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第36回議事要旨(平成28年4月19日)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000137200

1 日時

平成28年4月19日(火曜日)13時30分-16時00分

2 場所

北九州市役所5階 特別会議室A

3 出席者

委員
 上田委員、大石委員、岡田委員、門上委員、河野委員、川本委員、楠田会長、
 薛委員、竹松委員、野上委員、森本委員、山田委員、弓削委員

事業者
 NEDO次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究:エコ・パワー株式会社
 廃棄物焼却施設の更新/廃棄物発電施設の建設事業:アサヒプリテック株式会社

事務局
 環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他2名) 

4 議題

(1)「NEDO次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究環境影響評価準備書」の審査
(2)「廃棄物焼却施設の更新 廃棄物発電施設の建設事業環境影響評価方法書」の審査

5 議事要旨

(1)「NEDO次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」準備書の審査

楠田会長
 それでは、審議に移らせていただきます。どうぞ、皆さん、ご意見、ご質問がございましたら頂戴いたします。

上田委員
 底生動物についてご質問したいと思います。現地調査の中ではナメクジウオが見つからなかったということですね。

事業者
 はい、そうです。

上田委員
 準備書8-95ページの中のN1という地点が、データの中では工事区域となっていて、50%近いナメクジウオの出現が見られています。準備書のコメントの中にも、ナメクジウオがいるのは大体砂浜で流れが速い所だろうとなっています。
 準備書8-105ページに底生生物に関する調査位置の記載があり、ここのCの地点がN1に重なるような地点ですね。

事業者
 はい、そうです。Cの地点です。

上田委員
 そこではナメクジウオは見つからなかったとなっています。Cの地点のデータを見ると、どちらかというと砂底ではなくて、大体泥の中に住んでいるような底生動物ばかり出ています。それで、見つからなかったとなっているのですけれども、これはどういうふうに解釈されて、そのようになったのですか。時期が違うのか、地点が違っていますか。
 つまり、周辺に同じような地域が広がっているから問題ないのではないかと言うけれども、少し地点が違うだけで、砂底か泥底か、ナメクジウオがいるかいないか、重要なところかそうでないかというような違いが出てきていると思うのです。そこら辺をどのように捉えるかですけれども、影響がないと捉えるのか。
 やはり工事をするときには、ナメクジウオを中心に考えたり、気を遣うのでしたら、砂底はなるべく避けて工事をするとか、何か方針を考えてほしいのです。

事業者
 今回、ケーブルルートに一番近いということでCの測点を計測いたしましたところ、ナメクジウオが見つからなかったのですが、確かに先生のおっしゃるとおり、泥質について若干の違いがあろうかと思っております。それで、底質というのは少し場所を変えるだけで、スミスマッキンタイヤーを降ろした時にも違ってきますので、その辺の違いがあろうかと考えていまして、今回はたまたま入ってこなかったのかもしれないということが想定されると考えています。
 ですので、この辺は事後調査のところで、検討はしていきたいと考えております。

上田委員
 事後調査もそうなのですけれども、工事中についても周りにそういう所があるから大丈夫という考え方ではなくて、やはり細心の注意を払って、影響がないようにしていくというスタンスでやってもらいたいと思います。

事業者
 承知いたしました。事後調査といいますと、工事中のことでございました。

楠田会長
 次のご発言を頂戴いたします。山田委員、どうぞお願いします。

山田委員
 準備書8-160ページ、魚類について質問させていただきます。魚類の蝟集効果についてご説明を頂きました。8-160ページは、先行事例である長崎県の事例が写真付きで示されております。ここで蝟集効果が確認されているのは、浮体部やチェーン部で底ではありません。つまり、海底ではないということですけれども、しかし、事前調査として行う調査法を拝見しますと、7-24ページの【2.調査の基本的な手法の(1)の「b.魚等の遊泳動物」】で、底曳き網で採集するようになっております。底曳き網でしたら底魚しかサンプリングされません。そうすると、長崎県の先行事例では蝟集効果があったというのが浮き魚だったのですけれど、サンプリング方法として底曳き網を使用された理由が何かあるのでしょうか。
 それと、これは事前調査です。事後調査も同じ方法でしないといけないのですけれども、もし底曳き網で底を対象にしてサンプリングされたのでしたら、事後調査もこの方法でなさるのかをお伺いしたいと思います。

