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市政だより令和8年8月15日号を深掘り!

更新日 : 2026年8月6日
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北九州を選んだ3人に聞く U・Iターンで見つけた、仕事・子育て・自分らしい暮らし

インタビューを受けてくださった村上さん、吉田さん、生田さん

 市政だより8月15日号では、U・Iターンで北九州市に移り住んだ3人を紹介しました。紙面では載せきれなかった、移住を決めるまでの思いや、仕事、子育て、人とのつながりについて、さらに詳しくお伝えします。

紙面に載せきれなかった、3人の「その先の話」

 住む場所を変えることは、仕事や家族、日々の過ごし方を見つめ直すことでもあります。

 埼玉県から家族で移り住んだ村上勝平さん。東京から北九州へ来て、地域交通や商店街に関わる吉田夏帆さん。関東で約10年間働いた後、地元へ戻って転職した生田篤さん。

 北九州へ来た理由も、現在の暮らし方も、それぞれ異なります。一方、3人の話からは、北九州の「人との距離の近さ」や「都市と自然の程よいバランス」、そして新しい一歩を受け入れてくれるまちの雰囲気が見えてきました。

Story01 村上勝平さん 「家族で暮らす場所として、北九州を選びました」

村上勝平さんの写真 村上勝平さん

村上勝平さん

Iターン・デザイン事務所経営・埼玉県出身

 村上さんが北九州市へ移住したのは、令和6年3月。北九州市出身の妻と2人の子どもとともに、埼玉県から移り住みました。

子育てを両親に近くで

 移住を考える大きなきっかけとなったのは、子育てをする中で、家族の支えの大切さを実感したことでした。

 妻の実家が近くにあることで、何かあったときにも相談しやすく、頼ることができる。その安心感から、北九州で暮らすことを具体的に考えるようになったといいます。

 長期休暇に家族で北九州を訪れる中で、食べ物のおいしさに加え、お店や地域の人たちが「客」としてではなく、一人の人として接してくれるような温かさにも魅力を感じました。

「街全体に『ようこそ』という雰囲気があるんです」

 移住後、周囲から「埼玉から来たの? ようこそ」と声をかけられることも多く、仕事でもプライベートでも、頼れる人が少しずつ増えていきました。困った人を助けてくれるようなまちの空気感に触れて、「友達のハードルが下がった」そうです。

自然も文化も、休日の選択肢が増えました

 埼玉で暮らしていた頃、休日の行き先はショッピングモールか公園が中心でした。

 北九州へ来てからは、勝山公園のイベントや各地のマルシェ、図書館、美術館、スポーツ観戦など、家族で出かける場所の選択肢が広がったと話します。

 子どもたちは中央図書館の子ども図書館がお気に入り。本を借りた後、そのまま勝山公園で遊ぶこともあります。体験型の展覧会やスポーツ観戦など、自然だけでなく文化にも気軽に触れられる環境を楽しんでいます。

 「田舎と都会のいいところ取りというか、自然にも文化にも、ちょうどよく触れられます」

 さまざまな催しがあり、「どこに行こうか選ぶことがうれしい悩みになった」と笑います。

仕事でも、人との距離が近くなった

 村上さんは、企業のブランディングをはじめ、WEB・ロゴ・印刷物のデザインを行うデザイン事務所の代表を務めています。

 埼玉にいた頃は、制作会社などを介した仕事が多く、依頼主と直接話す機会は限られていました。北九州では、依頼主から直接話を聞き、自分の目や耳で状況を確かめながら制作する仕事が増えたといいます。

 商工会議所の創業塾や移住者の交流会にも参加し、仕事を超えて付き合える仲間もできました。自宅のリフォームを仲間に依頼したり、その人の事業の立ち上げを手伝ったりと、公私をまたいだ関係が生まれています。

「ちょうどいい」は、北九州の魅力

 村上さんが外から来た人に伝えたいのは、北九州の「あらゆる意味でのちょうどよさ」です。

 街なかで暮らしていても自然に触れやすく、郊外に住んでいても中心部へ出やすい。地域ごとに異なる文化やイベントがあり、新しく来た人を受け入れる雰囲気もある「多様性のあるまち」だと感じています。

