Artist

田中浩也研究室+METACITY(青木竜太)

Keio SFC Hiroya Tanaka Lab.+ METACITY (Ryuta AOKI)

田中浩也研究室+METACITY(青木竜太)Keio SFC Hiroya Tanaka Lab.+ METACITY (Ryuta AOKI)

《Bio Sculpture》2021

INTRODUCTION

Bio Sculpture

慶応義塾大学SFC田中浩也研究室とMETACITYによる協働プロジェクト。大型の3Dプリンターに複数の自然素材を採用し、それにデジタル技術で新たな形態と構造を与え、「人新世」の時代の社会彫刻を模索します。近年、地球温暖化により世界中で森林火災が発生しており、多様な生態系が一瞬で焼失する出来事が頻発しています。このグループは森の深部から採取してきた土壌成分の一部を都市空間に移植し、新たな環境下でその潜在力を可視化しようとします。そしてそれを新たな「器」と名付けています。器は、ひだ構造が付与された赤玉土と籾殻からなり、さらに表面に9種類の異なる苔を蘇生させ、温度・湿度・CO2・空気の汚れ等を自律的に調節するよう設計されています。グループは「この器で、採取してきた土壌が活性化し、そこに宿っている目に見えない森の生態系が、新たな姿を伴って顕在化したとき、本作は真の意味で完成となるでしょう」と語っています。

PROFILE

田中浩也研究室
(田中浩也、名倉泰生、青山新、河井萌、知念司泰、松木南々花、大村まゆ記)
デザインエンジニアリングの視点から、デジタル・ファブリケーションや3D/4Dプリンティングの可能性に国内でもっとも初期から着目。その先端を開拓し、デザイン・テックベンチャーを起業する卒業生も多く輩出。現在は「特殊造形技法」の発明・開拓、「デザイン言語」の整理・体系化、「未来の都市空間・都市生活のビジョン」の妄想・創造、この3つを軸に研究を深化させている。

METACITY(青木竜太)
METACITYは、思考実験とプロトタイピングを通して「ありうる都市」の形を探求するリサーチチーム。茶の湯のアート集団「The TEA-ROOM」、雑誌「WIRED」、エンジニア集団「CARTIVATOR」、4Dファブリケーションラボ「田中浩也研究室」、都市研究をおこなう「MIT Media Lab City Science Group」とそれぞれ共同プロジェクトを実施し、現在40名ほどのアーティストや研究者やエンジニアが活動している。


作品の一つは、北九州イノベーションギャラリーの中庭に移設して展示しています。(2022年2月現在)

令和4年3月、第25回文化庁メディア芸術祭 アート部門 ソーシャル・インパクト賞を受賞しました。