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第38回議事要旨(平成29年7月5日)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000141141

1 日時

平成29年7月5日(水曜日)13時30分-16時00分

2 場所

北九州市役所5階 特別会議室A

3 出席者

委員
 穴井委員、荒井委員、上田委員、大石委員、河野委員、楠田会長、下村委員、清野委員、薛委員、武石委員、竹松委員、豊貞委員、野上委員、山田委員

事業者
 黒崎バイオマス発電施設整備事業:三菱商事パワー株式会社
 (仮称)新門司バイオマス発電所建設事業:新門司バイオマス発電所1合同会社

事務局
 環境局環境監視部環境監視課(環境監視部長他4名)

4 議題

(1)「黒崎バイオマス発電施設整備事業に係る計画段階環境配慮書」の審査

(2)「(仮称)新門司バイオマス発電所建設事業に係る計画段階環境配慮書」の審査

5 議事要旨

(1)「黒崎バイオマス発電施設整備事業に係る計画段階環境配慮書」の審査

楠田会長 
 どうも、ありがとうございます。それでは、審議に移らせていただきます。まずは、武石委員より事前に意見書の提出がございました。今日、ご出席されておられますので、まずはご発言をいただきたいと思います。

武石委員
 動植物の生息、または生育の件で意見を出させてもらったのですけれども、配慮書の表3-27(68ページ)です。植物もそうですし動物もそうですが、過去の北九州市などの調査の文献を基にして、結局、配慮書で考慮すべきものがあるかどうかというのを調べられています。
 鳥に関して、68ページに重要な種や注目すべき生息地一覧表がありまして、ハヤブサに関しては種の保存法で国内の希少野生動植物種に入っていますが、あと環境省や県のレッドリスト、レッドデータブックなどにも入っています。この配慮書では、生物関係は工場地域などで考慮に値するものはないということであったかに思うのです。もともと文献そのものが、洞海湾地域の工場地帯での生物種の調査をしたデータが少ないということで、65ページに、動物に関して、その文献からどんな地点でどんな分類群が記載されているか書かれていますが、鳥類に関してはそういう文献自体引用されていないので、洞海湾地域の工場地帯には何らデータがないという形になっております。
過去の文献を引用する以上、そこでの当該事業に関わる周辺地域の調査記録がなければ何も言えないことは当然なので、それをどうするかというのはいつも、恐らく配慮書段階や他のものもそうですが、過去の文献を引用するだけに依拠していれば何も評価はできないだろうと思うのが1点です。
 それと、ハヤブサに関して取り上げたのは、過去に新聞とかテレビで割と有名になった時期があって、随分以前ですが、八幡西区の三菱化学の黒崎事業所の中の集合煙突での営巣・繁殖が確認されたことがありました。それが現在どうなっているかは、この配慮書の中では示されていない。というか、もともと引用した文献が存在しないから、当然入っていないのですけれども、ただ、ハヤブサは国内希少野生動植物種になっていますし、過去にこの洞海湾地域、三菱化学の敷地内でも繁殖していることがありましたので、人為環境への適応、順応という形で、そういう希少野生動植物種に指定されている鳥類が入り込んでいる可能性は当然あるわけで、現在どうなっているのかを調査する必要があるだろうなとは思うわけです。
 配慮書には、そのような文献を使っていないから分からないので、これがまだ修正可能で、間に合うのであれば、過去の新聞とか文献を探していただいて、ハヤブサに関して洞海湾地域でどのような状況であったかを記載していただきたいのです。それがスケジュール的にできないのであれば、方法書の段階において、洞海湾周辺地域の工場地帯でのハヤブサの生息状況調査をやっていただければありがたいという意見です。

楠田会長
 ありがとうございます。

事業者
 まずハヤブサについてですが、三菱ケミカルさんにいたハヤブサというのは、10年以上前の、2004~2005年ごろに営巣していたみたいです。それは確認できているのですが、それ以降は全く確認されていないという状況でございます。ただ、今後、営巣等の方法も含めて鳥類調査を実施する予定でございます。 

コンサル
 今、事業者様が申されたとおりですけれども、事業実施区域と洞海湾を対象として、鳥類の調査を、今現在検討を進めているところです。その検討の結果は、次の方法書には記載させていただきます。

楠田会長
 ご回答いただきましたが、武石委員、よろしゅうございますか。それで、事務局にお伺いしますが、環境配慮書を書き直すというお話もございましたけれども、これはこの文書として既に提出されているもので、変更は次の段階からという理解でよろしいですか。