 「北九州の『ちょうどいい』を、もっと知ってほしいです」

家族について話す村上さん
仕事仲間について話す村上さん
休日の過ごし方について話す村上さん

Story02 吉田夏帆さん 「たまたま来たまちを、住み続ける場所として選びました」

吉田夏帆さんの写真 吉田夏帆さん

吉田夏帆さん

Iターン・タクシー会社 営業職・東京都出身

 吉田さんが東京から北九州市へ移り住んだのは、平成22年4月。最初のきっかけは結婚でした。

 当初は「北九州を選んで来た」という感覚ではなかったそうです。しかし、暮らす中でやりたい仕事や大切な人とのつながりが生まれ、東京に戻る選択肢もありましたが、北九州に住み続けることを自分で選びました。

海も山も街なかも、毎日の行動範囲に

 北九州で最初に感じた魅力は、暮らしの便利さでした。

 公共交通機関も電車やバス・モノレールと充実してますし、車があるとさらに海や山、いろんな場所へさらに気軽に出かけられます。遠出をしなくても、仕事や買い物、休日の楽しみが身近な範囲にそろっています。

 東京の郊外で育った吉田さんにとって、以前は電車に乗って都心へ出てから一日が始まる感覚がありました。北九州では、仕事を終えた後にも買い物や外出ができ、時間を有効に使えるようになったと言います。

 「人に揉まれて移動することが少なくなって、時間にも気持ちにもゆとりができました」

外から来た人にも「やってみたら」と言ってくれる

 吉田さんは現在、タクシー事業者に勤務し、八幡東区の地域交通や商店街の情報発信、イベントの企画などに携わっています。

 北九州で地域に関わり始めたのは、移住から数年後。施設のボランティア募集を見つけて参加したことがきっかけでした。その活動を通じてタクシー会社や商店街と縁が生まれ、現在の仕事へとつながりました。

 新しい企画を提案した際、地域の人たちは「前例がないからできない」とは言わず、「危険や大きな負担がないなら、好きにやってみたら」と背中を押してくれたそうです。

 「横のつながりは強いけれど、私のような外から来た人にも寛大で、優しいまちだと感じます」

多世代との出会いが、仕事と暮らしを豊かに

 地域交通や商店街の仕事では、高校生から90歳を超える人まで、さまざまな世代と接します。

 一緒に食事をしたり、イベントを企画したり、困ったときに声をかけ合ったり。東京にいた頃は、急に誰かを食事へ誘うことに遠慮がありましたが、今では吉田さん自身も「一緒に食べた方が楽しい」と、自然に人をつなぐようになりました。

 枝光本町商店街で出会った人たちは、仕事上の関係だけでなく、吉田さんの暮らしを支える大切な存在になっています。

暮らすたび、地域ごとの魅力を発見

 北九州には、地域ごとに異なる祭りや文化があります。

 黒崎の山笠、若松の港町の風景、皿倉山、高塔山から眺める洞海湾。暮らす場所やライフステージが変わるたび、新しい発見があると吉田さんは話します。

 中でも、通勤時に目にする若戸大橋や洞海湾の景色がお気に入りです。

 「この景色を毎日見られるのは幸せだな、と思う日があります」

 移住を考えている人には、「北九州は田舎というより、便利で暮らしやすい都市。いろいろな働き方ができるまちです」と伝えたいといいます。

仕事について話す吉田さん
商店街の皆さんについて話す吉田さん
枝光や若松について話す吉田さん

Story03 生田 篤さん 「地元へ戻ることは、新しい挑戦の始まりでした」

生田 篤さんの写真 生田 篤さん

生田 篤さん

Uターン・製造会社 総務職・北九州市出身

 関東で約10年間働いた後、北九州市へUターンした生田さん。

 家族のことを考え、いつかは地元へ戻ろうと思っていましたが、具体的な時期は決めていませんでした。前の会社を退職しようと考えたとき、「このタイミングで帰ろう」と決断しました。

一番の不安は「戻って仕事があるのか」

 Uターンを決めた生田さんが、最初に抱いた不安は仕事でした。

 関東ではシステム関係の仕事に携わってきましたが、その経験を生かせる仕事が北九州にあるのか、具体的に想像できなかったといいます。

 そこで利用したのが「北九州市U・Iターン応援オフィス」です。登録して履歴書や希望する仕事内容を伝え、求人を探していたところ、現在の勤務先からオファーが届きました。

