ページトップ
印刷用ページ(新規ウィンドウで表示します)
現在位置:トップページ > くらしの情報 > 環境・住まい > 環境 > 環境保全 > 環境影響評価制度 > 環境影響評価審査会 > 第46回議事要旨(令和元年11月19日)
ページ本文

第46回議事要旨(令和元年11月19日)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000152501

1 日時

令和元年11月19日(火曜日)14時00分-16時00分

2 場所

ホテルクラウンパレス小倉9階「アルタイル」

3 出席者

委員
 
藍川委員、荒井委員、伊藤委員、上田委員、大石委員、岡本委員、楠田会長、武石委員、豊貞委員、村瀬委員

事業者
 株式会社グローカル

事務局
 
環境局環境監視部環境監視課(環境保全担当課長他3名)

4 議題

(仮称)白島沖着床式洋上風力発電事業計画段階環境配慮書

5 議事要旨

(楠田会長)

どうも、ご説明ありがとうございました。それでは、ただ今から審議に入らせていただきます。先ほど来、ご紹介がございましたように、今回は配慮書の審査になります。あと、方法書と準備書と評価書という4段階の1段目でございます。

環境アセスメントは、ご専門の委員の皆様方に、改めて申し上げる必要もないのですけれども、事業者が4段階の図書を作成していく中で、よく市民の意見や審査会の答申を踏まえて、市長意見を受けて、実行可能な範囲でより環境に配慮した事業計画を作成していくという手続きの中の1段階目でございます。配慮書の段階では、まだ事業計画が確定していないものが幾つかあろうかと思われます。その段階では、文献調査によって環境面への影響を比較検討するということになります。あと計画が煮詰まっていくに従いまして、予測項目、手法等を確定していくということになります。その参考となりますご審議を、今日、お願いしたいと思っているところでございます。

それでは、まず初めに、武石委員より文書でご意見を伺っておりますので、まずは武石委員から、このご説明を頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

(武石委員)

事業者さんからご説明いただきたいと思ったので、事前に文書で出させてもらいました。ほとんど同じですけれども、少し一部変更させていただきますが、意見書に沿って読ませてもらいます。

白島(男島)については、福岡県指定の鳥獣保護区で特別保護区になっていまして、オオミズナギドリの集団繁殖地として知られています。それで、NEDOの実証研究でのレーダー調査、この場合、配慮書には7月のデータが5-8ページに載っていますが、それから、ほかにGPSロガー調査が行われていまして、7月の夜間調査では男島に出入りするオオミズナギドリのルートは、男島の西側海域に集中していて、その大部分が本事業の実施想定区域と重なるということは、本配慮書の図5.1-4。これはNEDOの7月レーダー調査結果ですが、それと、最初のほうにあります図2.5-1「事業実施想定区域」を重ね合わせますと、ぴったり一致するということになっております。

また、配慮書には載っていませんが、男島の付近の海域では営巣地での着地と飛び立ちの関係から、オオミズナギドリの飛翔高度の上昇が認められているということが、確かNEDOの実証研究で出ていたと思います。それは、配慮書には載っていないのでお示しはできないのですけれども、繁殖地のごく接近した所に事業実施区域を想定していますので、一般的な海上でのオオミズナギドリの飛翔高度ということではなくて繁殖地の出入りする、しかも島の少し高い所にオオミズナギドリ繁殖地はありますから、男島に近づいた所ではオオミズナギドリの飛翔高度の上昇が認められるということになります。

それともう1つあって、この意見書には書きませんでしたが、オオミズナギドリの繁殖期間は、大体3月くらいからやってきて11月上旬に幼鳥が巣立っていくのですが、かなり長い期間繁殖地に依存して、そこで出入りするわけです。それで、NEDOの実証研究などで出されているデータ調査とかGPSロガー調査というのは、かなり限定された期間でのデータしか取れていなくて、3月-11月までの長期にわたって、白島(男島)の繁殖地にオオミズナギドリがどのようなパターンで出入りするのかということは、まだ調べられていないと思います。それで、何らかの判断をする場合、NEDOの実証研究を引用されるのはいいのですが、調査期間がかなり短いということを考慮しておかないといけないと思います。