事業者
 まず、長崎県の浮体式の事例ですが、これは事前に特に現地調査を行っていたわけではないようです。浮体及びチェーンをつけた場合に、魚がこのように蝟集してきたということを、ROVの水中カメラと潜水の目視観察によって観察しています。
 今回、魚で底曳き網を用いましたのは、浮体式で50m以上の所に設置しておりますので、特に表層から中間層においての魚への影響はないものと考えておりまして、そういった意味で、それでも今回影響が考えられるのは係留設備の部分であろうということから、底魚類を対象にいたしました。
 今後、蝟集効果につきまして、事前の魚の様子がないと、このような事後が分からないということにつきましては、今回、ROVのような水中カメラを用いまして、表層から底層まで、事前を確認しておくことも検討したいとは思いますが、事後において表層から底層の係留チェーンの部分までを確認いたしますので、蝟集効果がどういった形で表れているのかというのが見られると考えております。

山田委員
 ありがとうございました。ただ、この施設によって蝟集効果が確認できるのは、浮体部、主に係留部ではなくて、やはりチェーン部のほうがあるように思われます。それを確認すると書かれています。
 それと、魚が蝟集しているのをミサゴが狙ってやってくるという予測ですけれど、ミサゴというのは底魚を狙ってやってくるのでしょうか。

事業者
 表層の魚です。

山田委員
 表層の魚ですね。だから、もしミサゴに対してそういう蝟集効果を想定に入れておられるのでしたら、この調査方法というのは適当ではないように思います。

事業者
 ミサゴの蝟集に対する動きというものは、生態系の中で考えていまして、7-29ページに調査項目の生態系という中で、表層に集まってくる魚類を観察するとともに、同時にその時に、ミサゴを中心に鳥類も観察しようと考えて検討しております。

山田委員
 その時には、どういった方法で確認されるのでしょうか。

事業者
 魚は、遠隔装置の水中ビデオカメラによって確認いたします。その時に、同時に洋上定点調査に、風車の周辺の鳥類の飛翔状況を確認するということで検討しております。

山田委員
 分かりました。ただ、環境影響評価ですけれども、影響があまりないということばかりではなくて、この浮体設備を設置するからには、環境にとってもしプラス効果があるのだったら、それを測定する、評価するような調査方法にしていただきたいのです。魚の蝟集効果があったということは、それはプラスの効果だと思います。それを確認するような調査法、ROVでなさるのでしたら、それでいいかと思います。それは事前調査でもなさるのですね。

事業者
 そうですね。準備書段階では事前は入れていなかったのですが、先生のご意見を踏まえまして、事前に海水中の魚の様子の確認を検討したいと思います。

山田委員
 それと、ここでプラスの効果がもしあるのでしたら、ここでは主に釣り漁業がなされていると聞きます。釣り漁業に対する聞き取り調査、浮体設備を設置した前後の釣り漁業に対する、漁獲高がどのように変動したかということも調べられたらいいかと思います。

事業者
 承知しました。釣り漁業について、そのような状況がないかというのをヒアリングで確認したいと思います。

山田委員
 ここは、特にイカとかがよく釣れますので、よろしくお願いいたします。

楠田会長
 どうぞ、河野委員、お願いいたします。

河野委員
 確認ですけれども、生き物がどういう音に応答するか、閾値をプロットした図を付けていただきました。それで、準備書8-147ページの図8.5-25と8-149ページ図8.5-26で、それぞれ動物と魚及び頭足類の代表としてイカのデータがあります。例えばイカのデータでいくと、本当のいわゆるスペクトルのピークというのは50Hzくらいのところに来る、低いところだけ見ているというのは、8-132ページ図8.5-11で線スペクトル群が稼働中と稼働中でないもののところで差が大きいからということですね。ですから、特徴的なところは、ピークが出るところだということですね。