事務局
 変更という立場ではなく、意見を踏まえた上で方法書に記載するという形でよろしいのではないかと思います。

楠田会長
 ですから、配慮書としてはこれで確定版なのですね。

事務局
 はい。

楠田会長
 ということで、武石委員、こちらのほうはもう修正しないで、このまま確定でいかせていただいて、次の方法書で付け加えさせていただくということで、よろしゅうございますか。

武石委員
 はい、分かりました。

楠田会長
 それでは、その次のご意見を頂戴いたします。

野上委員
 
大気質についてですが、特に二酸化窒素は、先ほどのご説明だと、今まで北九州市の似たような案件があって、それを参考にしたということと、あと環境基準は何とか満たしているから、A案もB案も差がないという説明のされ方を最後にしたと思うのですけれども、本件がこれまでの例と決定的に違うのは、住宅密集地に非常に近い場所ということです。特に例えば配慮書の168、169ページを見ていただくと、これはもちろん短期で一番厳しい条件を計算していただいているのですが、この図で、鹿児島本線と3号線があって、住宅街はその南側にあり、マンションも今いっぱい建っています。そっち方向に必ず流れてくるのです。それで、もともと3号線等々の影響もあって、例えばNOxが滞留すると1時間値の最高値が、最近は少し低めになったので何とか超えないのですけれども、結構超えるぐらいのレベルにあるのです。それで、今ここで見ると、A案、B案が出ていますけれども、その次の169、170ページを見ると、倍違うのです。0.008と0.004、これはご説明があったように炉のタイプが違うということです。
 それで、21ページにバックグラウンドということで、二酸化窒素の現状の値もしっかり配慮書には書いていただいていますが、表3-3の1時間値の最高値が、黒崎観測局は0.053。右のほうに、日平均値が0.06を超えた日数、これは1時間値の最高値なので、これを1日維持しないと平均は超えないので、これはさすがにゼロですが、この0.06という基準値に対して0.053という極めて近い値になり、最高値ではありますが、やはりこの点を考えてみても、もともと出ているNOxの量がA案とB案でだいぶ違います。だから、この場所は汚染物質が住宅密集地のほうに流れていくということを考えますと、まずそれに関する環境負荷というのは最大限考慮していただきたいということが1点です。
 もう1点は、これは6ページのほうで質問させていただいたほうがいいと思いますから6ページを開いていただくと、A案、B案で、B案のほうが発電効率も恐らくは非常に良いが、まだ実績があまりないのでというご説明がありました。ここで質問ですが、B案がもししっかり動くと、これを見る限りは、要するに発電効率と、私が今言っている意味は、約7万5,000キロワット発電するときに、表の後段には乾きの量も出ていたのですが、必要な排ガス量がB案のほうがだいぶ小さいです。ということは、B案のほうが、効率がいいということだと思うのです。
 ということは、使うペレットが全く同じ品質だったら、恐らくB案のほうが使うペレットの量が少なくて済むのではないか。そうすると、例えば北米から船で運んでくる時の量も違いますし、ここに先ほど運び込むルートが出ていたと思うのですけれども、最後、車で運び込むので、ペレットそのものはバイオマスなのでいくら燃やしてもいいという考え方もあるかもしれませんけれども、それを運ぶのに関わるいろいろな環境負荷はだいぶ違ってくるのではないかと思います。この辺りは、もちろん採用する形式がきちんと動かなかった場合には、また絵に描いた餅になるかもしれませんが、そういう観点から考えると、A案とB案にはかなり決定的な違いがあるように思われるのですけれども、いかがでしょうか。

事業者
 
まず1点目のA案の数値がそれなりに大きく、住宅へのNOxの影響についてですが、まずこのA案の排ガス量については、かなり多めに見積もっているところはあります。使用についても、現状についてはこのような形ですけれども、よりNOxの量を減らせる方法はないかというところで、もう少し性能がいいものが検討できないかというところを、今、メーカー側と打ち合わせて進めているところでございます。
 A案とB案の効率の違いですけれども、おっしゃるとおり、A案とB案を比べますと、A案は38%前後の発電効率、B案は43%程度ということで、それなりに差があるというところはございます。ただ、A案のほうは国内で実績があり、B案のほうはまだないというところがあって、このバイオマス発電という機械自体が結構まだ新しいものでございまして、トラブルも結構あるというところもありますので、これからしっかりと検討を進めた上で、もちろん効率も検討に入れるのですけれども、しっかり動くというところも含めて総合的に判断して決めていきたいと考えております。

