10月の野菜(まつたけ、しいたけ、ブロッコリー)
まつたけ
秋の味覚の王様として、古来より日本人に愛されてきたのが「まつたけ」です。アカマツ林に自生するのが一般的ですが、クロマツやコメツガの林でも見られます。まつたけの菌糸が地中で環状に広がる場所は「シロ(代)」と呼ばれ、そこから毎年10から15センチメートルほど外側へと移動しながら発生を続けるという興味深い生態を持っています。
かつては身近な秋の恵みでしたが、松枯れや里山の環境変化により、現在では国産まつたけの希少性は極めて高くなり、高嶺の花となりました。市場には中国やカナダ、アメリカなどからの輸入品も多く流通しています。
特有の芳醇な香りを活かした炭火焼きや土瓶蒸し、滋味あふれる炊き込みご飯など、日本の秋を象徴する料理には欠かせない食材です。
しいたけ
しいたけは、その深い旨みと豊かな香りで、古来より日本の食文化において不動の地位を築いてきました。栽培方法は、天然に近い環境でクヌギやコナラなどの丸太を利用する伝統的な「原木(げんぼく)栽培」と、おがくずを固めた培地で育てる効率的な「菌床(きんしょう)栽培」の二つに大別されます。
北九州市小倉南区は、この伝統的な原木栽培が今なお盛んに行われている地域として知られています。豊かな自然環境を活かして育てられるしいたけは、身が引き締まり、格別の歯ごたえと芳醇な香りを放つのが特徴です。地域に根ざした生産者の手によって、高品質なしいたけが出荷されています。
しいたけの大きな魅力は、乾燥させることで「グアニル酸」という旨み成分が飛躍的に増加する点にあります。この成分は、昆布のグルタミン酸やカツオ節のイノシン酸と合わせることで「旨みの相乗効果」を生み出し、料理の味を劇的に深めます。また、骨の健康を維持するビタミンDや食物繊維も豊富に含まれており、現代の健康的な食生活を支える優れた食材です。
天ぷらや煮物、焼き物、スープなど、和・洋・中のジャンルを問わず、様々な料理に重宝されています。
ブロッコリー
小さな蕾(つぼみ)の集まりである花蕾(からい)と茎を食用とする、アブラナ科キャベツの仲間です。南ヨーロッパで誕生し、20世紀にアメリカで改良が進んだことで世界中に普及しました。日本では1970年代から健康志向の高まりとともに注目され、現在では食卓に欠かせない定番野菜となっています。
鮮やかな緑色が主流ですが、近年では黄緑色のロマネスコや、白、紫といったカラフルな品種も目にするようになりました。
非常に栄養価が高いことでも知られ、イチゴやレモンよりも豊富なビタミンCに加え、カロテンやビタミンB群、ミネラルもバランスよく含んでいます。サラダや炒め物、スープなど幅広い料理を彩り、現代の健康的な食生活を支えています。
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