北九州市政だより

NO.1434

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令和5年5月15日号 特集

特集
新しい生活で悩んでいませんか?

「発達障害」による特性・特徴と上手に付き合うために

 新学期・新生活を迎えるこの季節。生活環境が変わることで、さまざまな問題や困難に直面したり、養育者が育児の悩みを抱えたりすることがあります。もしかすると、それは発達障害によるものかもしれません。早い時期からの周囲の理解と、能力を伸ばすための必要な支援や環境の調整が大切です。

発達障害とは?

 発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。子どもにも大人にもこれらの特徴を持つ人がいます。自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群など)や注意欠如・多動性障害(ADHD)などが含まれます。

困っていませんか?
発達障害には次のような特性・特徴がある人もいます。

~発達障害は障害の困難さが注目されがちですが、優れた能力が発揮される場合もあります~

自閉症スペクトラム障害 Aさんの例

 急に予定が変わったり、知らない場所に行ったりすると不安になり動けなくなることがあります。周りの人が促すと余計に不安になり突然大きな声を出してしまうことがあります。でも、よく知っている場所では一生懸命に活動に取り組むことができます。

注意欠如・多動性障害(ADHD) Bさんの例

 大事な仕事の予定を忘れたり、大切な書類を置き忘れたりすることがよくあります。周りの人にあきれられ、「何回言っても忘れてしまう人」と言われてしまいます。でも、気配りすることが得意で、困っている人がいれば誰よりも早く気づいて手助けすることができます。

 市では、発達障害者支援センター「つばさ」を中心として、就学前の早期支援や就労支援など、その時の状況に応じた切れ目のない支援に取り組んでいます。また、講演会や研修会を開催し、発達障害を多くの人に理解してもらうための活動も行っています。

お困りごと、お悩みがあれば、
まずは発達障害者支援センター「つばさ」に相談を


▲小倉総合特別支援学校の
2階にあります

▲落ち着いて相談できます

相談支援

  • 「人とよくトラブルを起こしてしまう」「集団活動になじめない」などの日常生活の相談に乗り、助言や関係機関の紹介、情報提供などを行います。
  • 家庭・保育園・幼稚園・学校・施設・勤め先などへ訪問し、本人の様子を伺いながら、周りの人と支援方法などについて一緒に考えます。

就労支援

  • 職場での悩みや就職に関する相談を受けて、福岡障害者職業センター北九州支所や北九州障害者しごとサポートセンターなどの関係機関と連携を取りながら支援を行います。

他にもこんな支援を行っています

講演会・研修会などを開催します

 発達障害に関する正しい理解や支援の方法を広めるために、支援者や市民を対象にした講演会や研修会などの企画運営や講師の派遣を行います。

ペアレント・メンターを派遣します

 「子どもが発達障害かもしれないが、どうすればよいか分からない」「自分の気持ちを誰かに共感してほしい」などの発達障害に関する保護者の不安や悩みを聞き、情報提供などを行います。

ペアレント・メンターってどんな人?

発達障害のある子どもを育ててきた先輩保護者で、さまざまな子育ての悩みを抱える親の話を聞いたり、情報提供などを行う人のことをペアレント・メンターと呼びます。

申し込み方法など、詳しくは発達障害者支援センター「つばさ」までお問い合わせください。

支援者の声

支援を、相談者やご家族に寄り添いながら行っていきます。

 当センターでは、発達障害と診断された人はもちろん、病院を受診していない人も含めて、年齢を問わず、広く相談を受けています。相談内容は「どんな病院にかかればいいか」「進路や将来の生活が心配」などのほか、ご家族や学校、職場からの相談もあります。相談の際は、生活状況などを聞き取りながら問題点を整理し、相談者と一緒に対応策を考えていきます。発達障害は一人一人症状や状況が違うため、相談を重ねて心の負担軽減を目指す場合や、医療機関や行政機関との連携を進める場合など、支援の形もさまざまです。学校や職場でうまくいかないと悩むご本人や子育てに不安を抱えている親御さんなど、ぜひ私たちにご相談ください。ご本人やご家族の思いに寄り添いながら、少しでも前に進めるよう、一緒に考えていきます。


発達障害者支援センター「つばさ」
センター長 金光律子さん(右)
相談員 山本亜由美さん(左)

発達障害と診断された当事者の声

無理して周囲に合わせようとせず、自分らしさを大切に。

 私は、職場での雑談や飲み会といった、仕事と直接関係のないコミュニケーションが苦手で、人間関係に難しさを感じてきました。また、一度集中すると休憩を取らずに仕事を続けてしまうところがあり、過労で倒れたことがありました。その際に心療内科を受診したところ「アスペルガー症候群」と診断されました。以降、何気ない会話にストレスを感じたり、過去のつらい記憶がよみがえったりした時には、支援センターに相談しています。相談員と話すうちに頭の中が整理され、それほど深刻に悩まなくていいのかなと、気持ちを無理なく切り替えられるようになりました。発達障害の人の中には、無理して周囲に考えを合わせようとしている人がいるかもしれませんが、自分の長所を伸ばし、自分らしく過ごすことが大切だと考えています。

Kさん(30代女性)

北九州市発達障害者支援センター「つばさ」

電話FAX093-922-5523
メールアドレス:kitakyu.tsubasa@kitaq-src.jp
小倉南区春ケ丘10-2 小倉総合特別支援学校2階

【相談受付時間】8時30分~17時 【休館日】土・日曜日、祝・休日、年末年始
相談は電話や来所のほか、メールとFAX、郵便でも受け付けています。

  • 来所での相談は事前に電話での予約が必要です。
  • メール・FAX・郵便での相談は、返信に数日かかることがあります。
この特集に関するお問い合わせ
保健福祉局精神保健・地域移行推進課 電話093-582-2439

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