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令和7年度 調査研究概要

更新日 : 2025年10月28日
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令和7年度 調査研究概要
  No. 調査研究テーマ 概要 共同研究機関 期間
環境部門 1 化学物質環境実態調査(エコ調査) 【環境省受託】 環境汚染の危険性があると推定される化学物質について、汚染実態を調査し、環境リスク評価のためのデータを蓄積する。 環境省受託 令和7年度
2 GC/MSによる全自動同定定量システム(AIQS-GC)を用いた市内公共用水域の平常時の水質データの蓄積 事故・災害等の発生に伴い拡散された化学物質による人の健康や生態系への影響を評価するためには、平常時のデータは有用な情報となる。本研究では、全自動同定定量システム(AIQS-GC)を用いて市内の公共用水域の水を分析し、平常時の化学物質の検出状況や濃度レベルを把握することを目的とする。 北九州市立大学 令和5~7年度
3 LC/MS/MSを用いたPFAS分析体制の確立に向けての取組み 令和2年、環境基準等が見直され、PFOS、PFOAが新たに要監視項目に位置付けられると共に、指針値が定められた。(PFOS、PFOA合算で50 ng/L以下)
現在、WHOをはじめとする諸外国では、飲料水の規制強化に向けた取組みが活発化しており、今後、日本においても規制強化を経て、環境水に影響が及ぶ可能性が高い。(指針値の変更、要検討項目⇒環境基準への変更、排水規制等)
上述の動向を受け、行政部局から保健環境研究所に対する独自での測定ニーズが高まっており、環境部門におけるLC/MS/MS操作のスキルアップも兼ねて、測定体制の整備を目指す。
  令和5~7年度
4 大気事故・苦情に係る検査依頼への対応力向上の取り組み 令和3年度に水質事故や苦情に係る検査依頼への対応能力を向上させるために、原因を追究する実施手順を整備した。今回は、大気事故や苦情(工場火災や悪臭苦情など)に係る検査依頼への対応能力の向上を目的に体制整備を図る。   令和6~7年度
5 市内の基礎生物調査 環境局では、北九州市生物多様性戦略(2025年~2030年)を策定した。世界共通の目標とした「Nature Positive」を標榜し、各種事業を展開することとなっている。また、希少生物情報に関しては、福岡県が所管している。こうした状況の中で、北九州市民目線での“身近な自然環境”情報を整理することを目標とする。   令和7~9年度
微生物部門 6 北九州市におけるムンプスウイルス流行状況調査 市内でのムンプスウイルス(MuV)流行の実態を把握することを目的に、市内医療機関から搬入される感染症発生動向調査の検体において、その疑いがあるものについてMuV の検査を行う(平成26年度~令和5年度は国立感染症研究所のAMED研究として分担研究していたもの)。   令和6~7年度
7 市内におけるネコの重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス保有状況調査 SFTSは、マダニからの刺咬だけではなく、イヌやネコなどからヒトが感染し死亡した事例もある。
特にネコのSFTS発症例が多いことから、市内におけるネコのSFTSウイルス保有状況を調査するもの。
  令和5~7年度
8 北九州市におけるインフルエンザウイルスの系統解析 当所の従来のインフルエンザウイルス検査ではAH1、AH3、Victoria、Yamagataについて同定検査を行っているが、遺伝子解析までは行っていなかった。本研究ではAH3と判明した検体についてサンガーシークエンサーにて遺伝子解析後、系統解析を行い、市内での流行するインフルエンザウイルスの詳細な傾向を把握していく。   令和5~7年度
9 ふきとり検体からのノロウイルス検出法の改良及びふきとり検査による弁当等製造施設のノロウイルス食中毒予防対策支援 食中毒調査の際に、感染経路推定のためにふきとりが行われるが、ふき取り検体からのノロウイルス検出法の迅速簡便化を目的に、新試薬を検討する。また、保健所と協力して、給食・弁当等製造施設を対象にふきとりし、新試薬を用いてノロウイルス検査し、その結果を食中毒予防等の衛生管理に活用してもらう。   令和6~7年度