繁殖地の出入りをするのが、西側海域の方向で出入りするルートがあるということと、島に近い時には、飛翔高度が上昇するということと、滞在期間が3月-11月までと長い期間にわたっていることなので、既にいろいろな調査者が示したデータは、かなり短期間のデータしか示されていなくて不十分であるということ。その3点から言って、オオミズナギドリの集団繁殖地にかなり接近した所に事業実施区域を設定するということは、それよりもっと遠い所に事業実施区域を設定したほうがリスクを比較した場合、当然のことながら繁殖地に近い所よりは遠い所のほうが、オオミズナギドリに対するリスクは低くなるだろうと。繁殖地に近い所ではリスクは高いだろうということは、一般的に言えると思うのです。

それで今回、これは計画段階環境配慮書ですが、配慮書の意味というのは、基本的には複数案を設定して検討すると。そのことによって事前にある環境予想、この場合でしたら、オオミズナギドリの繁殖、個体ビジーに対するリスクですね。それに対する影響を回避する、低減するということを検討するために複数案を設定してほしいわけです。ところが今回の場合は、複数案は設定されておりませんで、白島の西側区域でかなり接近した所に1カ所実施想定区域が設定されています。

それで、配慮書の中では、環境省の技術ガイドの中で「区域を広めに設定するタイプ」に想定しているので、このような区域でよろしいんだという文面が、確かあったと思うのですが、この場合、設定された区域そのものが、白島へオオミズナギドリが出入りするルートとぴったり重なってしまっているわけですから、そこの区域の中で風車2台を2キロメートル間隔で並べたときを、あれこれいろいろ考えたときに、区域を広めに設定していると主張されていますけれども、その区域全体そのものがオオミズナギドリ飛翔ルートときっちり重なってしまっているものですから、意味がないと言いましょうか、「区域を広めに設定するタイプ」には該当しないのではないかと、私は思うのです。

それで、原則に戻って複数案を設定していただきたいと私は思うので、そこで質問です。複数案を設定できない理由を教えていただきたいということです。

(楠田会長)

ありがとうございます。それでは、ただ今の武石委員からのご質問につきまして、事業者からご説明をいただけますでしょうか。

(事業者)

武石委員、ご指摘ありがとうございます。ご指摘いただいたとおり、白島は鳥獣保護区でありまして、オオミズナギドリ等の繁殖地であることから、当該海域に関しては鳥類に留意すべき海域であるというのは、私どもも認識しております。

先ほど島への出入り、あとは上昇でデータ期間が短いということも認識しておりまして、今後の方法書以降においては、現地調査において鳥類の分布、飛翔ルート等を確認して、影響予測評価をしたうえで、可能な限り回避低減すべく環境保全措置を実施する方針でございます。

加えて複数エリアの、今回の設定エリアに関してですけれども、本配慮書における実施区域の選定に関しては、風況及び水深等の事業性の検討を踏まえ、配慮書の作成以前の段階に、漁業との共存・共生を図るべく、地元の事業者との協議の中で、まず、共同漁業権筑共第17号の中における事業の実施の仮同意を頂いたというところが前提になります。その中で、弊社といたしましては、当初、当該漁業権内にて複数案、設置エリアを検討しております。具体的には、女島の南側海域、男島及び女島間の海域、加えて本事業実施想定区域北側の海域を検討しております。

女島南側の海域に関しては、藻場の存在が事前調査で分かっておりましたので、そのことを考慮したのと、その南側の北九州響灘洋上ウインドファームとの距離が非常に至近になることから、その影響を考慮して、その関係者からも実施エリアから外してほしいという意見も頂戴しておりました。男島及び女島間の海域に関しては、ここも藻場の存在があります。加えて、漁業関係者との協議の中で、漁船の通行路帯となるため、設置を避けてほしい旨の意見を頂戴しております。本事業実施想定区域北側に関しては、海上保安庁との協議の中で船舶の航行自体と照らし合わすと、船舶交通量の多いエリアの至近になるため、可能な限り南側に設置エリアを持ってくるようにというご意見を頂いております。こういった中で、白島沿岸には藻場の分布が確認されておりますので、その藻場を避ける形で設定をしたような状況でございます。

この件につきましては、環境面以外の判断材料もありますけれども、上記住民協議の内容をもって、この配慮書につきまして当該事業実施想定区域を提案させて頂いた状況でございます。

(楠田会長)

ありがとうございます。それでは、武石委員、お願いします。

(武石委員)

