8月の果実(ブドウ、モモ)
ブドウ(巨峰)
ブドウは8000年以上前から栽培されている歴史の深い果樹で、世界で最も広く生産されている果物の一つです。世界全体では生産量の7割から8割がワインなどの原料になりますが、日本では対照的に約9割が生食用として、その瑞々しい美味しさを楽しむ文化が根付いています。
その日本で「ブドウの王様」として愛され続けているのが「巨峰」です。1942年、農学者の大井上 康(おおいのうえ やすし)氏が静岡県で「石原早生(いしはらわせ)」と「センテニアル」を交配して誕生させました。「巨峰」という名は、研究所から仰ぎ見る富士山の雄大な姿にちなんで命名されたものです。
ずっしりと重厚な房に実った、黒紫色の美しい大粒の果実。ひとたび口にすれば、張りのある皮の中から芳醇(ほうじゅん)な果汁があふれ出し、濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。巨峰は、現在も「ピオーネ」などの人気品種を生み出す親として、日本のブドウ文化を支える特別な存在です。
モモ
モモは、中国の黄河上流にある高原地帯が原産地とされ、日本へは弥生時代に伝わったと考えられている歴史の深い果物です。現在広く親しまれているのは、明治初頭に中国や欧米から導入された品種をベースに、日本の風土に合わせて改良・育成されたものが中心となっています。
代表的な品種には「白桃(はくとう)」や「白鳳(はくほう)」、「あかつき」、「ちよひめ」などがあり、いずれもとろけるような果肉と上品な甘みが特徴です。主な産地としては長野県や福島県、山梨県、和歌山県、岡山県などが有名ですが、福岡県内でも行橋市の新田原(しんでんばる)地区などで盛んに栽培されており、瑞々(みずみず)しい桃が市場へと出荷されています。
柔らかな産毛に包まれた皮をそっとむけば、中から現れるのは宝石のように輝く果肉と、あふれ出す甘い香り。口いっぱいに広がるたっぷりの果汁と濃厚な味わいをご賞味ください。
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