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花菖蒲

更新日 : 2022年6月29日
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花菖蒲の花言葉

  • やさしい心
  • あなたを信じます
夜宮公園の花菖蒲
夜宮公園の花菖蒲 (小野 初雄様撮影)

花菖蒲の紀元

アヤメ科アヤメ属
野生のノハナショウブから品種改良されました。
(日本に分布しているアヤメ属には他にアヤメ、カキツバタ、ヒオウギアヤメ、シャガ、イチハツなどがあります。)

花菖蒲の歴史

稲作が始まった頃、暦がないので、雨の到来を、あやめ=ノハナショウブの開花で知りました。(まだあやめと呼ばれていました。)

 最初の文献は、『拾玉集』(平安時代後期から鎌倉時代初期の大僧正慈円の歌を集めたもの)で、「はなあやめ」として登場します。

 また、平安時代の終わり頃から、武士の甲冑の装飾に白抜きの花菖蒲紋様が多く見られるようになります。花菖蒲に邪悪な敵から身を守る霊力があると信じられていたからです。草原に点在する赤紫のノハナショウブから火を連想し、火が神聖なものとしての信仰に結びつき、霊験があると信じられていったのではないかと思われます。

 室町時代の「花伝書」には、花菖蒲が「生け花の材料」として使われていることが記されています。いつごろから人の手で栽培されるようになったかは定かではありませんが、原種や色変わりのものを栽培しているうちに交雑し、だんだん変化してきたのでないかと考えられています。

 江戸時代になると、1661年尾張藩主光友公が下屋敷・戸山荘内に花菖蒲園を作ったという記録があります。徳川将軍の花好きは、他の大名や旗本の追随を招き、この頃から本格的に栽培が始まり、品種の数も増えていきました。

 そして花菖蒲を飛躍的に発展させた松平菖翁(1773年から1856年)が登場します。江戸麻布桜田の2400坪の邸宅の中で60年以上も花菖蒲の改良に取り組みました。彼が作り出した品種は300にもなります。そして江戸系、伊勢系、肥後系となりさらに発展してきました。

花菖蒲の品種

江戸系・・・風雨に強く草丈が高い。平咲きが多い。

 花菖蒲を花菖蒲園で観賞する方法は江戸の庶民が作り出した江戸文化といえます。群生の美しさを観賞する方法なので、風雨に強く草丈も高いのが特徴です。上から見て見栄えする花被片(はなびら)が横に広がって咲く平咲きの品種が多いのも特徴です。

  江戸っ子は花弁が垂れた花より、花弁がぴんと水平に咲く平咲きや、抱えるような形をした受け咲きに「粋」を感じたようです。


清少納言(江戸系)

肥後系・・・花は大輪で花弁は広く重くなり、ゆったりと垂れ豪華で洗練されている

肥後熊本藩主の細川斉護公が松平菖翁の花菖蒲のことを聞き付け、何度も請い頼み、やっとで苗を分けてもらいました。
 この時の条件が秘蔵するということで、「花菖蒲門外不出の鉄則」が生まれました。大正時代、横浜に移った人が苗を売った事で広く出回るようになりましたが、今でも門外不出の伝統は守られています。
 この地方は開花時期に雨が多く庭での観賞が難しかったため、鉢に植え室内での観賞方法に代わったと考えられています。
 武士道に通じるものとして、花の中心の雌しべを精神に見立て、その大きさと形を大事にしました。それに相応しいように、また横から観賞するため、花弁が垂れたものへとなっていきました。


新児化粧(肥後系)

伊勢系・・・花弁が垂れた三英咲きが基本。草丈は一番低く花と花茎はほぼ同じ 

 江戸時代末期に熱心な花菖蒲愛好家の紀州藩士吉井定五郎が、江戸菖蒲のなかから、、花弁が垂れ下がったものなどを選び出し、改良を重ね、伊勢系を作り出したと考えられています。
 花弁が優雅に垂れた花菖蒲を観賞するには室内でなければなりません。肥後系より草丈が低く鉢植え向きに改良されています。「よく垂れていますなあ」と言うのが最高の賛辞だったそうです。
 


旭丸(伊勢系)

外国系

明治初期になると、米国に向けて輸出されるようになり、日本とは違う気候風土にあう品種改良が盛んに行われました。基礎となったのは、「江戸系」「肥後系」の品種ですが、外国人の好みにあった色調で、ボリュームのある大輪のものが多いようです。

あやめ科の他の花との見分け方

  花菖蒲 アヤメ カキツバタ ショウブ(サトイモ科)
原種
ノハナショウブ
原種
アヤメ
カキツバタ ショウブの花
生育場所 湿原や水分の
 多い草原
排水の良い草原 湿原 湿地
開花期 5月下旬から6月 5月上旬 5月中下旬 5月中下旬
花弁の元に黄色い目型模様がある。 花弁の元に網目状の模様 がある。 花弁の元に白い目型模様がある。 花は殆ど目立たない。
幅はさまざま。
主脈が葉の中央の表に1本、裏に2本、突出している。
幅は、花菖蒲より細い。
主脈は殆ど目立たない。
幅は、花菖蒲よりやや幅広。
主脈は目立たない。
幅は花菖蒲と同じで、主脈もはっきりしている。
独特の芳香があり、端午の節句の菖蒲湯に使われる。

原種ノハナショウブ

原種アヤメ

カキツバタ

ショウブの花

花菖蒲の育て方

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月
鉢植地植 株分、
植付
    肥料
消毒
    葉刈     肥料
消毒
   
株分、
植付
花が終わってすぐに、できるだけ梅雨の間にします。
肥料 元肥は厳禁です。
肥料は特に選びません。
春、秋の彼岸頃に施します。(春は控えめ、秋はやや多く)
根から離して、やります。
消毒 スミチオン等を散布する。
水やり 水はたっぷりやります。但し水草ではないので一年中水をためてはいけません。
腰水管理は楽ですが、あまり深くしない(1センチ位)方がよいようです。
特に、開花期は十分やります。
唯一水があまり必要でないのは葉が枯れて新芽が出るまでの間です。
日光 日当たりのよいところを好みます。
花が咲くまでは、できるだけ日照時間の長い所におきます。
葉刈 11月になると葉が黄変してきます。
黄変部分が緑の部分より多くなった頃、株元2~3センチを残して葉刈りをします。休眠期に入りますが、週に1度くらい十分に水をやります。

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