福岡県嘉穂郡穂波村(現飯塚市)出身の野見山暁治は、2020年に100歳を迎えました。1952年、絵画研究のため渡仏し、同地に12年滞在する間、1956年にサロン・ドートンヌ会員となり、1958年、「岩上の人」で第2回安井賞を受賞するなど、一躍、注目の新進画家となりました。帰国後は、東京藝術大学で後進の指導や、戦没画学生の作品保存に尽力しながら、現在まで旺盛な創作活動を続けています。
当館にとって野見山は、1983年に野見山の初めての回顧展を開催するなど、縁の深い作家です。百寿を記念して開催する本特集では、当時の出品作も含め、1950年代から2000年代の油彩、さらに90年代の水墨画シリーズを展示し、長きにわたる野見山の画業を、作家所蔵の作品に当館のコレクションを交えて振り返ります。また、福岡県出身の画家北野万平の「野見山暁治像」を中心に、田淵安一、今西中通、高田博厚、駒井哲郎ら、野見山と交流があった美術家たちの作品も併せて紹介します。