北九州市政だより

NO.1489

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令和7年9月1日号 特集

特集
多文化共生
〜共に安心して暮らせるまちへ〜

お互いに地域の一員として 若松区二島校区 X KICC(北九州イスラム文化交流センター) 留学生の多い若松区に開設したKICC KICC代表・ムハマド・スブハンさん インドリヤニ・ラフマンさんご夫妻(インドネシア出身) 第36区 防犯部長 慶田勉さん
月1回の防犯パトロールをしながら、お互いの情報交換も
KICCに集まった、市内のイスラム教徒の皆さん
市民センターで行われた交流イベント

きっかけは地域の防犯パトロールから

慶田さんの画像

慶田さん 2年前、私たちの校区に「イスラム文化交流センター」ができました。イスラム教を信仰する人たちがたくさん集まるということで、地域の皆さんも最初は不安があったようですが、挨拶をするとみんないつも笑顔で礼儀正しい。何か交流の手だてがないかと思い、私が担当する防犯パトロールを「一緒にやりませんか?」と誘いました。

ムハマドさんの画像

ムハマドさん すぐに「やります!」と返事をしました。近隣の方々と交流しながらイスラム文化について少しでも理解してもらえたら、と思っていたので本当にうれしかったです。

インドリヤニさんの画像

インドリヤニさん それからは私たちも市民センターなどに近所の皆さんを呼んでイベントをするようになりました。インドネシアの民族衣装を着てもらったり、楽器の演奏をしたりと、互いの文化を理解し合う良い機会になっています。

慶田さん 「言葉が通じない」という問題は確かにありますが、親密な付き合いが続いていくと心は伝わるものですね。お互いが地域の構成員として「役に立ちたい」という思いが一番大事だと思います。

外国人と
接する際は・・・
「やさしい日本語」を心がけましょう

 「やさしい日本語」とは、簡単な言い方に言い換えたり読みやすい表記に変えたりと、相手に伝わりやすくなるように配慮した日本語のことです。

そうした心遣いも、優しい気持ちや伝えたいという思いとなって相手に心地よく伝わります
Point(1) 簡単な言葉で言う
  • 方言は使わない
    例)「これ、知っとお?」▶︎「これ、知っていますか?」
  • 分かりやすい言葉を使う
    例)「今朝」▶︎「今日の朝」
  • 外来語やカタカナ語はできるだけ使わない
Point(2) ハッキリ言う
会話をしているイラスト
  • 二重否定は使わない
    例)「分からなくはないです」▶︎「分かります」
  • あいまいな表現をしない
    例)「それは結構です」▶︎「それは要りません」
Point(3) 短く言う
男性のイラスト
  • 一文に一つの内容で伝える
    例)「この道をまっすぐ行くと、郵便局が見えてくるので、その先を右に曲がります」▶︎「この道をまっすぐ行きます。郵便局があります。郵便局を右に曲がります」

北九州市の国籍別外国人市民

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合計1万6930人 100カ国・地域

  • 韓国・朝鮮 4432人(26.2%)
  • ベトナム 3144人(18.6%)
  • 中国 3038人(17.9%)
  • ネパール 2009人(11.9%)
  • インドネシア 1139人(6.7%)
  • フィリピン 870人(5.1%)
  • ミャンマー 652人(3.9%)
  • その他 1646人(9.7%)
表右側

令和7年3月末時点

市長からのメッセージ

 私たちのまちには、さまざまな国や地域の出身の方々が共に暮らし、働き、学んでいます。その中で言葉や習慣の違いに戸惑うこともありますが、それは新たな視点や学びにつながる大切な機会でもあります。
北九州市長の画像  多様な方々とつながりながら暮らすことは、このまちに変化を受け入れるしなやかさと前に進む力を育んでくれるはずです。北九州市は、多様性を力に変え、世界と共に歩む「グローバル挑戦都市」を目指しています。同じ地域に暮らす仲間として、互いに理解し合い、支え合えるまちを、これからも一緒につくっていきましょう。
 北九州市なら、必ず、できる!