楠田会長
 野上委員、よろしいですか。

野上委員
 はい。今のことに関しましては、事情は分かります。ただ、これは先ほどもあったのですけれども、この配慮書は書き換えのできないもので、数字がしっかりとここに明記されているので、これを前提条件として環境負荷を考えて、どちらがいいですかという話になるのですね。だから、方法書にいく前の段階で、そういったことは恐らく市長意見という形で載るかと思うので、そのときに、最終的にどちらを使うのかということに関しては、配慮書でここまでの数字を書いている以上は、そこをみんなが納得できるような形でしっかり評価してもらって、その理屈をきちんと書いてもらう、ということが必要になると思いますので、それはよろしくお願いします。

事業者
 承知いたしました。

楠田会長
 では、次のご発言を頂きます。どうぞ。

岡田委員
 野上委員の意見とほぼ同じようなことにもなるかと思うのですが、今さらというか、立地に関してはもう変えられないとか、既定であるという説明がなされていたのですけれども、そもそも市街化区域の用途地域でいうと、商業地域とか住居地域にまさに近い所に建設されていて、あと、配慮書98ページを拝見すると、病院であるとか教育施設、社会福祉施設も周辺にかなり集積しているこの場所に、あえて立地を決めたという、ある意味反対意見でもあるのですけれども、なぜここに決めたのか。冒頭、三菱ケミカルの遊休地であったから、ここに決めたというのが理由であったのですけれども、しかし、この場所が本当に適切かどうか。そもそも、それをどのように検討されたのか、ご意見を伺いたいと思います。

事業者
 
まず、バイオマス発電ができる用地はかなり限られておりまして、先ほどご説明したところに「ペレットの量」というのもあったかと思うのですが、年間30~40万トン使用するというところ、それから、発電いたしますので、送電する必要があるというところがございます。この2点が大きなポイントとなってきております。
 まず1点目の燃料のほうですけれども、これだけ大量の燃料を運ぶとなりますと、やはり海上輸送でないとなかなか効率良く輸送できないというところがあります。そのため、海に近い所、かつ海から陸揚げしやすい所という条件が1つございます。
 もう1点、送電というポイントですけれども、今各地で問題になっておりますが、なかなかこれだけの容量の送電網が空いている所がなくて、そういった空いている場所を探すだけでもかなり絞られてくるところがございます。この黒崎の三菱ケミカルさんの事業所については、その2点が奇跡的にそろったというところがありまして、なかなか、これだけバイオマス発電に条件がそろった場所はないものですから、本当にいい場所といったことで選定させていただきました。
 もちろん、住居に近いというところがありますので、そこはしっかりと対策をした上で、住民の皆様にご迷惑のかからないような形で、再生可能エネルギーという地球に貢献できる事業ですので、これを進めていきたいと考えております。

楠田会長
 岡田委員、よろしゅうございますか。

岡田委員
 意見として。

楠田会長
 ありがとうございます。それでは、上田委員、お願いします。

上田委員
 
私から排水の環境に与える影響について、質問とコメントをさせていただきたいと思います。配慮書36ページになります。そこに洞海湾の4地点の環境基準点とか一般観測定点のいろいろな値が書いてあるのですけれども、まず1つ前提ですが、D6とD7がC類型の4類型になっています。これでいくと、ここの地点の基準は、特に窒素についてですけれども、1mg/Lを基準にして、それをD6とD7はほとんどクリアしていないというのは、まずこれはこれでよろしいのですか。
 洞海湾は、結構、へんてこな基準の出し方をしていたと思うのですけれども、もう今はいいのですか。D7も基準は1mg/Lでよろしいのですか。

事業者
 市がまとめられている環境白書から引用させてもらっているのですが、これで間違いないと思います。

上田委員
 だから、よろしいのですね。そしたら、既に今、27年度の年平均で出したもので、D6、D7、今度の事業地のすぐそばの海域の窒素、そしてリンも時々みたいですが、環境基準を全くクリアしていない海域に、さらに今から窒素の負荷が増えていくということは、前提の上に立っているということでよろしいのですか。それで問題はないのですか。これは事業者さんだけの問題ではないかもしれませんけれども、市としてもそれはそれで、今でも赤潮が出たり貧酸素が出たり、環境基準値を達成していないのですけれども、そこでさらにそういう事業を進めていくということは、環境推進都市というか、環境の都市として問題がないとお考えなのでしょうか。私は、そうなのかなと思いながら疑問に思ったので、お伺いしています。