すみません。もう1つ質問です。結局のところ、共同漁業権の中に風車を設置してもらいたいという希望が強いと。それに沿って設定したということですか。よく詳しいことは分からないのですけれども、一般的には漁業する所から、藻場もそうですが、離して設置してほしいと普通言われるのかなと思うのですけれども、この場合は共同漁業権内に設置してもらいたいということがベースになっているのですか。

(事業者)

そうですね。地元の方との協議の中で、権利主体を明確にするという目的もあるのですけれども、ここの漁業権の中であれば、私たちは同意できますよという話を、事前に漁業関係者から同意を頂いているという状況です。

(武石委員)

漁業権の外に設定してはいけないのですか。

(事業者)

水深の関係もございます。これは、着床式ですので50メートルよりも浅い海域でという所を我々も考えておりますので、そういった条件が合致しているというところで、漁業者さんとは同意をしているという状況です。

(楠田会長)

よろしゅうございますでしょうか。

それでは、ほかのご意見、ご質問を頂戴いたします。村瀬委員、どうぞ。

(村瀬委員)

今、藻場の話が出ましたが、スライドの13番目のところに、黄緑色で藻場のエリアが示してありますけれども、これは1990年頃に、当時の環境庁がまとめた第4回の自然環境保全基礎調査が基になっているのですよね。これは、確か水深が20メートルよりも浅くて、1ヘクタール以上ある場合の藻場に関して、漁業者あるいは、ここだと福岡県の行政、水産試験場辺りに聞き取りで確かめてマッピングしているはずです。

そういう意味で言いますと、事業予定地の水深が20メートルから40メートルということと、あと、我々下関側のほうでいろいろ調査していますと水深20メートル以深でも、藻場を構成するツルアラメという種類の海藻が生育しています。この海藻というのは、日本で一番深い約200メートルまで生育していたという記録があるくらいなので、現地の底質に岩が混ざっているようであれば、あるいは礫があれば十分着生するような海藻です。こういった藻場を構成する海藻類が分布しているかどうかというのは、今回の文献調査でなかなか明らかにはならないと思うので、これ以降の方法書で議論するうえでは、現地調査で、まず事業海域の底質がどうなっているか、それから、実際にダイバーなりROVロボットを潜らせて、藻場があるかどうかというのを確認していただきたいと思います。

関連して、藻場があれば、いろいろな魚類が集まって来る。そして、魚をエサにするような鳥類といったものもいるということですので、併せて魚類など動物類の生息調査も必要ではないかと考えています。

(楠田会長)

ありがとうございます。それでは、次のご発言、頂戴いたします。

それでは、まずは荒井委員から。

(荒井委員)

すみません。参考までにお聞きしたいのですけれども、この事業とバットストライクについては、どうお考えでしょうか。

(事業者)

コウモリにつきましても、既存資料で調べましたが、分布状況、あと生息場所がこの範囲に見られなかったというのが現状でございます。専門家に聞きまして、必要であれば、鳥と一緒に現地調査を含めていきたいと考えております。

(荒井委員)

私自身、全部文献をチェックしているわけではありませんけれども、白島にコウモリ類が生息している可能性があると影響があると思われるのです。それで、まだ出ていないと私は思うのですけれども、白島の調査結果みたいなもののチェックというのはいかがされたのですか。

(事業者)

我々は、コウモリに関する環境省のデータベースを基に調べてまいりました。そこには分布域が見られませんでしたので、今回につきましては予測評価の対象にはしておりませんが、専門家からそういった状況があるということであれば、報告書の中に現地調査を盛り込んでいこうかと考えてはおります。

(荒井委員)

ぜひ、白島にコウモリのねぐら集団があるかどうかのチェックをしていただけたらと思います。

(事業者)

承知しました。

(楠田会長)

それでは、大石委員、お願いします。

(大石委員)

これが出来上がってしまった場合には、ほとんど影響はないと思うのですけれども、工事の途中で、今、配慮書の4-1を読んでいるのですが、「騒音・振動・水の濁りの発生は最小限にとどめ、環境への負荷を最小限に押さえる方針とする」と明記されているのですが、同じ3-135の6「水底の底質」のところに、やはりこれは規制がかかっていると。それは、「海洋汚染及び海上災害」ですね。そうすると、「金属等を含む廃棄物に係る判定基準」と書いてありますので、ただ単に濁りだけではなくて、ここにこう書いてある以上はこの底質への配慮。どういう物質かというのを、やはりそれに対する配慮が必要ではないのかと思います。