 面接を受ける中で、自分の経験を強く求めてもらえていると感じ、入社を決めました。

 「戻ってきても仕事があるんだろうか、という不安がありました。でも、思っていた以上に新しい機会がありました」

通勤時間が減り、家族と話す時間が増えた

 関東では、電車を乗り継いで通勤していました。混雑した電車に乗り、会社に着いた時点ですでに疲れていると感じる日もありました。

 現在の職場は、徒歩や自転車で通える距離にあります。雨の日にはモノレールを使うなど、移動時間も体への負担も大きく減りました。

 家に帰れば家族がいて、一緒に食事をし、会話をする時間があります。

 「関東では、家に帰ってからも一人で全部考えていました。今は家族と話す時間があり、ゆっくりできるようになりました」

 家族の近くにいる安心感は、生田さん自身だけでなく、家族にとっても大きなものになっています。

Uターン後に始まった、新しい仕事

 生田さんは現在、総務に加えて人事の仕事にも携わっています。

 未経験の業務も多く、上司や周囲に教わりながら、一つずつ取り組んでいます。関東で働いていた頃よりも、自分が表に立って動く機会が増え、主体的に仕事を進める場面も多くなりました。

 かつてU・Iターン応援オフィスから企業を紹介してもらった生田さんが、今後は人事担当者として、北九州で働きたい人へ声をかける立場になるかもしれません。

 「自分の経験があるからこそ、U・Iターンを考える人の不安が分かる部分もあります」

若い頃には気づかなかった、地元の魅力

 北九州へ戻った後、以前は訪れたことがなかった美術館へ足を運んだり、世界文化遺産となった官営八幡製鐵所の関連施設を眺めたりと、地元の魅力を新たに発見しています。

 関東に比べれば、街は過度に混雑していません。一方で、買い物や文化施設、仕事の機会など、暮らしに必要なものはそろっています。

 生田さんは、そのバランスを「程よさ」と表現します。

 「にぎわいはあるけれど、ぎゅうぎゅうしすぎていない。その程よさが心地いいんです」

 戻る前は「地元で自分にできることがあるのか」と考えていましたが、今は仕事を通じて、北九州が盛り上がる一助になりたいと考えています。

関東での暮らしを振り返る生田さん
会社や家族について話す生田さん
健康的な暮らしについて話す生田さん

3人の話から見えた、北九州の「ちょうどいい暮らし」

 3人が北九州を選んだ理由は、それぞれ異なります。

 家族の近くで子育てしたい。人とのつながりを感じながら働きたい。人生の節目に地元へ戻り、新しい仕事に挑戦したい。

 その選択の先には、都市と自然の近さ、移動にかかる負担の少なさ、地域ごとに異なる文化、そして新しく来た人を受け入れる人々との出会いがありました。

 Uターンで戻る人にも、Iターンで初めて北九州に暮らす人にも、このまちは新しい日常を始める場所になっています。

 北九州で暮らすこと、働くことを、あなたも少し想像してみませんか。

取材後記

外から来た人の視点が、住み慣れたまちの魅力を照らしてくれた

 今回の取材で共通して聞こえてきたのは、「人の距離の近さ」でした。

 村上さんの「友達のハードルが下がった」という言葉。吉田さんが地域に密着した仕事や多世代との交流を通して、このまちでの暮らしを深めていったこと。そして、Uターンを決めた生田さんにお声掛けした職場やご家族の存在。

 都会の喧騒の中では、誰かに声をかけることすら少し勇気がいるかもしれません。けれど、北九州には「やってみたらいいやん!」「こっちおいで!」と背中を押してくれる空気感があります。

 また、3人ともお休みの日には、車や公共交通でいろいろな場所に出かけているとのこと。都会すぎず、田舎すぎない。車を少し走らせれば海も山もあり、一方で美術館やスポーツ施設もすぐそばにある。皆さんが明るい表情で話してくださったのが印象的でした。

 北九州市が持つ「ちょうどよさ」の正体は、利便性に加え、北九州の人たちが持つ「親しみやすさ・温かさ」にもあるのだと、改めて感じました。

 移住は大きな決断ですが、3人の心地よさそうな暮らしぶりを通して、私自身も住み慣れたこのまちの新しい魅力を再発見する取材となりました。

 この記事が、あなたの新しい一歩を想像するきっかけになれば幸いです。

 これからも、北九州で暮らす人の声に耳を傾けながら、このまちの良さを丁寧に届けていきたいと思います。

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