北九州市長 武内 和久

北九州市で「頑張る人」を紹介します

外国人代表

介護福祉士 テッ テッ ウィンさん(ミャンマー出身)

ウィンさんの画像

 ミャンマーにいる時から祖父母の世話をしていたので、日本での仕事も介護を選びました。今は日本に来て6年目です。最初は介護の学校に行きながら働き、日本語も勉強しました。介護福祉士の資格を取ってからは正社員になり、入浴や排せつ介助などの業務を担当しています。
 日本語は難しいですね。言いたいことをうまく伝えられない時もあります。時々施設の利用者さんから教えてもらうこともあって、皆さんとても優しいです。
 休みの日はボランティアで同業の実習生たちに日本語を教えたり、ホットヨガや得意の料理でリフレッシュしたりしています。

介護中の様子

ウィンさんの特技は料理!!

料理の画像

先輩から見たウィンさんは?


看護課長
紺谷和代さん

 仕事に真面目に取り組んでいて、みんなから信頼されています。言葉が分からないときはすぐに確認をしてくれるので、こちらも状況がよく見えます。紺谷さんとウィンさんの画像今では新しい外国人スタッフに通訳してくれたりと、スタッフ間のつなぎ役にもなってくれているんですよ。

〈取材協力〉介護老人保健施設 伸寿苑

支援者代表

北九州ベトナム人協会 事務長 松下真和さん

松下さんの画像

 JICAの海外協力隊(薬剤師隊員)での経験を生かして、長年ベトナムの子どもたちの教育支援を行ってきました。5年前のベトナム中部洪水の際、日本在住のベトナム人を支援するコミュニティをつくろうという動きがあり、それに賛同して「北九州ベトナム人協会」の設立に携わりました。
 現在スタッフは12名(ベトナム人9名、日本人3名)。ほとんどが社会人で普段はそれぞれ仕事をしています。協会では、ベトナム人同士の交流だけでなく、市民の皆さんにベトナムの文化・価値観を肌で感じてもらうためのイベントや情報発信も行っています。
 ベトナム人に限らず、多くの外国人市民の皆さんは、日本が好きで日本を選び、一生懸命働いて、私たちを陰で支えてくれています。今後も両国間の架け橋として、お互いが住みやすいまちづくりに貢献したいです。


▲市内で開かれたベトナムのお祭りイベント「お月見祭り」

外国人市民の皆さんに向けた北九州市の取り組み

◆生活オリエンテーション◆

 北九州市での生活に早く慣れ、充実した毎日を過ごしてもらうため、ごみの出し方や災害への備え、税金、相談窓口など、さまざまな情報提供やアドバイスを行っています。

生活オリエンテーションの様子

問い合わせ
北九州国際交流協会 電話093-643-5931へ。

◆ごみの分別大事典・チラシ◆

 英語版や中国語版、ベトナム語版などで発行しています。


▲ベトナム語版チラシ(おもて)

問い合わせ
環境局業務課 電話093-582-2180

◆災害時の支援◆

 外国人市民が災害時に適切に行動できるよう、コールセンターの運営や防災ハンドブックの作成を行っています。

24h

22言語に対応

災害対応多言語コールセンター
フリーダイヤル0120-803-864

災害時(避難所開設〜閉鎖まで)の24時間対応

北九州国際交流協会をご利用ください

 言語・文化・習慣など、外国人市民の皆さんがさまざまな壁を乗り越えるためのサポートを行います。

八幡西区黒崎3丁目15-3コムシティ3階[] 電話093-643-5931

開所時間
9〜17時30分
休所日
日曜日、祝・休日、年末年始

◆相談窓口(ワンストップインフォメーションセンター)◆

一人一人の悩みや不安に寄り添います


▲(左から)中国語、ベトナム語、英語の相談員

黒崎 北九州国際交流協会内[] 電話080-6445-2606

開所時間
9時30分〜16時
休所日
土・日曜日、祝・休日、年末年始

小倉 小倉北区役所2階[] 電話080-5278-8404

開所時間
9時30分〜12時、13〜16時
休所日
土・日曜日、祝・休日、年末年始

◆日本語教室◆

 入門期のオンライン日本語教室を実施しています。

オンライン日本語教室の様子

受講生募集中!

日本語ボランティア入門講座

 外国人住民の日本語学習をサポートするための基礎知識を学びます。期間は11〜12月。日程や申し込み方法など詳細は同協会 電話093-643-5931へ問い合わせを。

この特集に関するお問い合わせ
政策局国際政策課 電話093-582-2146

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