この一番近くの、今日もらった資料の2番というのは、これは浮体式なので、この付近のデータはないと思うのです。ここであるのは、5の沿岸の所に4カ所、底質の調査は載っていました。ほとんど、検出限界以下か基準内だったのです。やはり、単に濁りだけではなくて、ここで判定基準がある以上は、金属を含むさまざまな物質について、一応、ある、なくても、やはりここの底質が濁ったとしても、有害物質の拡散はありませんよという証拠は、ひとつ次の、そういう配慮をしていただけないかと思います。

(事業者)

承知いたしました。先生から頂いたコメントを参考にさせていただきまして、底質に関しても有害物質を含む可能性がありますので、工事中の環境影響評価項目として底質も考えていきたいと思います。

(大石委員)

よろしくお願いします。

(楠田会長)

ほかに、ご発言はありませんでしょうか。はいどうぞ、藍川委員。

(藍川委員)

大気質の関係からご質問させていただきます。ご発表の資料の9枚目に「7.工事計画の概要」というスライドがあって、基礎工事・設置工事・電気工事という期間がそれぞれ示されています。実際に設置する場所は沖合だと思いますが、この期間に機材・資材の運搬を、どの程度の規模で、どういうルート、どういう車で行うのでしょうか?規模等によっては、トータルで1年くらい設定されている期間があると思うので、どういう時期にどういう車両を使って何を運んで、その結果、大気質にどういう影響があるかという記載がこの中に一切ないのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

(事業者)

まだ具体的に、工事の内容が決まっていないというのが現状でございまして、先生がおっしゃられますように、そういうものを決めて、必要に応じて大気への影響も考えていきたいと思っております。

(藍川委員)

よろしくお願いします。

(楠田会長)

ほかにございませんでしょうか。どうぞ、上田委員。

(上田委員)

共同漁業権の件ですけれども、本文のほうの3-116ページに共同漁業権が示されています。今回の事業実施想定区域は白島の周辺ですけれども、そこが筑共第17号に指定されているということは、そこは非常に漁場として、先ほど村瀬委員もおっしゃいましたけれども、例えば重要な藻場があるとか、ここでは簡単に「海底は岩」というふうに書いていますけれども、それがどうかもはっきり、今の段階では細かいところは分かりませんよね。場合によっては、砂場があったり岩場があったり、さまざまな生き物がいる。それで、豊かな生態系が成り立っているところだから、漁場として皆さんが入る共同の場所になっていると思うのです。

どうしてその場所を、漁民の方が、風力発電をわざわざ設置していいというのが、私はすごく矛盾に感じて納得できないのです。お話し合いを持たれた中で、そこら辺の説明はしていただけますでしょうか。

もしくは、どなたが納得されて、それがいいということになったのでしょうか。

(事業者)

非常に難しいお話しだと思うのですけれども、我々、この事業をいろいろ進めていくにあたりまして、関係者といろいろ協議をさせていただく中で、今回、配慮書のほうの審査会という運びになっております。

その中で、漁協関係者と度重なる協議をいたしました。その時に、お互いの思いというものを言い合うわけですけれども、我々としましては、事業者サイドに立てば、水深の問題であるとか、さまざまな問題がございますが、この漁業権内でいかがでございましょうかということでお話をさせていただきました。

今、同意書等の手続きを取っているところでございますけれども、漁協のほうからはこの風車の設置に向けて、今の漁業権内ではあるけれども、現状の操業実態からすれば、全く影響がないという問題ではございませんけれども、さほど問題はないであろうというお考えをお聞きして、この海域を、我々として仮決定させていただいているところでございます。

しかしながら、全く影響がないということではございませんので、この風車の設置にあたって、また漁業振興というものも併せて取組みをしていく必要があるのかなと。事業者としても、漁業振興に何か役立つようなことを、今後、考えていく必要があるのかなということを、考えているところでございます。

(上田委員)

もう一言だけ、すみません。この筑共第17号は、「アワビ、トコブシ、エゴノリ、アラメ、ナマコ、タコ、ウニ等」という、全く本当に、魚ではなくて、浮いたものではなくて、底物とか藻場にいるものが対象になっています。それで、影響がないわけはないと思うのです。私たちアセスメントの委員としては、漁業者が同意したらそれでいいというものではないような気がするのです。そこのところを、よく理解されてほしいと思います。