事務局
 
今のご意見に対しまして少し補足をさせていただきたいと思いますけれども、全窒素と全リンの環境基準の評価に関しましては、D6、D7につきまして、この地形ごとに見ますと、環境基準と比べましたときに数値が超過しているのは事実でございます。ですけれども、基準を超過しているか否かを評価する場合には、この洞海湾と湾口側になります関門地区の4地点を平均しまして、環境基準と比較するという方法をとっておりますので、地点ごとで見ますときには環境基準の超過というように見えますけれども、実際に適合状況を判断するときには平均をしますので、環境基準そのものを超過しているという評価には至ってはおりません。
 ですけれども、委員から今ご指摘いただきましたとおり、現状よりも上乗せされるという点につきましては、今後の私どもの課題として検討させていただきたいと考えております。

上田委員
 どのように課題として考えていかれるのですか。よく分かりませんでした。

事務局
 まず一義的には、環境基準適合の評価の仕方というものは、全国で同じような評価の仕方をするようにということで定められております。これにのっとりまして、環境基準の評価というのを行っていくべきではございます。ただ、地点ごとの濃度につきましては、ここの近くの汚染源、この場合は排水口になりますけれども、排水口からの汚濁負荷がなるべく増えないようにということで、個々の事業者さんの指導にも関わる部分ではありますので、ここで一概にどうしますというお約束ができませんので、検討という言葉を使わせていただきました。

上田委員
 分かりました。ですけれども、今から事業が進んでいくにあたっては、そこら辺をきちんと文書として出していただきたいと思います。ここでは窒素とか燐だけ触れていますけれども、実はDOが不足するとか、東京湾でいう青潮とか、そういう現象に近いことも起きていますので、そういうことについてもきちんと触れていってほしいと思います。よろしくお願いします。

楠田会長
 それでは、豊貞委員、お願いします。

豊貞委員
 配慮書6ページの表の2-1になるのですけれども、ここでA案とB案を比べられていて、先ほど野上先生から発電効率の違いの話もされたと思うのですが、点火用の燃料がAの場合は重油で300立方メートルで、Bの場合は軽油で45立方メートルということで、量的にもAのほうが7~8倍かかっています。これはペレットの量は同じように30~40万tと書いてあるのですが、ペレットの量もやはり違うというように見たほうがいいのですか。

事業者
 そうです。おっしゃるとおりです。ペレットの量も、同量を発電するために変わってくるところでございます。

豊貞委員
 ということは、B案のほうが、軽油と重油の違いがありますが、同じ発電に対して、油の量もペレットの量も7分の1から8分の1で済むということですね。そうではないのですか。

事業者
 点火用燃料の比率で、ペレットが使用されるわけではないです。これほどペレットの使用量が変わるわけではないです。先ほど申し上げましたように、発電効率でいうと、38%と43%という違いがありますので、それなりの差があるということでございます。

豊貞委員
 ただ、これを見ても、やはりパッと見、B案のほうがいいなとどうしても思ってしまうので、B案の悪いところは実績がないということなのですが、海外では実績があって、国内では実績がないということですか。

事業者
 そうですね、海外では、かなり大きなものについての実績はあるのですけれども、このサイズの実績がないということでございます。それをダウンサイジングして、日本仕様にするということになるので、そのモデルに関しては新しいということでございます。

豊貞委員
 ペレットの場合は、量がどうのということはあまり関係ないかもしれないのですけれども、重油系でこれだけ違うと、エネルギー起源のCO2排出量という意味でもやはり差が出ると思いますので、その辺りに対してどういうふうに考えられるかというところを何か明記していただいたほうがいいなと思います。

事業者
 そうですね。ただ、この点火用燃料につきましては、本当に年2回だけのことでございますので、ペレットの使用量に比べると本当に少ないものになります。ただ、確かにB案のほうが効率が良いという、皆様からのご指摘はおっしゃるとおりですので、そこも含めて検討を進めたいと考えております。