10 次世代シーケンサー(NGS)を活用したエンテロウイルスの全ゲノム解析の検討 当所では、Covid-19の変異株の流行状況を詳細に把握するため、令和3年度に次世代シークエンサー(Miseq)を導入し、現在、更なる活用を検討している。本研究では、毎年多数の感染が確認される手足口病やヘルパンギーナの原因ウイルスであるエンテロウイルスを対象に、 全ゲノム解析の手法の確立を目的とする。   令和6~7年度
11 感染症予防対策の効果の検証および効果的啓発資料の作成 新型コロナ感染症の流行時、対策の基本となった「マスク着用」、感染経路として考えられた「洋式トイレ洗浄時の蓋の開閉」「歯磨き」等について検証を行い、所内・局内研修等向けに写真・映像資料等を作成する。   令和6~7年度
12 食品からのノロウイルス検出法としてのパンソルビン・トラップ法の確立に関する研究 当所では、ノロウイルスに関する検査について、便検体を用いた検査法は確立しているが、食品を用いた検査について確立していない。
そこで、本研究は、食品を検体としたノロウイルス検出法について検討する。
  令和7~8年度
13 北九州市における急性呼吸器疾患の検体中におけるRSウイルスを含む呼吸器系ウイルス検出に関する研究 市内でのRSウイルス(以下RSV)を含む呼吸器系ウイルスの流行の実態を把握することを目的に、RSVを含む呼吸器系ウイルスについて検査を行う。本研究では、感染症発生動向調査の検体から、症例定義に即した検体(インフルエンザ様症状のような急性呼吸器症状を示すもの)を収集し、陽性率を把握する。 国立感染症研究所 令和6~7年度
14 給食施設での一般的な衛生管理によるウエルシュ菌への効果の検証と市内流通食品のウエルシュ菌汚染実態調査 ウエルシュ菌食中毒は「給食病」の異名を持ち、北九州市においても2018年から2021年の間に4件のウエルシュ菌食中毒が、いずれも給食施設で発生している。給食施設の衛生管理は、厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」が示されていることから、本研究では衛生指導に資するため、当該マニュアルによるウェルシュ菌の増殖抑制効果を検証する。また、ウエルシュ菌食中毒の主な原因食材とされる食肉、魚介類及びそれらの加工品について、ウエルシュ菌の定量的汚染実態調査も併せて実施する。   令和4~7年度
衛生化学部門 15 サッカリン及びその塩類の確認試験の確立 令和6年度、当所における甘味料の標準作業手順書に基づき作成した透析液を用いたLC/MS/MSによる分析方法を確立した。しかし、しょうゆの検体については回収率が低いなど複数の課題があった。しょうゆは、HPLCではサッカリンの疑似ピークを生じやすく今後もLC/MS/MSでの確認試験が想定されるため、試験法の改善について検討する。   令和6~7年度
16 下痢性貝毒試験方法の改善 平成27年3月に厚生労働省より下痢性貝毒についてLC/MS/MSを用いた下痢性貝毒(オカダ酸群)検査法が示された。これを受け、当所で標準作業手順書を作成したが、推奨された定量下限にはわずかに到達していない状態である。
そこで感度を高める方向で標準作業手順書を見直し、通知で示された定量下限濃度での妥当性確認を行うとともにより効率的な手法について検討し、手順の効率化を図る。
  令和7年度
17 動物用医薬品 試験方法の改善 当所では、豚肉・鶏肉・鶏卵等を対象とした標準作業手順書を整備しているものの、牛肉や腎臓・肝臓に関する試験法の妥当性は未確認であったため、妥当性確認を実施したところ、39成分中14~30物質について、妥当性を確認することができた。しかし牛・筋肉中のSulfamonomethoxineについては繰り返し精度はよいが回収率が若干低い妥当性が取れなかった。試験法について、妥当性を取る方向で見直しを図る。   令和7年度
18 標準列の劣化についての検討 現在、HPLC、GC/MS/MS、LC/MS/MSを使用した測定には検量線を作成するための標準列を、毎回標準原液から作成している。
 精密さ、コンタミネーションへの配慮などから多くの時間と労力が必要となる。作成した標準列を次回の検査にも使用することが可能であれば作業効率の向上につながる。
 そのため、検量線標準列の劣化について時間経過や保存方法による変化を確認する事を目的とする。
  令和7年度

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保健福祉局保健環境研究所
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