それと、配慮事項の選定のところに、鳥とかスナメリとか、コウモリも入るかもしれませんけれども、そういう上位の生き物だけで、それ以外のものは影響がない、選定しなくていいと言うには、実際に使われたデータは遠い場所ですよね。もっと陸地に近い、離れた場所のデータしかなく、実はこんな島のすぐそばで、こういう事業があるというのは、極めて珍しい例だと思うのです。なので、もう一回いろいろ考えられて、本当に選定する必要がないのかどうかというのは、考慮いただきたいと思います。それは、海藻もそうだし、海底もそうだし、水質もそうなのですね。環境の変化が激しい所だし、生き物の豊かな所ですから。

(事業者)

本日いろいろ、委員の皆様方からご意見を頂いておりますが、次のステップに向けて、いろいろな文献だけではなくして、現地調査であるとか現地の方々の情報等、また調査をいたしまして、それらに対する配慮といいますか、そういったものも必要であれば、講じてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

(上田委員)

よろしくお願いします。

(楠田会長)

それでは、伊藤委員、よろしくお願いします。

(伊藤委員)

まず1つは、言葉の意味が分からないので教えていただきたいのですけれども、12ページの3「海底地質は岩が分布し、重要な地形及び地質は存在しない」の「重要な」というのは、どういうことなのか、まず教えてください。

(事業者)

重要地形につきましては、重要な地域が指定されておりまして、典型地形というような形ですけれども、そういうものがここにはないということを示しております。

(伊藤委員)

典型地形……

(事業者)

典型地形というような形で、重要な地形というのは、生物とかも希少種という形であるかと思うのですけれども、地形に関しても重要地形という指定があります。

(伊藤委員)

指定があると。そういう意味ですね。

そこにはつくってはいけないという、何かありますか。

(事業者)

そういうものがある場合には、環境に配慮するようにということです。

(伊藤委員)

そういう意味ですか。分かりました。

何となく島に近いというのは、今いろいろ漁場の藻場の問題とか何とかで、何となく離したほうがいいかなという気はするのですけれども、多分、水深の問題で限界があるのだろうとは思っていて、ここの地形の問題とかそういうもので、もし重要な地形ということであれば、将来、そういう分布なども、情報として出してほしいと思います。

もう1点は、この環境影響配慮とはあまり関係ないかもしれませんが、いつも思うのですけれども、何となく、白島のケーソンが、昔、台風でひっくり返ったというイメージがすごく強くて、海上構造物が台風等で崩壊したりとか、陸上でもたまにブレードが落ちたりとか、台風でありますね。そうした時の、海の藻くずになることによって環境破壊が起こるといいますか、それの回収が難しいのではないかと思うのですけれども、そこら辺の対策があるのかどうかというのをお聞きしたいです。

(事業者)

お答えになっているかどうか分からないのですけれども、原則論で申し上げます。そういうふうな破壊されたとか、耐用年数がきたということにつきましては、原則、もうすべて撤収という形で、いかなることがあっても、そういうことは取り組んでいかないと。そのまま海に放置するということは、海洋汚染もさることながら、やはり海上交通の問題であるとか、さまざまな問題が出てまいりますので、撤去というお答えを、今の段階ではさせていただければと思います。

(伊藤委員)

このブレードは、基本的に、もしそういう場合は海に沈むと考えていいですか。

(事業者)

はい、沈みます。今の日本のサルベージ技術というのは、相当進んできておりますので、今のブレード1本や2本だったら、30メートル、50メートルの所でしたら、お金はかかりますけれども、さほど大きな問題ではないという認識を持っております。

(楠田会長)

ほかに。はい、藍川委員。

(藍川委員)

すみません、記載について1点確認をさせてください。要約書のほうの3-3ページで、大気質の5、PM2.5のところですが、2行目で、1日平均値は1立方メートルあたり32.5-35.8マイクログラムであるという記載がありますが、これは、1日平均値の98パーセンタイル値という意味ですか。

(事業者)

すみません、ちょっと今、手元……本編のほうを確認させていただきまして、あとでお答えでもよろしいですか。申し訳ありません。

(藍川委員)