事業者
 はい、そうです。

河野委員
 ですから、そこの範囲内の音を拾っているということですね。そこで、もし、差スペクトルでも出ていれば、もっとクリアに分かったかもしれませんけれども。そこで、基本に戻っての質問ですけれど、図8.5-12から23までに、水中音の拡散予測結果が出ています。これは、この稼働中のものと停止している固定点からの音の差の分だけの格差なのでしょうか。

事業者
 これは、風車そのものの寄与分として、ここに挙げています。

河野委員
 寄与分ということは、稼働で増える分ということですね。ですから、線スペクトル群で上がってくる図8.5-11でいえば、赤いピークに相当する黒と赤の差の部分だけということでいいですか。停止と回転しているときの差の分が風車の寄与分ですか。どの分を寄与分と見るかということです。

事業者
 これは水中音、先ほどの音源音圧から、それがどの程度音圧レベルとして拡散していくかを表現した予測分布図です。

河野委員
 だとすると、図8.5-24で距離が出ています。減衰の分を1とした場合の1は、この赤と黒の差のところ、先ほどの図の停止しているものと稼働中の差の部分を1としているのか、それとも、もともと停止している分でも音が出ている部分も含めて1としているのですか。この左の0mのところの1は、絶対値を見ているのですか。

事業者
 これは、稼働したと仮定しまして、そこを絶対値で1と見ています。

河野委員
 分かりました。そうすると、もともとの音の差というのは、どのように見たらいいのですか。そこを評価する方法というのは何かないのでしょうか。

事業者
 今のところ、8-133ページに、この表がバックグラウンドという実測値を利用いたしまして、それを考慮するとどのくらいの数値音になるかを試算しております。

河野委員
 バックグラウンドというのは、そこに船がいなかったら出ない音なのですか。それとも、船がいることによって出る音なのですか。停止している船に、波なり海流なりの影響があって出る音なのですか。それとも、このもともとのバックグラウンドは、船がいてもいなくても出る音なのですか。

事業者
 船がいてもいなくても水中で出る音で、よくあるのは、浅い海ですとテッポウエビの発砲音とか、そういう生物音がありますが、これを環境音であると考えております。また、大型船舶には近寄れないのですけれども、調査海域を特に大型船舶が航行するものですから、そういったときには、ここには載せていませんが、音圧レベルが大きくなっていると確認しております。

河野委員
 もともと生き物がある程度バックグラウンドの音にさらされているところのプラスアルファの部分なので、もしかしたらその効果というのは思ったほど大きくないのかもしれないという印象だったものですから、少し確認させていただきました。

事業者
 これはかなり安全側をみて、この距離減衰は閾値までの距離を見ておりますので、そこまで影響しないかと考えております。

河野委員
 分かりました。

楠田会長
 野上委員、お願いします。

野上委員
 今のことにも関連して、この水中音と、濁りのところもそうなのですが、値だけ出ていても、予測した値は、なかなか普通の人は数字の意味が理解できないので、今お答えいただいたように、この水中音が、大型船舶が通ったらどれくらい出るだとか、漁船がそこにずっといたらどれくらい出て、それに比べて、風車から来る音はどのくらいのレベルだというのを載せていただければ、非常に分かりやすいかと思います。
 ケーブルを敷設する時の濁りですが、確か垂直方向と長さが1m程度ということだと思います。曽根干潟でも、台風が通ればかき混ぜられて汚染物質も外に出るという話があったと思うのです。あれも例えば、低気圧なり台風がそこを通過したら、最大水深50mですが、手前のほうは20m、10mの所から引き始めるので、どれくらい濁るものなのかも併せて書いていただければ、その程度が理解しやすいかと思うので、それは最後の評価書のときにお願いしたいと思います。
 もう1点、質問です。ケーブルの仕様のところですけれども、今後、もしここに風車が、このNEDOの事業とは別に、どんどん増えていったときに、どれだけケーブルに使えるかということで、準備書2-10ページに表2-5「海底ケーブルの諸元」とあって、そこに容量22kVと書いているので、これは送電の電圧が22 kVで送電するという意味だと思います。一方で、風車自体は出力しか書いていないのですけれども、合計すれば8,000kWなので、これで送電電圧が2万2,000Vだとすると、それで割ると約400アンペアくらい、これに流れる可能性があると思うのです。実際は、この太さ123mmの銅線の場合、電流はどこまで流せるものなのですか。最後の容量というのは、どこまで電流を流すことができるかで決まってくると思うのです。