豊貞委員
 ありがとうございます。

楠田会長
 では、次のご発言を頂きます。大石委員。

大石委員
 午前中の見学会の時に質問させていただいたのですけれども、これは北米産のホワイトペレットだけではなく、東南アジア産のも幾らか入る可能性があるということだったのですけれども、主に使われる北米産のホワイトペレット以外のものを使用する場合は、何を基準にここで許可されるのでしょうか。硫黄の含量でしょうか、それともここのI2グレードですとか、EN規格の中に入っておけばいいという、そういう種類なのでしょうか。

事業者
 
現状、基本的には北米産のもので考えておるのですけれども、アジア産も、もしかすると検討に入ってくるかもしれないということでございまして、現状、アジア産のものが混ざるというわけではございません。可能性としてあり得るというところでございます。
 そのペレットの質に関しましては、国際規格でI2というものが基本的に決まっておりまして、各項目全て数値で何%以下というものが決まっております。ですので、それをクリアしていれば基本的には使える。ただ、本案件につきましては、硫黄分に関しましてはかなり厳しい値のものを調達する予定です。これに関しましては、I2グレードよりも厳しいものをサプライヤー側に要求するということでございます。

大石委員
 ありがとうございました。

楠田会長
 他に、ご質問ございませんでしょうか。どうぞ、清野委員。

清野委員
 
先ほど、岡田委員さんから、立地に関してのご質問もあったと思います。あと、先ほど上田委員からも洞海湾についてありました。ここの地区は、ご存じのように北九州市が本当に頑張られて、これだけ環境が回復されてきたところですので、そのあたりについての社会的説明ですね。今お答えいただいた、基準の決め方だとか、その考え方も分からないではないですが、ここはやはり一つ国内でも国際でもシンボリックな場所なので、そこに立地されるときのご発言として、コメントと質問なのですが、もう一歩あってもいいのかなと思いました。
 それと、住民の方への説明だとか社会的な合意形成に関しては、そういった部分も含めてどのようにお考えかということ。
 それから、石巻のほうで発電所を計画されていると思うのですけれども、そこもやはりいろいろな意味で合意形成上のこととかが発生していると思いますので、そういった面で新しい時代の発電所としてのあり方について、もう一歩ご説明を頂ければ、いろいろな意味で全体的なことへの考え方を決めようかなと思っております。
 コメントと質問で、間接的内容で恐縮ですけれども、何かありましたらお願いいたします。

事業者
 
まず、この黒崎エリアは、非常に公害に対して敏感であるという所に立地するということなのですけれども、そもそもこの木質バイオマス事業というのは地球環境に貢献できる事業だと考えておりますので、それは積極的に推進したいという思いがある一方で、やはり排ガス、排水というものが出てきますので、そこはしっかりと住民の皆様に安心していただける水準のものをつくっていきたいと思っております。
 現状、出させていただいている数値、北九州市様の求める数値をきちんとクリアしたものを出させていただこうと思っているのですけれども、この数値に関しましても、メーカー側からすれば、かなり驚かれるレベルの数値でございまして、この数値をクリアするために通常では付けない、排ガス処理装置であったり排水処理装置というものもしっかり付けさせていただく予定でございます。そういった意味で、しっかりと、この地域にも配慮した形での事業展開を考えております。
 最後、石巻のIGCCの事業に関しましては、私の事業部とは別の部が担当しているのですけれども、この事業に関しましては震災の復興事業の一環という意味もありまして、経済の活性化という意味合いもございますし、IGCCという、火力ではあるものの最先端のテクノロジーを使用しております。IGCCは、本当にかなり高い発電効率を持っておりますので、従来の火力を動かすよりもCO2の排出量をかなり減らすことができる。燃やすのでCO2は出てしまうのですけれども、かなり高効率なものにすることによって、既存の火力よりかはCO2の排出量を落とすことができる。そういった意味で、環境にも貢献できると考えております。

清野委員
 ありがとうございます。高い技術力をもって対応されるということだと思うのです。ただ一方で、ここの北九州市の場合も、もう1つの案件の場合も、多分いろいろ社会的に人が納得するというときに、必ずしもそういう科学的な部分だけではなくて、地球全体に貢献するということと、なぜここかということが1つ。バイオマスの場合も、いろいろな意味で九州全体でもいろいろなバイオマスの取り組みがある中で、輸入のもので行うということのグローバルな、あるいはナショナルなレベルでの理解と、それからやはりローカルな地域としての地球環境に貢献というのは、多分ベクトルが違うと思いますので、最大の努力をされていることは、私も認識いたしましたので、今後そういった地域に立地する中でのさまざまなご配慮いただければと思っております。どうもありがとうございます。