結構です。上の1-4のところは、いわゆる環境基準の判断基準を念頭に置いて、98パーセンタイル値とか、2パーセント除外値とかいう記載があって、その数値と比較しているのだということを記載されていると思うのですが、PM2.5も同じように1日平均値は98パーセンタイル値で比較しますし、1日平均値が35.8という意味がよく分かりません。それは、年間平均値になってしまう気がするのですけれども、1日平均値は365個あるはずなので、365個×測定局数の値の幅がこういうことだということではないのではないかと勝手に想像して、98パーセンタイル値ではないでしょうかというご質問ですが、あとでご確認いただいて、もし、98パーセンタイル値ならそう書いていただくほうが誤解はないと思います。必要なら、次の方法書の時に直していただければ、正確になるかなと思います。よろしくお願いします。

(事業者)

確認させていただきます。はい。

(楠田会長)

ほかに、ご発言ございますでしょうか。はい、村瀬委員。

(村瀬委員)

スライドの26枚目のところで、海棲哺乳類スナメリと魚類カナガシラということで、カナガシラを対象としたのは、漁業対象種だからですか。それとも本当に、単に水中音の影響を受けるということで、既往の文献があるのでそれを対象にしたのですか。

(事業者)

カナガシラにつきましては、水産庁の希少種に選定されておりまして、そういう意味で、ここで抽出させていただきました。

(村瀬委員)

分かりました。それから、水中音以外にも、振動というのも結構水中では伝わりやすいと思うのですけれども、それに対する魚類とか海棲哺乳類、希少種の影響とか、あるいは漁業対象種の影響というのは、既往の知見ではあまりないのですか。

(事業者)

そうですね、洋上風車に関して調べたところ、水中音という部分が多くて、振動に関わる海底哺乳類とか魚類にあまり知見を確認していない状況で、もしそういうものがあれば、それも検討の対象にしていきたいと思います。

(村瀬委員)

方法書において、振動の部分を少し気に掛けてもらえればと思っています。お願いします。

(事業者)

承知しました。

(楠田会長)

ほかにございませんでしょうか。はい、岡本委員。

(岡本委員)

今の水中音に関連するところで、26枚目のスライドに予測式があると思うのですけれども、説明の中で、平均的なパラメータを使用されているということだったのですが、この海域でこの平均的なパラメータを使用するのが妥当かどうかという判断ができるような記載を、本文のほうにも記入していただければいいと思います。少し説明が不足しているかなと感じました。

(楠田会長)

はい、ありがとうございます。

(事業者)

承知いたしました。

(楠田会長)

ほかに、ご発言ございませんでしょうか。

衝突率のところで、非常にテクニカルなことで恐縮ですが、少しお教えを頂きたいのですけれども、衝突するかしないか、接触するかしないかというのは、この羽根が、ブレードがスイープする面積に対して計算されていますね。ですから、1周回るときの時間に対して、通過する必要時間、頭からしっぽまで、羽根の先まで通過する時間で割られているわけですね。

もしそうでしたら、ブレードの幅が入っていないのではないですか。

(事業者)

そうですね。ブレードの幅のパラメータは入っておりません。

(楠田会長)

それで、ブレードの幅が入れられると、もう少し衝突率が変化するかもしれませんね。実際に、しかし、衝突したかしないかは、ブレードの幅が入ったもので鳥が当たっているわけですから、だから、ここの計算式のほうが正鵠を得ていないという表現の理解でよろしいですよね。

(事業者)

そうですね。我々もブレードの幅までは考えていなかったのですけれども。

(楠田会長)

ええ。まず、それはご検討いただければありがたいのです。そして、その計算をするときに、鳥の体の全長、ミサゴだと59センチとか、それで計算されているのですよね。

(事業者)

そうですね。鳥がどのくらいのスピードでそこを通過するかと。その通過する時間を割り出しまして、その時間にブレードがどれくらい回るかというところです。

(楠田会長)

だから、要するに、その固定座標系の中で、頭からしっぽ、羽根の先まで通過する時間ですよね。

(事業者)

はい。

(楠田会長)