事業者
 今回のケーブルは、2基の浮体を設置することで選定しています。具体的に今回のケーブルは、現時点では風車をさらに追加してということは計画していませんけれども、幾つまで流せるかは確認をさせていただいて、後日、回答させていただきます。

野上委員
 それを書いていただければ。容量のところに送電電圧だけ書いているので、このあたりも記載してください。少なくとも送電する時の電圧は、この22kVで送電するという理解でよろしいのですか。

事業者
 はい、その計画です。

野上委員
 そういう意味では、送電電圧と、このケーブルはどこまで流せるのかといった事も、諸元なので、そこを書いていただければ。あとは、この周りに例え、10基や20基分、このケーブルに流しても、きちんと送電の容量としてはパンクしないなということはそこから解釈できるので、その辺のところは挙げていただければと思います。

楠田会長
 他にご発言ございませんでしょうか。岡田委員、お願いします。

岡田委員
 設置場所で、準備書8-22ページの船舶数、船舶の経路の図があるのですけれども、結構込み入った場所に設置されているなという印象です。想定した範囲で言えば、もう少し西側のほうが船舶数は少ないのに、この位置に決定された理由があるのか、お聞かせいただきたい。

事業者
 設置海域について、こちらの海域を決める段階で、まずは設置に至るまでにプロジェクトの条件として水深というものが、プロジェクトを提示されている側の条件としてございました。そこから始まりまして、こちらの海域は、例えば今、北九州市の条例で手続きをさせていただいていますが、こちらが福岡県の条例になるか、山口県側の条例にかかるところかどうかという位置的なものも考慮に含まれております。あとは今お話ししていたような工法、漁業者との関係で、「ここは使わないでほしい」ですとか、そういうさまざまな調整を経まして、こちらの海域を選定させていただいております。

岡田委員
 準備書2-2ページを見ると、グリーンの点線で囲まれた想定区域内でも、もう少し西側のほうが船舶数も少ないのではないかという気がしておりまして、いろいろな事故等を考えると、もう少し調整できたらいいのではないかと思って、その辺を聞かせていただきたいと思います。

事業者
 そうですね。AISの航跡図を見ると、確かに緑ですとか水色の部分のほうがより安全だということは明らかなのですけれども、1つに、その辺の場所を候補にして、特に地元の漁協さんに事業のご説明をした際に、その場所ですと、自分たちの漁船が漁をする場所と非常に重複してしまうので、そこにこういった浮体構造物が設置されてしまうと漁に非常に支障が出ると。よって、漁船の航路にぶつからない、もっと東側にずらしてくださいという要望を受けたものですから、この場所にしております。

岡田委員
 漁業者からですか。

事業者
 はい、それが一番の理由です。

楠田会長
 よろしいですか。
 私のほうから、お教えいただきたいのですが、準備書8-11の濁りの拡散計算のところで、真ん中の式のWoの定義をお教えいただけませんでしょうか。

事業者
 これは、国交省の「濁りの手引き」にあります発生原単位表における発生原単位でして、今回、ウォータージェットポンプを利用するのですが、ポンプ浚渫の値をその発生原単位表における原単位から利用しております。

楠田会長
 その発生原単位は粒度分布によって変わりますね。

事業者
 それはこちらで、既存の資料から粒度を仮定しまして、そこの原単位表の計算に持っていくところの値に概算想定して計算いたしました。

楠田会長
 ここでは堆積物の粒度分布のデータが得られているのですよね。

事業者
 はい、既存資料の粒度分布を、ケーブルの量が一番近い所で、そこの粒度分布から粒径加積曲線をつくりまして、それで実施いたしました。

楠田会長
 それで、ここでR75とかRというパーセンテージを使われているのですけれど、限界掃流力からいったときに、粒度分布が分かっているのでしたら、発生原単位の手引書の数値を使わないでも、ダイレクトに計算できることになりませんでしょうか。

