本市に生まれ、「砂の器」「日本の黒い霧」などの作品で知られる芥川賞作家・松本清張。1998年(平成10年)、彼の功績を称え語り継ぐために、松本清張記念館は開館しました。館内では、作品の紹介をはじめ、膨大な蔵書や原稿、書斎や応接室を忠実に再現した展示などを鑑賞することができます。緑に囲まれた静かな館内で、ゆっくりと松本清張の魅力に触れてみませんか。

松本清張は、1909年(明治42年)、現在の小倉北区で出生。19歳の時に印刷所に見習いとして就職、その後、朝日新聞九州支社で広告の版下を作る仕事をしていました。作家としての活動は42歳からという遅いスタートでしたが、44歳の時「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。49歳の時には「点と線」や「眼の壁」などがベストセラーとなり、社会派推理小説ブームを起こしました。その後も、82歳で亡くなるまでにフィクション、ノンフィクション、現代史、古代史など、多様な分野で創作活動を行い、これらの作品は今も多くの読者に愛され続けています。
松本清張記念館 電話093-582-2761
小倉北区城内2-3 []
- 開所時間
- 9時30分〜18時(入館は17時30分まで)
- 休所日
- 月曜日(祝・休日のときは開館し翌日が休館)、12月29日〜1月3日、館内整理日
- 料金、費用
- 一般600円、中学・高校生360円、小学生240円 ※中学生以下は来年3月31日まで常設展示の入館料が無料です。
市長からのメッセージ
松本清張記念館は今年で開館25周年を迎えます。
松本清張が芥川賞を受賞し、44歳で上京するまでの小倉時代は、その後の偉業の基礎がつくられた時期でした。経済的事情により、高等小学校卒業後の15歳から働き始め、多くの苦労を経験しています。ところが、ポジティブな清張は逆境やコンプレックスをバネにし、持ち前の旺盛な好奇心・探求心や驚異的な挑戦意欲、天才的な努力により、82歳で亡くなるまで1000編を超える作品を書き続けました。
私も青春時代に読んだ「或る『小倉日記』伝」などの作品にさまざまな学びを得てきました。
記念館では、松本清張の多彩な作品世界に触れることができます。生涯現役の作家として駆けつづけた清張の生きざまを感じとっていただけたら幸いです。
北九州市長 武内 和久