そうしましたら、鳥は、いつも風に向かって飛ぶのですかね。風と共に下りていくケースはないのですかね。それで通過時間が、風速分を足したり引いたりしないと通過時間が出てこないように思うのです。それが全然説明がなくて、単純に鳥のサイズはこれです、飛翔速度はこれだけです、回転はこれですというと、計算の原理としては、数式は合っているのですけれども、細部のところの配慮が入っていない。風に向かって飛ぶ鳥が、風速と同じ速度で飛び続けていたら、羽根にいつも引っ掛けられてしまうことになる。空気中での移動速度は入らないから。だから、固定座標系から見た鳥の移動速度を取らないといけないのではないですか。

(事業者)

はい。その辺、風を考慮した飛翔速度等、知見を集めて反映できればと思います。

(楠田会長)

それで、衝突率のデータとして、海外での分がスライドの32ページに示してくださっていますね。ですから、これはEUのこの指令書に従って鳥を選択されているのですけれども、このデータが、どういう設定条件で計算されているのか。それぞれの鳥に対して、いつも風上に向かうのか、風と共に流れるのかとか、それに対して、このヨーロッパ、北海だとか、バルト海のところでたくさん立っていますけれども、それに対して、日本における条件は、どれだけ衝突率を計算するときにその条件が使えるか使えないかによって、この衝突比率の比較が、要するにベースが違っているもので比較してもしようがないので、ベースをそろえていただく必要があると思うのです。

(事業者)

委員がおっしゃられますように、この海外の出どころのベースの条件を詳細に検討しまして、今回、我々が行ったものとどう違うのか、あるいはベースをどうすれば一緒にして比較できるようになるのか、その辺、再度検討したいと思います。

(楠田会長)

それで、国内の論文も、もっと当たると書いている論文もありますし、海外の分でももっとたくさん論文が出ていますから、それをご検討いただければと思います。

(事業者)

承知しました。

(楠田会長)

どうぞ、藍川委員、お願いします。

(藍川委員)

今、会長が聞かれたので、その絵のところで少し教えていただいていいですか。スライドの25枚目の絵のところで、この色が付いて右の下に矢印が出ていて絵が描いてあると思うのですけれども、これは、あとから加えられた絵でしょうか、それとももともとの引用文献にこの絵が描いてあるのでしょうか。

(事業者)

これは、もともとの引用文献でございます。

(藍川委員)

そうですか。では、直しようがないと思いますが、この右下のSwの外側のところは、ブレードが通るのですよね。円弧とその三角形の端っこのところで囲まれた所が青くなっているのですけれども、ここは本来、青ではないですよね。

(事業者)

そうですね。ここも黒くなるかと思います。

(藍川委員)

ですね。はい、分かりました。でも、もともとがこうなのですね。

(事業者)

はい。もともと、環境省の手引きの絵がこういうものです。

(藍川委員)

分かりました。ありがとうございます。

(楠田会長)

でも、手引きですから、絶対従わないといけないことはないですよね。だから、よりベターな考え方を使われても構わないと。

(事業者)

はい。承知しました。

(藍川委員)

可能なら、直してください。

(楠田会長)

それでは、全体を通しまして結構ですが、ほかにご発言ございませんでしょうか。

村瀬委員、お願いします。

(村瀬委員)

配慮書のところで、3-98、3-99で藻場の調査結果が出ていますけれども、これは水深がどれくらいになるのですか。表中にはツルアラメなどの海藻の種名が出ていますけれども。

調査地点図を見ると、これは沖合ですよね。岸のほうではないですよね。

(事業者)

水深……そうですね、今ちょっと……。

(村瀬委員)

水深が分かれば、事業実施予定区域と近い水深であれば、こういった海藻も生育できる可能性はあるのだろうなという予測が付くので、まず、この既存の報告書で水深がどのくらいなのかを調べていただければと思います。

(事業者)

承知しました。

(楠田会長)

では、よろしゅうございますでしょうか。

それでは、ご意見、ご質問がございませんので、これで「(仮称)白島沖着床式洋上風力発電事業計画段階環境配慮書」の審査を終えさせていただきます。どうもありがとうございました。

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

メールを送信(メールフォーム)

このページについてご意見をお聞かせください

お探しの情報は見つかりましたか?

【ご注意】

  • 業務に関するお問い合わせなど、お答えが必要な場合は直接担当部署へお願いします。
    上の「メールを送信(メールフォーム)」からお問い合わせください。
    (こちらではお受けできません)
  • 住所・電話番号など個人情報を含む内容は記入しないでください。