事業者
 今回は「濁りの手引き」で使いましたので、検討してみたいと思います。

楠田会長
 粒度分布によって変わるという前提をもし認めてくださるのでしたら、手引書の固定値を使われるというと、論理的に矛盾が生じるような気がするのです。しかも、ここではシルト、粘土分の比率が分かっていますし、限界流速で浮上してくる部分のパーセンテージは10%と明記されていますので、それで粒度分布が分かっていることになると思うのです。

事業者
 今回、この比は粒径加積曲線から求めています。

楠田会長
 現地データで出されているわけですね。

事業者
 はい。

楠田会長
 その現地データがあるのでしたら、その10%部分のところが総量になることになりませんでしょうか。

事業者
 それで検討します。

楠田会長
 結果はあまり変わらないかもしれませんが、論理上としてすっきりしないなと、データがあるのに残念だなという感じが若干しました。
 それから、数式の表示のところは定義を明確にしていただけますでしょうか。準備書8-11の一番上の式でuとuxがあって、uxは一切説明されていないのですよね。それから、大文字のKの定義が書かれていないのですよね。

事業者
 大変失礼いたしました。次の評価書では記載するようにいたします。

楠田会長
 それから前提条件として、これは固定源で出てくるケースの拡散の式になっています。

事業者
 はい、固定源発生ということです。

楠田会長
 ところが、実際のケーブルはそのスポットが1日400m進んでいくわけですね。埋め込んでいくときには移動しているわけですから、発生源が移動することになっているわけですね。その説明がないのです。だから、固定源としての予測計算をやりながら、実際の工事は日進量400m進んでいくという前提に立っていますよね。

事業者
 そうですね。

楠田会長
 だから、施工条件と計算条件との間に矛盾がないように、あるいはそこは簡略化できるという説明文章を加えていただいて、論理的に整合を図っていただけるとありがたいです。

事業者
 はい、承知しました。

楠田会長
 よろしくお願いします。他にご発言ございませんでしょうか。森本委員、お願いします。

森本委員
 鳥類の調査結果でお尋ねです。
 準備書8-25ページの図面を、鳥類がどの区域に一番多いか、年間の分と冬季の分に分けて見させてもらったのですが、この図面と合わせてみますと、どうも男島からの距離だろうと思うのですけれど、2kmとか3-4km、この近所が一番高いような説明を受けて、今後、細かなことで発電施設の位置を決められていくと思うのですが、それぞれ測線ごとの密度、あるいは距離的なもの等比較して、わざわざ高い所はやはり避けるべきでないかと思います。他の条件等もありますので、さらに検討してほしいということです。
 もう1点はお尋ねですが、工事の期間中あるいは工事完了、女島、男島のほうを台船とか何かで使う予定等ありますでしょうか。

事業者
 まず、最初のご説明が少し分かりにくかったかと思うのですが、鳥類は男島、女島の所が非常に多くて、距離を伴って、特にミサゴは少なくなっていくとなっております。

森本委員
 ミサゴの話ではなくて、どの位置が高いかというのを、先ほど出してもらったのですが、その中で実は面積当たりの数で、どうもこの発電施設の所と高い所がオーバーラップするように見受けたのですが、それはまだ細かく今から検討されていくのか。
 もう1点、実は、男島に陸生の、ドブネズミと例えてもいいのですけれど、ドブネズミが上がることによって絶滅する鳥がいます。かつて福岡県でも絶滅させてしまった例があるのですが、例えば台船等で近くに係留して、ドブネズミが侵入してくるということになると、生態系が少し狂ってしまうおそれがありますので、できますならば注意をしてほしいなということです。