楠田会長
 他にご発言ございませんでしょうか。どうぞ。

野上委員
 この場所を選定した理由で、もともと当時は三菱、今ケミカルさんですか、三菱化学さんのプラントがあって、そこが更地になったから作ったということですね。それだったら、思っているのは、ここにもともと200mの集合煙突があるのですね。それに入れ込んで出すということはできないですか。同じ三菱化学の工場の中に。今日の資料の中にも200mの煙突が写っているのですけれども、そこに処理したものさえ入れてもらってやれば。今、計画は何メーターだったですかね。たかだか59mくらいの所から出すよりは、200mの所から出したほうが、既にそういう設備もあるわけですから、うまく利用していただければ、別途煙突を60mくらいのわざわざ建てて、先ほども少しNOxのことも言わせていただきましたけれども、低い位置から出すよりは、好ましい。同じプラント内でいろいろな形で、ユーティリティが整備されている場所を利用するわけですから、そうすると煙突に関しても、もともと、そこにあったプラントから排煙設備が回っていたような気もしないわけでもないですから、そういった設備の利用の方も、この後の方法書等では考慮していただければと思います。

事業者
 ご教示いただきましてありがとうございます。確かに煙突があるのですけれども、制度上それが可能なのかというところ、それから三菱ケミカルさんも現状稼働しておりますので、そちらとの関係性も含めて可能かというところ、総合的に少し検討はしたいと思います。ありがとうございます。

楠田会長
 
それでは、よろしゅうございますでしょうか。いろいろ広範にわたるご意見を頂戴いたしました。アセスのこの審査会での検討事項もございますし、洞海湾の湾の奥のほうということで、市の環境行政と関わってくるところもございます。そこはご検討いただくということで、お願いをしたいと思います。
 それでは、本件につきまして、審議を終了させていただきたいと思います。どうもご説明ありがとうございました。

(2)「(仮称)新門司バイオマス発電所建設事業に係る計画段階環境配慮書」の審査

楠田会長
 どうも、ご説明ありがとうございました。それでは、ただ今のご説明に関しまして、ご質問、ご意見を頂戴いたします。それでは、竹松委員。

竹松委員
 PKSについて、もしかしたら配慮書に付いていたかもしれないのですけれども、探して見つけられなかったので、質問したいのです。まず、このPKSはどこから入手する予定を考えているのかということと、それをどういう経路でどこに運んで行くのか。
 この配慮書で見ると、すごく事業区域近くでの運搬については書いてあるのですけれども、そもそもどこから持ってくるのかというのが書いていなかった気がしたので、年間どのくらいの量をどこから入手する予定で、どこに、船だったら船で運ぶとか飛行機で運ぶとか。そして、そこからどうやって持ってくるのかというようなところを説明していただきたいと思います。

事業者
 かしこまりました。少し漏れていたような気がいたします。まず、PKSにつきましては、マレーシアのジョホール州の中の大きなプランテーション数社と既に契約を交わしておりまして、私どもの会社がPKSそのものを加工いたしまして、燃料として水分調整と臭気を取り除く措置を講じたうえで、ジョホール港から太刀浦まで40フィートのコンテナで運ぼうと今思っております。

竹松委員
 船でですか。

事業者
 そうです、船でございます。フェリー便がございますので、それで運ぼうと思います。年間使用量は約45万tほど使用する見込みでおります。以上、よろしいでしょうか。

竹松委員
 
分かりました。ありがとうございます。ただ、PKSをたくさん使うことは決して地球温暖化防止に役に立っているわけではない、温室効果ガス削減に役に立っているのではないということを認識してほしいなと思って、よくこの会で他の事業者の方にも言うのです。
 実際にマレーシアとかインドネシアとかに行くと、熱帯雨林が今のところ二酸化炭素、温室効果ガスの吸収源に非常に重要なのですけれども、あれがパームオイルプランテーションにするために年々ものすごい勢いで切られていて、そのせいで熱帯雨林がなくなっているという問題はものすごくあって、それは国際的にも問題になっていると思うのです。なので、他の国がPKSを高いお金でどんどん買うということをすると、そういう所で熱帯雨林をどんどん切ってパームプランテーションに変えていくことを促進していってしまうような気もするので、じゃあ、やめなさいというわけにはいかないと思うのですけれども、そういう流れというか考え方もあるのだよということを、少し念頭に置いておいていただきたいなと思いました。

