実現を目指すプロジェクトです。

 イベント情報を中心に、脱炭素アクションの実践につながる情報をWebサイトやSNS(登録された利用者同士が交流できるインターネット上の会員制サービス)で発信しています。

 まずは、「Webサイトを見てみる」ことから、あなたの脱炭素アクションを始めてみませんか。

この特集に関するお問い合わせ
環境局グリーン成長推進課 電話093-582-2286

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