事業者
 工事期間中なのですけれども、基地港は北九州港で考えていますので、男島に作業船等を係留する予定はございません。

森本委員
 分かりました。

楠田会長
 他に、ご発言ございますか。
 それでは、これで本件の審査を終了させていただきます。

(2)「廃棄物焼却施設の更新 廃棄物発電施設の建設事業」方法書の審査

楠田会長
 それでは、審議に移らせていただきます。どうぞ、野上委員、お願いします。

野上委員
 方法書の2-10ページ、大気質についてお聞きします。「ばい煙に関する諸元」で、今回の方法書では硫黄酸化物、窒素酸化物の排出量の総量を記載しておりますが、これについて確認したいことがあります。
 硫黄酸化物の濃度が20ppmですが、排出量は既存焼却炉が0.73で、新設炉は1.3まで増えています。方法書2-5ページの表の2.6-1の一番下に使用燃料は、助燃と点火でA重油を使うと書いているので、硫黄酸化物の元の硫黄というのはA重油がメインの要素だと思うのです。今回は、高効率発電設備を付けるということで、そのために、A重油の使用量が約1.7倍か1.8倍くらいまで増えて、それが主な理由で、この硫黄酸化物、ひいては窒素酸化物の排出量も増えているということの理解でよろしいのでしょうか。

事業者
 排出の考え方としてはおっしゃるとおりでございます。ただ、今回の20ppmに関しては、プラントそのものの排出基準、能力に関しての総排出から算出させてもらった最大値として記載させてもらいました。

野上委員
 排出量が増えた理由はA重油の使用量が増えたからでしょうか。

事業者
 A重油の使用量が、直接増えるわけではございません。

野上委員
 A重油の使用量は一緒なのですか。そうすると、例えば年間当たりの硫黄酸化物の排出量は、既存のものに比べて2倍まで増えるわけですが、この比率でそのまま増えるわけではないということなのですか。

事業者
 はい、そうなります。

野上委員
 トータルの量はどうなるのですか。年平均を出すときにトータルの量は増えないけれども、たまたま1時間当たりの最大値が今までは0.73で収まっていたのに、新しい装置にしたら、今度は1.3まで上がることが起こり得るという解釈でいいのですか。

事業者
 はい、そういうことになります。

野上委員
 普通は、最大値を抑えるような運転の仕方をすると思うのですが。

事業者
 操業下においては確かに下げますが、排出量に関しては乾きガス量が増えるケースになっておりますので計算上は増えることになります。通常操業におきましては、抑制運転をしますので、限りなく排出量も控えていきたいと考えております。

野上委員
 硫黄がどこから来ているかということだけ説明してほしいのです。硫黄に関しては、今だと廃棄物のほうは全く同じ組成のものを燃やすと言っているわけですから、そうすると、他に入ってくるところはA重油しかないと思うのですが。

事業者
 廃棄物由来の分も加味して。

野上委員
 今回は燃やすほうが変わるのですか。廃棄物の組成が変わるかもしれないということなのですか。

事業者
 今回、この排出量に関しましては、A重油の量も燃焼物の量も変わらない。何が変わっているかというと、1つは、乾き排ガス量が増えているというのと、もう1つ、酸素濃度が違います。今の炉と新しい炉で酸素濃度が違う。その関係で計算したときに、結果として排出量は増えているということになります。酸素濃度の考え方は、装置メーカーのほうに確認しないと、お答えできないのですけれども、数字上はそういう形で増えているという形になります。

野上委員
 今、説明いただいたことはまだ方法書の段階なので、ここに書かれていませんけれど、これから準備書を作成するときに、そういうことを含めて、しっかり説明していただきたい。普通に見たら数値が増えると、それでいいのですかという話になりますよね。今の最新機器を入れるわけですから、リプレイスだから減るのではないかと。だから、そういうところはしっかり説明していただきたい。例えば、トータル1年間で出ている量はそんなに変わらないのか、やはり、この分に従って全部増えるというのかということは、少し気をつけて準備書のほうでは書いていただければと思うのです。
 それと、これはあくまでも最大値で書いていると思うので、年間を通してこの量がずっと出続けることはないと思うのです。したがいまして、準備書の段階では、まず、最大値で計算すると思うのですけれども、その後、最大限が出ないように努力することを書かれると思うので、例えば、この最大値が出る回数というか頻度は、年間5%以内に収めるような運転に努めるというような感じで、そういう運転をしたときにはどこまで実際は出るのかということは、年平均などを計算するときに関わると思うので、そういうことも付け加えて入れてもらえれば、十分下がっているという形に持っていけると思うのです。その辺りを分かりやすく、しっかり書いていただければと思います。