事業者
 
ご指摘ありがとうございます。私どものほうも一部は承知しております。その反面、少しですが、私どもはマレーシアから輸入をするのですけれども、マレーシアでは新規開発というのがほとんどされていないのです。インドネシアのほうでは、大規模な開発が行われている状況ですけれども、その議論は少し置きまして、マレーシア国内においてもPKSというのは今まで利用されずに廃棄処分されてきたと。ある見方をすると、マレーシア国内における廃棄物を有価物に変えて環境保全を行っているという側面があることも、少しご理解いただければと。全体のことも私ども理解していますので、そのことも付け加えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

楠田会長
 それでは、河野委員。

河野委員
 植物と動物について質問があるのですけれども、その前に今の議論ですが少し気になったので、追加でご存じかどうかお聞きしたいと思います。パームヤシで要らなくなった絞ったかすは、今までマレーシアで利用されていなかったときに、多分水の中でほったらかして腐らせてメタンの発生源になっているというのがあったと思うのです。燃焼すると温室効果ガスの効果が30分の1のCO2にしかならないので、その分、貢献しているということもあるかもしれない。だから、どういう処理をされていたかを知ると、逆に環境へのアピールもできるのではないかなとも思いますので、利用されていた実態を計算されてみてください。燃焼されていたら同じです。だけど、水の中で腐らせたらメタンになるので、30倍くらい削減効果があるということもあるかもしれません。

事業者
 分かりました。多分、今委員からご指摘を受けたのはパームアシッドオイルで、酸化したオイルを池の中に放置をして、それがメタンガスの発生原因になっていると思うのです。PKSというのはまた若干違いまして、それを育ててきた殻のところですので、そこのところも、また私ども勉強してご報告させていただきたいと思います。

河野委員
 では、次は、私の質問ですけれども、植生調査と動物の調査は、平成19年の同じ地域の埋立事業の評価書を参考にされているということです。今回の事業予定地からいうと、直線距離でいえば、例えば鷲の巣山辺りの、よほど近い所の詳細なデータがないままだというのが少し気になるので、もしそういう近い地域の、直線距離で海を渡って西側のデータなどがもしあれば、それもできるだけ反映していただくほうが。直接今回、今後の調査には入っていかないのでしょうけれども、その資料もあると本当に影響がないのかどうかを評価しやすくなるかなと思います。配慮書3-40と3-42ページに、動物、植物それぞれありますけれども、写真が2-4ページでいくと本当に緑豊かな所がちょうど西側にありますね。だからその辺りへの影響もあるのかないのか、それが少し気になるので念頭に置いていただけたらなと思います。

事業者
 ご指摘ありがとうございます。今後、検討課題とさせていただいて取り組みたいと思います。

楠田会長
 では、次のご発言をいただきます。野上委員。

野上委員
 大気質に関してです。恐らく配慮書を作成するにあたって、全くの隣接した所に、それはバイオマスではありませんが、直近に発電もする燃焼炉をやったと思うので、配慮書では恐らくそれに準じた形で、煙突の大きさが2種類あってどちらかと。これは計算してきちんと定量的に出さなければいけませんけれども、ある意味で計算するまでもなく、高い方が影響は少なくなることは十分事業者さんは承知の上だと思います。したがって結論としては86mで作るという理解でよろしいのですか。2案出して、86mは影響が低いというのは当然出てくることは想定して計算しているわけですから、確か隣も同じようなやり方をやって、高い煙突になったと思うのです。それに関してはそういう理解で、今後、もしかしたら変更があるのかもしれませんが、基本的にはそういうように考えているということですね。

事業者
 ご指摘のとおりです。今後、変わる可能性がほとんどないと思われます。そのように進めたいと思っております。

野上委員
 分かりました。ありがとうございます。あと、これは方法書の段階での議論ということになると思うのですけれども、恐らく市役所からも言われているとは思うのですが、最終的にはほぼ同じ時期に隣にできますから、複合効果という、同じような煙突が2本立ったときにどうなるのか。もちろん、正確な距離は分かりませんが何百メートルか離れているので、全く重なることはないので完全な足し算にはなりませんが、少しエリアが広がる形で煙が流れると思うので、特に年平均は薄まるのでほとんど意味はないのですが、短期のほうですね。今回、年平均の方はきれいな等濃度線のグラフを書いていただいていて、そちらのグラフはたくさんあったのですけれども、短期のほうは等濃度線のグラフがなかったので、是非それは、方法書の段階でいいと思いますが、影響評価をよろしく願いします。