事業者
 ご教示ありがとうございました。

楠田会長
 それでは、門上委員、お願いします。

門上委員
 脱硫装置が違うのでしょう。ですから、炉から出てくるSO₂の量は同じなので、脱硫装置が湿式から乾式に変わったので、それで排出量が増えたのでしょう。
 だから、増やさないようにするには、基本的には乾式でも、もう少し脱硫効果や脱硝効果の高いような方法を検討していただくということです。さらには、A重油でも普通のA重油ではなくて、ほとんど0.1%くらいしか硫黄分が入っていないような特A重油がありますから、そういうものを使ってもらって、SO₂の発生量自体を減らす。あとは、脱硫装置の性能は特に必要だと思います。そういう形で、総量として、年間ばい煙発生量、SO₂の発生量を今と同じか、以下にするような方法を考えていただいければ問題ないと思います。よろしくお願いします。

楠田会長
 ありがとうございます。それでは、次の発言を頂戴いたします。はい、河野委員。

河野委員
 稼働するのは、一年中ほぼ平均的に変わらないと思っていいのですか。

事業者
 はい。

河野委員
 門上委員が今言われたように、もしかしたら乾式だと脱硝がうまくいかなくて、NOxのほうも7.3から8.8になるということであれば、NOxは直接問題ないのですけれども、晴天時などにはNOx由来の光化学オキシダントがあって、季節上、4月後半から5月上旬にかけては、もともとバックグラウンドが高くなる傾向にあるので、窒素酸化物の放出量も少し気になります。3-62ページの環境基準の中には光化学オキシダントも0.06ppmとリストはされておりますけれども、実際、直接には排出されないので、シミュレーションにも入っていないと思います。季節によっては、NOxが光化学オキシダントのバックグラウンドを上げるようなことはないと思いますけれども、この時期なので、そういうことも今後のディスカッションであるといいかなと思いました。

事業者
 かしこまりました。

楠田会長
 それでは、大石委員、お願いします。

大石委員
 車両関係のことで、現在よりも増加台数を、20台と書いてあったり、26台と書いてあったりするのですけれど、どちらなのかチェックしていただきたい。方法書2-12ページのところに、一日当たり中型車10台、大型車10台で、施設を稼働すると大型車で5-6台を想定していると書いてあるので、恐らく26台ではないかと思うのです。例えば、6-5ページのところには、廃棄物・資材等の搬出入20台を想定していると書いてあります。恐らく、これは26台ではないかと思うのです。
 それは良いとして、測定地点はどのようにして選定されたのかということと、選定しない理由は、この26台とか20台程度だからと書いてあるのですけれど、これはそういう計算方法とか基準とかがあるのでしょうか。大型車とか中型車だとか、大体これくらいだったらほとんど影響ないと。沿岸環境というよりは、この振動はほとんど民家への影響ではないかと思うのです。選定場所が、この地図を見ると、沿岸道路みたいな所であまり影響がないような所、民家がないような所に設定してあります。ここはここで、定点でいいと思いますけれど、一番の振動は民家の近くではないかと。この搬入部が廃棄物を取り込む所で、住民の方と一応折衝はできていて、一般道はできるだけ使わないとご説明がありましたけれども、やはり、そこをもう1つ、民家への配慮というのが欲しいと思います。いろいろ検討した結果、ここでいいとなれば一番いいと思います。
 全体で、最大で26台ということですけれど、この計算の中に大型車とか中型車とか時間帯、恐らくその辺は配慮してあるはずなのですけれど、もう少し細かな説明をしていただけると分かりやすいと思います。

事業者
 今、ご質問いただきました、まず6-5ページの車両台数20台と書いてあるのは、これは委員がおっしゃるとおり26台の間違いです。申し訳ございません。
 2-12ページにその内訳という形で車両関係が書いてあるのですけれども、中型車としては10台、大型車としては10台、それ以外に資材運搬用の大型車が5-6台という25-26台の内訳を、今のところ想定しております。
 今回、騒音と振動の測定地点につきましては、同じ方法書2-12ページの市道吉志新門司1号線というオレンジで書いてあるところの1地点になっているのですけれども、ここがちょうど搬入車両が一番通る地点で、そこから今度は市道新門司2号線、内側のほうに入っていくということで、なるべく民家のそばを通らないような道ですけれども、一番交通量が多くなって影響が一番測定しやすいポイントということで、市道吉志新門司1号線の1地点を騒音・振動の測定地点並びに評価地点と選定させていただきました。

大石委員
 26台なので、選定しないということになっているのですけれど、その根拠というか、そういう基準はもともとあるのでしょうか。

事業者
 工事用車両が今回30台で多いのです。ですから、工事用のほうで1回予測して、それよりも施設の共用のほうが少ないものですから、そちらでは選んでいません。

大石委員
 分かりました。ありがとうございました。

楠田会長
 はい、門上委員。

門上委員
 市長意見に対して、水銀は最大限の排出抑制に努めるということですけれども、この水銀の発生源というのですか、燃やすものとしては、いろいろなものに微量に入っているのかもしれませんけれども、基本的には汚泥の中に入っているのでしょうか。

事業者
 搬入経路は複数で、基本的に産業廃棄物に関しては、事前の契約をもって受け入れをしますので、そういったものが入らないようにはしますが、混入するケースがあるとすると、例えば医療系の廃棄物とか、そういったところに誤入する可能性がございますので、当然、法規制が今後整備されていく中では、対応した施設にしていきたいと思っております。

門上委員
 削減に努めるということなのですけれども、結局、増えないように、減るようにしないといけないわけですから、現状がどうなのだというのを前もってモニタリングしておかないと、「抑制していますよ」と言って、本当に減っているかどうか誰も分からないわけですから、定量的なことが分かるような仕組みを、ぜひ入れていただきたいと思います。

事業者
 かしこまりました。

楠田会長
 どうぞ。はい、竹松委員。

竹松委員
 工事の実施というものの中に、この「既存焼却炉解体」というものも入ってくるのでしょうか。解体の作業は、この工事の実施の項目の中に入ってくるということですよね。

事業者
 はい、大きな意味で含まれることになります。

竹松委員
 解体するときに、どのような作業が行われて、どういう問題が出てくるかというのは、はっきりは分からないのですけれど、方法書2-16ページのところを見ると、ダイオキシンの話等、解体作業中、注意しますと書いてあるので、環境評価の項目の工事の実施のときにも、このダイオキシン類は選定したほうがいいのかなという気がするのですが、どういうものなのでしょうか。あと、例えば、臭いが出たりしないのでしょうか。

事業者
 基本的に、焼却炉の解体におきましては飛散物を出さないような養生等々を行います。例えば、建物解体のように一気に壊すわけではなくて、養生しながら部分部分を解体していく方法であり、そのときに注意しないといけない注意項目として、発塵を抑制すること、飛散しないように使った洗浄水を回収すること、あと、ガス飛散が出ないようにフィルターを付ける等々の手順が決まっておりますので、その手順に従って実施するということで、今回、2-16ページに基本的な手法を書かせてもらっております。

竹松委員
 「大気」の中に、排出基準に従って大気中に排出するという項目があるということは、やはり、完全に閉じ込めるのではなくて、出てしまうのかなと思うのですが。

事業者
 フィルターを通して排出するような形になりますので、そういった廃棄物が外にそのまま出ないような形で解体を計画し、実施させてもらいたいと思っております。

楠田会長
 よろしゅうございますか。
 それでは、岡田委員お願いします。

岡田委員
 既存焼却炉の解体の件で、古い施設だとアスベスト等の断熱材が使われているケースもあると思うのですけれども、それに関してはどうなのでしょうか。

事業者
 当社の工場施設が平成5年に建設され、6年竣工の施設になりますので、弊社が譲り受けする際にアスベストに関しての使用を確認しましたが、使われていないということで確認しております。

楠田会長
 ありがとうございました。他に、ご発言ございませんでしょうか。
 それでは、これで審査を終えさせていただきます。

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