事業者
 すみません、ご指摘のとおり、今後進めさせていただければと思います。等濃度のほうは間に合わなかったということで、いわゆる距離と濃度のグラフを掲載させていただいた次第でございます。今後、短期濃度のところはしっかり押さえていきたいと考えております。また、複合予測に関しても、方法書以降の手続きの中で明らかにしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。

楠田会長
 それでは、次のご発言。どうぞ、清野委員。

清野委員
 
この地域及び周辺海域の重要な生物としてリストに挙げていただいております、カブトガニとスナメリでございます。これは、非常に重要性が高いということと、北九州市のシンボル動物でございます。でも、触れられてはあるのですけれども、具体的に泥干潟の周辺にいるので、その近くにいるという認識のようでございました。この2種については移動性がそこそこございますので、それについてのご認識を教えていただきたいということ。
 それから、この周防灘海域は今、非常に状態が良くなくて、赤潮の問題だとか、あるいは水温の上昇ということで非常に敏感な状況にございます。そこに対しての排水の放流の仕方なり温度管理なり、その辺りのご認識を教えていただけたらと思います。

事業者
 ご指摘ありがとうございます。まず、今回の事業で、事業主様のほうでご相談を受けた段階で、こちらの地域というのは西側に有名な干潟があって、いろいろな重要生物もあると。こちらの北九州市内の響灘側とは全く違う地域特性があるという認識の下で、いろいろ検討した結果、生物に最も影響がある温排水だったり、いわゆる排水ですね。そういうものを恒久的に排水しないという方式で、そういった生物に対する影響というのを最小化していくという事業認識であるところでございます。また先ほどの……

清野委員
 スナメリという海生哺乳類です。

事業者
 いわゆる排水というのも、今後していかないと、地形の改変、潮流の変化というのも影響がほとんどないように今回進めていく中で、こういった海生生物、スナメリに対する保全という部分の取り組みをしていければという認識でございます。

清野委員
 ありがとうございます。これらの生物は、海浜に直接当たらないということで、随分と保全はできる方向と思いますけれども、引き続き認識を頂けたらと思います。

楠田会長
 ありがとうございました。どうぞ、野上委員。

野上委員
 今、基本的に排水は出さないということをお聞きしたのですけれども、そうすると、この中に確かに配慮書2-6ページを見せていただいて、施設配置計画の中に要するに冷却塔があるわけですね。ちなみに、この冷却塔からは水蒸気等々の白煙が出るということはないでしょうか。というのは、今回確か説明があったと思うのですけれども、もともとどうして乾式脱硫にしたのかというのは、この周りの住民の方が、既存の隣の事業者さんから白煙がいっぱい出るというのが一番気になるということで、その事業者さんも湿式から今度は乾式に脱硫のほうを変えたと。今回もだから乾式になっているので、煙突からは白煙は出ないのですが、冷却塔からも白煙は出ないのですか。これもかつて、他の響灘のほうのバイオマスは混焼だったと思うのですけれども、冷却塔が空冷であるといったときに白煙のことがかなり……、今日欠席されていますが、他の委員からもそういう質問があったのですけれども、それでお聞きしています。

事業者
 今回のプラントは、従来冷却塔というものは、蒸気タービンのコンデンサーの冷却水を冷やすがために多量の循環水を冷やしていたわけです。今回それをやめて空冷の、言うならばラジエーターと称したほうがいいのでしょうか、そういう空冷式復水器、コンデンサーですね。いわゆるラジエーターの形のものを使っておりますので、ある意味、大型の冷却塔は設けることを考えておりません。しかし蒸気タービンあるいはボイラーを動かすために付属している小規模機器の冷却だけを専用にやる、普通のビルの上にあるような小型の冷却塔を別途設けます。だけど、大型の蒸気タービンの温排水を冷やす設備は空冷でやりますので、一切そういう白煙はそこから出てまいりません。ましてや温排水というものは出ない、クローズに回っていますので、そういう設備にしております。

楠田会長
 それでは、よろしゅうございますでしょうか。それでは、ご発言がございませんので、この審議はこれをもって終了させていただきます。どうもご説明、ありがとうございました。

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